サイコホラーゲームの仕組み
ホラーゲーム
ホラーゲームとは、人に恐怖感を与えて楽しませるエンターテイメントである。ホラー映画と違い、プレイヤーは自分の操作に集中しなければならず、より高い没入感を味わえる。
どうしてわざわざ怖がらせるだろうと、よくホラージャンルに触れない方からよく聞かれる質問があるが、ホラーゲームが私たちを恐怖感を与えるとき、「興奮転移理論」(Excitation-Transfer Theory)のおかげで、危険からの脱出は大きな安堵感をもたらし、強い感情を喚起し、脳に良い刺激を与えることになる。ホラーゲームが人にもたらすメリットの研究は多くあるが、この文の話題とは関連性が少ないので割愛する。
ホラーゲームの仕組みはフィジカルホラーとサイコホラーの二つに分かれている。フィジカルホラーとは、見える恐怖要素、例えばゴア表現や突然のジャンプスケアに重視。一方、サイコホラーは、緊張感や不安を煽る雰囲気を作り出すことに焦点に当てている。
背筋がゾクゾクする瞬間を思い出しながら、今回はサイコホラーに関しての考察いくつか述べたいと思う。
サイコホラーにおける仕組みは基本的に「喚起」と「創造」二つの方向性がある。
喚起(Awakening)
喚起とは、人々の潜在意識にある恐ろしい現実との対立が目覚めること指す。すなわち人間を本能的に「怖い!」と感じさせる。
科学的な証明はまだフワフワの状態でしたが、人間の本能が「怖さ」を感じる原因はミームが遺伝子に転換したという説がある。リチャード・ドーキンスの著作『利己的な遺伝子』でこの理論を詳しく探求している、簡単に言えば、人間が生まれながらにして高所への恐怖を持っているわけではなく、何万年も前に高い場所を恐れなかった人々は、ほとんどが転落して死亡したと考えている。つまり、彼らの子孫である私たちは、彼らが恐れていたものを引き継いでいるということ。
喚起での一般的な仕組みは以下のように分類することができると考える: 情報と理解、無力感、不気味の谷、方向感覚の喪失、罪悪感。
情報と理解
プレイヤーは情報不足、及び情報をしっかり理解できない。「恐怖の根源は未知である」、まさにそういうこと。
「暗い場所」「未解決事件」など、これらはホラージャンルで最も使用される仕組みと言っても過言ではないでしょう。
情報が頼りにならないなら、どのような恐ろしいものでも現れる、人間の想像力が勝手にそれを作り上げる。「便りがないのは”怖い”便り」ということもある。
信頼できるはずの情報に「裏切られる」こともよく使われる手法の一つ。プレイヤーが安全だと思っていた空間に侵入されることで(物理的でも心理的でも良い)、不安を感じ、それが恐怖につながるでしょう。例えば、多くのジャンプスケアのシーンでは、プレイヤーが警戒していない際に出ようとする。
無力感
主人公は弱くて取るに足らない存在。事態に何もできず、何も変えることができない。
メインストリームの文化作品で、主人公が何かの方法で危機を切り抜けるのは見慣れている展開だったからこそ、「膨大な脅威の前で反抗できない」という認識を軸にして作れたホラー作品は新しい味として受け入れている。
ゲームでのありがちな表現はプレイヤーの反撃する手段を除くこと、およびプレイヤーを(不本意ながら)観察者の立場に置く。
サバイバルホラーゲームジャンルで、弾薬不足、体力ゲージのプレッシャー、ゲーム難易度がもたらした無力感が一層恐怖感を増やす。
不気味の谷
人間の意識は非常に型にはまっているものだから、固定観念に囚われがちだ。日常生活でよく見られるものを少しだけ改めると、違和感や嫌悪感が現れる。
「ナナシノゲエム」(2008)で多くの人々がよく知っているレトロRPGゲームの画面が時々登場したが、ゲームが進むにつれて、これらの画面はゆがんで壊れ始めることがある。過去の記憶に残る画面や体験が少し歪むことで、独特な恐怖感を呼び起こす。
方向感覚の喪失
時間の流れ、空間、重力、私たちの基本的な感覚が乱されると、物凄い不安を感じるはず。スリラー作品でよく見られる「ループ」すなわち同じ日を繰り返すことも良い例と思う。
罪悪感
プレイヤー自身の選択か、ゲームの指示通りか、その行動の悪い結果に直面すること。 罪悪感の本質とは、集団から排除される危険を感じたときに生じる、本能的な生命の危機感の表出で、罪を犯した不安感は恐怖に繋がることになる。
創造(Creation)
創造とは、先に述べた人間の本能だけではなく、新しい「恐怖」のルールを作ること。例えば精神疾患者の視点からの冒険物語、ゾンビもその類に当てはまる。
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