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受験エリートなのに

私の仕事ではメイン担当の仕事とサブ担当の仕事がある。愚痴を言うわけではないが、そのサブ担当の仕事を仕切るチームリーダーの女性上司の仕事っぷりがヒドい。その女性上司は職場全体でも仕事をしないことで有名だ。

何でもかんでも我々若手に仕事を押し付けてくるし、資料やマニュアルも中途半端に作って我々に残りをやらせようとする。

「忙しい、忙しい」とばかり言って(まったく忙しくないのに)、こちらに仕事を投げてくるが、自分は定時でしっかり帰っていく。引き継ぎや説明も無く仕事が降ってくるので本当に困る。

学歴がすべてではないし、学歴で誰かを測るのは好きではないが、その女性上司は関西の難関国立大学を卒業しているエリートだ。優秀なはずなのに要領が悪い。なぜだといつも思っている。


仕事の押し付けばかりされるので、そのことを別の上司に話すと、意外なまでもストレートに「あの子(例の上司)は仕事ができない。事務的なことはこなせるけど、資料やマニュアルを作るのは苦手やし、キャパもかなり小さい。だから、主観的には本当に忙しいのかもしれない。なので、本当は簡単にできる仕事しかさせてはいけない」という旨の発言をした。

なるほどと思った。人によって得意不得意はもちろんある。悪気があるのか無いのかはわからないが、その上司にとってタスクを複数抱えることや、新しく何かを生み出すような仕事は元来的にできないのだ。併せて、そうわかった時、先日読んだ記事を思い出した。

東京大学を卒業し、財務省を得て、弁護士になった山口真由氏の記事である。

山口氏の『東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』は、現役の受験生だった時に購入して読んだ。成績が悪かったので、世界史の先生に「読んでみたら?」とオススメされたからだ。

実際に本を買って、その勉強法を実践した。教科書を7回読み流すというものだった。そうすると、私の世界史の成績はまぁまぁ上がった。結果的には浪人したが、7回も読むとそれなりに何でも覚えらると感じた。

記事にはその7回読み勉強法で多くのインプットや暗記によってエリートコースを歩んできた山口氏のことが書かれている。だが、記事を読んでみると経歴こそ輝かしいが、仕事ではうまくいかなかったことが書かれている。

 順調な人生が一転したのは、大学卒業後、財務省に入省してからでした。資料を読み込むこと以外ぱっとしなかった私は思うように仕事を回せず、周りからダメ出しされ、上司にまったく評価してもらえない。学生時代の成功体験で培った「自分は優秀な人間である」という自信がガラガラと音を立てて崩れていきました。

そう、高校受験も大学受験も就活においても、評価に重きが置かれるのは、多くの場合、「暗記力」や「知識量」である。そのインプットの量がものを言う。

だが、就職をしたり、仕事をし始めるとそれだけでは対応できない。もちろん、暗記やインプットも必要だが、そもそも「答え」が無い仕事も多い。

その私の上司だってそうなのかもしれない。今までは暗記やインプットをしてエリートコースを歩んで、難関の国立大学を卒業した。それまでの努力はもちろん素晴らしい。だが、上司は山口氏のようにそれ以外の能力やスキルに欠けていたのかもしれない。

だからどうというわけではないし、一概に言えるものではないが、そういう現実を目の当たりにすると、やはり暗記偏重型の勉強や受験の弊害なのかもしれないと思うことがある。

私だって英単語や世界史の偉人を暗記して、関西の某私大に合格したが、少なくとも今の仕事ではそういったインプットだけですべてがうまくいくわけではない。むしろ、資料やマニュアル等ゼロから生み出していかねばならないことも多い。

人によって得意不得意が必ずあること。
また、受験エリートが必ずしも仕事エリートではないということを強く感じた最近であった。



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