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Violinmaking

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ヴァイオリンができるまで
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The Process of Violin Making Ⅷ

The Process of Violin Making Ⅷ

裏板のOutlineが整ったら、ヴァイオリン特有のアーチをまずは粗削りで仕上げていきます。それぞれのモデルによって、高さやアーチの仕上がりは違うので、思うがままに、ですかね。Templateが在ったりしますし、自分の思う建築学や力学を駆使するのもありでしょう。

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The Process of Violin Making Ⅶ

The Process of Violin Making Ⅶ

接ぎの接着が終了したら、再度、今度は精緻な平面出しをおこなっていきます。ここで出した平面側が横板(Rib)と接することになるので、きちんと出すことが大切ですね。鉋の面出しがなされていて、かける人間の技術があれば問題なく進むと思います。
いつも感じるのは、B4~A3ほどの木材の平面が綺麗に出ているときの木肌はうっとりするほど美しいことですね。写真に撮って残したいくらいです。

平面出しが完了したら、

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The Process of Violin Making Ⅵ

The Process of Violin Making Ⅵ

胴部分が一応の完成をみたので、お次は裏板です。別に順番通りに作っていく必要はないので、表板と裏板を同時に進めても問題ないですし、ニスを塗る段階では、それが乾くまでの間に他のことを進められるので、今書いていることはあくまでやることリストみたいなものと思っていただければ良いと思います。

裏板は横板と同じくメイプル材を使用します。杢が入っていると綺麗ですが、音にも関係あるんでしょうかね。この辺は私も分

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The Process of Violin Making Ⅴ

The Process of Violin Making Ⅴ

ひとつ前の工程であるライニングの接着が終わったら、胴部分のゴールが見えてきます。

横板とライニングの高さ(ボディの厚さ)は接着終了時点では、正規の高さになっていませんので、全体の高さを合わせていきます。のちに表板と裏板が接着する部分でもあるので、この胴部分の外周は平面に仕上げる必要がありますし、左右で高さが違ってもいけません。わりと細かさが求められる部分ですね。
ネックが入る部分と反対のエンドピ

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The Process of Violin Making Ⅳ

The Process of Violin Making Ⅳ

ひとつ前のⅢはこちらから

さて、ヴァイオリンの横板(Rib)が接着出来たら、今度はライニング(Linings)といわれる板をRibの内側に取り付けてゆきます。これは何かというと表板と裏板との接着面積を増やす役割を負っていて、横板は厚さが1mm前後しかないので、それだけでは表板と裏板との接着面が足りないため取り付けられている事情があります。ライニングを付けずに横板を厚くすれば問題ないのですが、それ

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The Process of Violin Making Ⅲ

The Process of Violin Making Ⅲ

ブロック材がくっついたらTEMPに合わせてカットして、次の工程はいよいよ横板(Rib)を接着していきます。

とその前に、当たり前なんですが、その横板を作らなきゃいけません。幅、厚さ、長さをしっかりと計測して、均一なRibを作ります。

そして、Ribを接着していきます。ここでも順番を間違えると大変です。アイロンを使ってRibを割らないように、熱で曲げていくんですよ。気分は家具職人。

切り出され

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The Process of Violin Making Ⅱ

The Process of Violin Making Ⅱ

内枠の中心線を確定したり、切れ込みやクランプ用の穴を加工する工程はすっ飛ばして、内枠が完成したら、、、

今度はそれぞれのコーナー部分にブロック材をくっつけていきます。ネックとの接合部、くびれ部分のそれぞれコーナー、エンドピンの全部で6か所。このブロック材はただくっつければ良いわけではありません。高さ方向の寸法をどうするかや、どの向きで切り出すかなどをしっかりと考えて取り付ける必要があります。この

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The Process of Violin Making Ⅰ

The Process of Violin Making Ⅰ

ヴァイオリンを作る。

ヴァイオリンはみんな同じ形をしていると思われがちですが、それぞれ個性があり、じっくり見てみるとさまざまな表情を見せてくれます。その個性の一端を決めるのがテンプレート(以下Temp)と内枠。

いきなりすっ飛ばしていきますが、最初に必要なものは航空べニアとMDFボード。それぞれ厚みが重要になんだけどここでは省略。真鍮板やプラスチックの板を使う製作家もいて、何を使うかは人それぞ

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