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ワークマンのウェアに不信感を抱いた話

先日、友人がトレッキングを始めたいとのことで、相談に乗っていたのですが、その際に「ワークマンのウェアってどうなの?」と聞かれました。

ネットやテレビで褒めちぎられてるワークマンのアウトドアウェア。

すごい売れてるみたいだし、過剰なぐらい褒められてるので、すごいんだろうなぁぐらいには思ってた。アスレジャーのトレンドに乗って、安価で手に入れられってことで、一気に盛り上がったのが、ワークマンのアウトドアウェアなんだろうって。

株価もグングン上がるので、一時は小遣い稼ぎもさせてもらったので、ワークマン様々です。

ただ、僕自身もトレッキングをするけど、ワークマンの商品の事については、自宅の近くに店舗もないし、一通りアウトドアウェアは既に持っているので、安いらしいって情報以外の詳しい情報は知りませんでした。

せっかくだから調べてみるかと思い、色々と商品を見たり、ネットのレビューなんかを見てたのですが、結論、山で使うには無理がある...。というか、値段は安いけど、ハイテク素材の使われてる普段着とかとも、スペック的には変わらないんじゃないの?という感想でした。

ユニクロやGUが国民服と万人受けし、安価=粗悪というイメージは払拭されている状況に加え、テレビやら雑誌やらネットで「安くて凄いワークマン!」と紹介されてるのであれば、皆んな興味を示します。

別にそれが悪い事ではないのだけど、過剰広告が過ぎると、逆に嫌悪感に変わるのだなと感じるのです。

アウトドアウェアを選ぶポイント

まず冒頭の山での使用って状況においての話。

登る山や、行程、それに好みも加わるので、一概には言えないけど、総じてアウトドアウェアを選ぶ際に大切な機能は、防水、防寒、防風、速乾、軽量、透湿、そして収納性といった機能。

ワークマンのウェアを見ると、一定の機能は備えているものの、軽量や透湿機能、着脱機能、収納性が、有名どころのアウトドアウェアと比べて、劣っているウェアが全体的に多かった。

例えばワークマンで登山にも使えるとレビューのあったレインウェア。

耐水圧10000mm、透湿度8000g/24hと書かれている。有名ブランドでもこれぐらいのスペックのアウトドアウェアはあるけど、この程度だと長時間の雨には耐えられず裏側が結露する。

かと言って、不快になる程でもないだろうし、ゴアッテックスだろうと状況によっては裏が結露する事もある。あとゴアテックスは蒸れやすい。

蒸れる蒸れないなんて話をすると、ブレちゃうので話を戻します。

レインウェアの機能として、倍程度の耐水圧20000mm、20000g/24hぐらいはないと山では正直辛い。股間にファスナーがなかったり、シューズを履いた状態でも着れる程スリットが入っていなかったりと着脱にも問題がありそうだ。

WEBサイトや店舗を見てると、色んな商品が揃っているし安いなぁと感心するけど、機能表記を見ると有名どころのアウトドアメーカーの半分以下の数値だったり、透湿なんかは記載のない商品だって多い。

他にもトレッキングに使うにはやや重かったりと、見ればみるほどに山では力不足だと感じた。

街着やちょっとしたレジャーには十分なスペック

力不足って言葉尻を捉えられちゃうと、勘違いされてしまいそうだけど、ワークマンを貶めようって気持ちは一切ないです。

登山用途には不向きだと言っているだけで、街着としてやオートキャンプ、釣りとか、ちょっとしたレジャー、フェスなんかだったら、ワークマンのアウトドアウェアも十分なスペックだと思う。なにより一番なのはとにかく安い。

フェスなんかに行くと、高額なアウトドアウェアに身を包んで現れては、少し泥が跳ねたぐらいで大騒ぎな人がいます。そんな人には是非いくら汚れても大丈夫な様に、その服は行き帰りのアピール用にしていただいて、開演中はワークマンを着るのはいかがでしょう?

東京なんかで1000フィルパワー近くある様なダウンジャケットに身を包んでいる人がいます。その服の効果を最大限感じるためには、日本だと冬の網走で24時間外で立っている時ぐらいしか感じないだろうから、街着には是非ワークマンの防風アウターなんかはいかがでしょう?

ハイテク素材の使われてる普段着とスペックは変わらないなんて言っても、やはり値段が圧倒的に安い。ユニクロなんかでもそういう服はあるけど、ベーシックな色が多いし、カラフルで化繊のテロテロとしたレトロな感じはワークマンにしかないデザインで僕もいくつか欲しいなって思うものもありました。

そんな風に用途が違うのなら僕もおすすめします。

過剰な宣伝によって募る不信感

これが街着なら安いし、十分でしょと思うので、ネットやテレビで褒めちぎられてるのも納得な部分はあります。だけど、こと快適に登山する場合だと「値段程度の機能」となって、そういう見出しで褒められているのを見かけると、逆にネガティブに捉えてしまいます。

だって、「その値段でこの性能だったら買いだ!」とすら思わないですもん。

それでも信者じみたテンションの人達がネット上には大量にいるわけで、彼らが褒めれば褒める程に不信感は募ります。

シャワーでチョロッと水掛けて「防水、撥水がしっかりしている」とか、晴れた日に防寒アウター来て「これ一枚で大丈夫」ってそれ意味ありますか?

雪や雨の日に長時間外にいて本当に暖かいのか、水が内部に入ってこないのか、防滑性にも拘ったり、蒸れてないか?って、アウトドアウェアのテストって過酷な環境でするもんでしょ?

マウンテンハードウェアのプロモーション見てみてよ、消火栓ぶっ放して耐水テストしてるよ。雨に見立てたスプリンクラーを数分間浴びる程度では、最強の証明にはならないよ。

見出しに「歴代最強」とか「史上最高」って「全米が泣いた!」とか「今世紀最高の」ってのと一緒じゃんと思います。

テレビの情報番組やでワークマンを褒めている芸能人が、自分のインスタグラムではナイキだノースフェイスといった有名ブランドを着てたり。台風レポートや災害地レポートなんかの、極地的な状況で記者が着ているジャケットもモンベルやノースフェイスといった有名ブランドばかり。

そんな風になんでもかんでも、どこもかしこでも褒めちぎってると、過剰な宣伝に思えて逆効果でしかないし、行き過ぎると嫌らしいステマにさえ思えてきます。

アンバサダー選びは慎重に

結局、冒頭の何買えばいいって相談に対して行ったアドバイスは、モンベル、ノースフェイス、マウンテンハードウェアとかがいいんじゃないって言いました。(これは僕の好み)ワークマンはちょっと山用としてはやめた方がいいし、最初は安心して買えるメーカーを選んで、使っていくうち、満足出来ない時や自分の好みが出てきたら、その他のブランドを試したらいいよって。

本来知りたい情報ってのは1万を超える有名アウトドアメーカーの商品とワークマンの2千円の商品では、どこが違い、それはどういう状況で違いを感じるのか?ってことじゃないでしょうか。だからこの場合の登山、トレッキングで穿くとなると1万円出してでもモンベルを買う方が絶対に賢い筈と僕は思います。

ワークマンはブロガーやインフルエンサーを展示会に呼んで、意見を集めて商品開発に生かしたり、使用感をレビューしたものを拡散してもらうという戦略があたったなんてマーケティングの事例だか、テレビ番組だかで見た事があります。

その方法は確かに合理的だし、効果的なんだろうとは思うものの、ワークマンはアンバサダーの質の管理が出来ていないんじゃないかなと思いました。

だって、価格はたしかに安いし、色んなシーンへの対応もできるだろうけど、重量・収納性や細かいスペックの部分でアウトドアウェアとの差ははっきりとあります。それを価格だけにフォーカスして「最高、最強、万能なウェアだ!」なんて書かれまくっていても不信感しか募りません。

ワークマンへの口コミは見れば見る程に嘘っぽいというか、そういう口コミやレビューで溢れています。あの値段であのスペックと普段使いなら、めちゃくちゃいい商品なのにもったいないと思わずにはいられないのでした。

p.s. 読み返してみると、めちゃくちゃ褒めてる様にも思えるのは私だけでしょうか。

頂けたら、ダイエットに使います。