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賃金はなぜ上がらない? それはみんなが社長に給料を上げないと辞めるぞって言わないから。

なんか昔の話で、バブルの頃かな、日本の給与は安くてアメリカが高いのは景気が悪くなっても雇用を維持しなくてはならないから、だとテレビで言っていた。
日本は組合が強く、法律も労働者の権利を保護する傾向があるから、景気が良い時でもそれほど分配にまわさず、取っておいて不景気で仕事がなくても社員を養う、ということだったのだが、そんな不景気がやってくるのか?という不安のない時代では、給料が上がらなくても賞与はものすごく出ていたし、バブルの前には円高地獄で苦しんだこともあり、何よりベースアップがあって当たり前の時代では、そんなに賃金の考え方がいろいろあったわけではない。春闘もあったが、国鉄がJRとなったように、成熟した社会は労使の対立も静かになったのだ。

その後、バブル崩壊、現実に失業が増え、新卒採用が見送られたが、みんながなんとなく信じていた足元の安定は期待通りであることが証明された時期でもあった。
雇用を守るため労使は一体化、組合の組織率は下がり、ベアも無くなった。年功序列の給与制度化から、MBOなどの制度に切り替わり、給料を上げるには個人が仕事で戦うことになったのである。組合運動よりも、少しでも自分の成績を上げるために時間を使う。経営者にとって良いことを労働者が進んで協力するのである。バブル崩壊は彼らにとっては大きな変化のきっかけとなったプラスの出来事だと言える、いまとなっては。

というわけであるからして、
賃金は上がるはずがない、絶対。
政府から言われて給料上げる経営者は絶対にいません。
社員がほしいて言わないのに、なぜ上げるのか、と全員がそういうだろうよ。

社長さんたちは懲りている、銀行に借金するのを。
バブルの後に銀行が手のひら返し、貸し渋り、不良権債権だとかなんとか勝手に格付けして会社を潰したり売り飛ばしたりした、銀行と財務省の非道を忘れるはずがない。
だから内部留保はあればあるほど安心だ。
このトラウマは賃金の抑制だけではなく、研究開発費などという将来の保証がないものに金を出さなくなった。回収のできないリスクを嫌い、問題児はいらない、確実金の稼げる投資を目指した結果、現在こんな成長のない国はないと言われるほどになった。

だから私は思う、このインフレ期に於いても、賃金の上昇なんてありませんから。
規模の大小関係なく、利益が上がって社員が求めて来れば、あげてもいいかな、って思うくらいのことです。
そのうちなんか我慢しているとどうにかなる、老いも若きも、貧富の関係なくてみんなそう思っている。
究極の茹でガエル
滅びるほかないでしょうね。とりあえずあるところには金はあるのだから、その金がなくななって、ものすごい格差社会となって、日本の歴史においてこんなにもひどい格差社会はみたことないね、って状況になるでしょう。
その頃の金持ちはみんな海外でしょう。

なんか暗い未来ですが、こうならない方法はないことはない。
自分の労働の価値と見合わない会社は辞めて、給料の高い会社に転職です。
稼ぐ力がある会社は人が足りない、毎日仕事は増えているのに、この人で不足で困っている。
転職はリスクがあるから、と我慢しちゃうと、あげなくてもいいんだ、人材は足りている、となる。
またよく日本の生産性は低いってことも言われるでしょ、これで企業が評価されず株が上がらない理由とも言われていますが、
それは転職して忙しい仕事の沢山ある企業に人が移らない、それはすなわちもっと効率化できる仕事をわざわざ大勢でやっている、それを許す経営の甘さ、これが生産性の向上を妨げているのは明らか。
高学歴の子たちが志望する会社も結局は効率化よりも効率化されていない複雑な仕組みを超絶な事務能力によって支えている労働力になって、イノベーションを起こせていない。私見ですが、日本のDXが進まないのはこのなんとか破綻させずに維持させてしまう現場力が仇になっている。
こんなこといつまでやっているのだ、と言うは易し、ではやめてしまおう、置き換えてしまおう、ということの面倒臭さ、頭のいい子たちは面倒なことはしない。ましてやこんな安い給料でリスクを負わない。

言えば言うほどどん詰まり。
こんなことでは国が持たない、という志の高い人は転職しよう。

半導体の市場の王者であった日本の没落、とか言う話はまた別なので。

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