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新刊のタイトルと部数が決まる日

 新刊の原稿直しをすべて終えて、あとは初稿が上がってくるのを待つのみとなりました。

 ここから著者ができることは、初稿、再稿での直しくらいです。

 ただ本日は、本を出版する過程のなかでとても重要な日です。
 タイトルと出版部数が決定する日なのです。

 本のタイトル決定には、著者が意見をいうことができない出版社も少なくありません。

 過去の話ですが、「仕事能力を上げる」という内容で執筆依頼が来て、企画から完成まで半年ほどかけて完成させ、初稿直しも終わった段階で、タイトルを告げられました。それがまったく内容とあっていないので「さすがに本書の内容にあったものにして下さい」と抗議したのですが、出版社側も譲りませんでした。

 「ならば100歩譲ってタイトルに合わせた内容にします」と申し入れたところ、発売日は変えられないと、まったく受け入れてくれないのです。

 結局、「出版する思想に責任を持つ」という自分の信条に従って出版をしないことを選びました。
内容とタイトルが違うということは、読者を騙すということでもあるからです。

 時間と労力、初版の印税、失ったものは大きかったのですが、誠実さと信用をとりました。

 今となっては、その選択をした当時の自分を誇らしく思います。

 今回の日本実業出版社は、著者と編集長でタイトル案を出して、2度のタイトル会議を経て10タイトルほどに絞り込み、本会議に臨みます。

 とても誠実な出版社。

 ここまで真剣に本のタイトルに向き合ったのははじめてで、ここまでくると、本会議でどのタイトルに決まってもいいという気持ちになります。

 出版部数については明日書こうと思います。


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