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『Obsidianで“育てる”最強ノート術』刊行までを振り返る #Obsidian部

10月18日に新刊『Obsidianで“育てる”最強ノート術』が全国の書店で発売になります。
この本がどうやって生まれたのか、そしてどんな内容なのかを紹介します。

2020年までの私のノート

『人生は1冊のノートにまとめなさい』という本が2010年に発売になり、2010年から2012年あたりは「ライフログ」という言葉が大きく話題になりました。

そして、手書きのノートだけでなく、Evernoteなどのデジタルノートアプリを使って記録する人も増えました。世の中には多くのノートアプリがあり、さまざまなアプリを使って比べている人も多いでしょう。

私もライフログに触発された一人で、さまざまなノートアプリを使ってきました。特に2010年代後半はScrapboxにのめり込んでいました。2019年に開催された「Scrapbox Drinkup」というイベントではLTをしたりもしていました。

2020年に私が書いた『ITエンジニアがときめく自動化の魔法』でも「ライフログ」やScrapboxという単語が登場します。

Obsidianの衝撃

そんな私が出会ったのが今回の「Obsidian」です。アプリの登場は2020年だと思いますが、登場から少し経って、Obsidianを使い始めます。

Scrapboxのような独自記法ではなくMarkdownで書けること、オンラインに保存するのではなくローカルに保存することでサービス終了のリスクを避けられること、階層型のタグを使えること、プラグインで拡張できること、などその特徴に感動したことを覚えています。

私が書いた本の中では2021年9月発売の『IT用語図鑑[エンジニア編]』で「Obsidian」という単語が登場します。つまり、この本の執筆中である2021年の前半の段階にはObsidianにどっぷりハマっていました。

そして、このノートアプリを広げなければ、という思いが大きくなっていきます。まだまだ世の中に知られていないけれど、これは多くの人の役にたつはず、という思いからObsidianについての情報を発信することにしました。

2022年noteでの発信スタート

そして、noteで最初にObsidianについて投稿したのが2022年の元日です。そのタイトルは「Obsidianで人生を管理する」という壮大なものでした。

その後も、このnoteの中にマガジンを作成し、Obsidianの活用法について発信してきました。

それでも、noteでの情報発信では限界がある、と感じたのも事実です。普段から本を書くことを仕事の1つにしているので、本の形にできないか、と模索を始めます。

本を商業誌として出版するためには出版社の企画会議を通さなければなりません。出版社とObsidianについての企画について話をしていたのが、2022年4月のことでした。

ただ、この時点では企画案を作成するものの、企画会議を通らない、という状況でした。まだまだObsidianの知名度が低すぎて、商業誌として出版するのは厳しい、という判断です。

技術書典で同人誌として販売

どうしても諦めきれない私は、同人誌として本を作ることを考えます。ちょうど2022年9月に技術書典13があったので、そこに向けて本を書き始めました。そしてできたのが『Obsidianノート術』です。

技術書典そのものは約2週間の期間でしたが、多くの方に手に取っていただき、少しずつ認知度を上げられていると感じました。
それと同時に、Kindle版も発売しました。2023年9月10日まで、ちょうど1年間販売しましたが、それなりの部数を購入いただけました。

ただし、その販売数を出版社に報告しても、まだ難しい、という判断でした。
この頃には商業誌ではありませんが、いくつかの本や雑誌でObsidianが取り上げられ始めていました。

Obsidian 1.0のリリースと連載開始

そんな中、2022年10月13日にObsidian 1.0がリリースされました。ついに正式版となったのです。

このニュースを元に、技術評論社の編集者さんと調整に入ります。そして、「まずはWebで記事を書いてみませんか?」という話になります。ここで生まれたのが、gihyo.jpでの連載です。

そして、この記事や連載がいずれもはてなブックマークでトレンド入りし、大きく注目されていることがわかりました。
ここから一気に書籍化への話が進みます。上記の連載が2023年2月まで、ということで、商業誌の企画をまとめます。結果、企画が通ったのは4月後半のことでした。

商業誌の執筆開始

できるだけ短期間で出版したい、という思いもあり、上記の同人誌をベースに進めることにしました。商業誌として販売するときには、同人誌やKindle版の販売は終了することを前提としました。

とはいえ、一般の書店で販売するため、技術書典のような技術者ばかりが集まる人に向けた本ではなく、より一般の方が読めるような内容に変更していきます。
さらに、Obsidianはどんどんバージョンアップしていきます。執筆の途中にもアプリのアイコン(ロゴ)が変わるなど、大きな変更がありましたが、それらにも対応していきます。

そして、いよいよ出版日が2023年10月18日に決まりました。

目次

そして完成した本の目次は次のような感じです。
サブタイトルにある「あらゆる情報をつなげて整理しよう」ということをテーマに、さまざまな情報をつなげることについて解説しています。

第1章:情報をつなげればノートは育つ
1.1:ノートアプリに最低限求められること
1.2:よく使われる「ノートアプリ」の機能たち
1.3:けれど「フォルダで分類」は難しい!
1.4:ノートをつなげて管理しよう

第2章:Obsidianをはじめよう
2.1:Obsidianの特徴
2.2:Obsidianの基本操作
2.3:Obsidianのプラグインとカスタマイズ
2.4:複数デバイスでの同期

第3章:Obsidianを習慣化しよう
3.1:デイリーノートで作る気軽な日誌
3.2:仕事の情報はすべてObsidianへ!
3.3:趣味の本や映画もObsidianで整理

第4章:Obsidianでタスクも管理しよう
4.1:タスク管理の考え方
4.2:タスクとカレンダーをつなげる
4.3:タスクとノートをつなげる
4.4:タスクとプロジェクトをつなげる

第5章:あらゆるものをつなげて新しいアイデアを発想しよう
5.1:思考をつなげるノート作成の考え方
5.2:Obsidianでノート間のつながりを見る
5.3:視点を変えて,つながったデータを可視化する

第6章:データベースで細かな情報まで自在に管理しよう
6.1:データベースとしてノートをつなげる
6.2:データベースとして活用する

付録:Markdownリファレンス

今後について

商業誌として全国の書店にObsidianについての本が並ぶところまできましたが、まだまだITエンジニアですらObsidianについての知名度は低く、一般の人であればほぼ聞いたことがない状態だと感じています。

多くの人に届けるために、これからもObsidianについて、このnoteだけでなくさまざまな媒体で情報発信をしていきます。
ぜひ読者の皆様も、Obsidianの良さを発信していただければと思います。


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