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宇宙(そら)に向け、言の葉を編む 3このブログタイトルに纏わるあれこれ

宇宙に向けて、言の葉を編む

このタイトルを編み出してくださったのは、クリエイティブ・プロデューサーの篠原有利さんです。

篠原さんと話していると、「そうそう!」とか、「あ、まさにそれ!」と、思うことが多々あって、本当にありがたいです。
こちらの、ぼんやりした希望や、上手く表現しきれない思いなども、
さり気なく汲み取って見せてくれる。
私はこれを、ひそかに「ゆーりママ・マジック(マが多い!)」
と、呼んでいるのですが(笑)。

中学生のころ。自分で手編みしたマフラーや手袋を付けて通学するのが、流行っていました。
私は、ぶきっちょ(不器用の事)なので、しませんでしたが、昼休みや放課後。教室に残って、無心に編み棒を動かしている同級生たちの指先を眺めているのが好きでした。
そのうちの一人。Eちゃんは、ほかの皆よりも、一回り太い毛糸と編み棒を使っていました。

「下手くそだもんで、きれいにきっちり編めんだよ。んだもんで、太いやつで、ざっくり編むじゃん。そのほうが、下手が目立たんで良いに」
すると、Eちゃんをフォローするように、他の子が言いました。
「ざっくり編みのほうが、あったかいじゃん。空気いっぱい入るで」

「しめこのうさぎ」を書くにあたり、私がもっとも心掛けたのは、「左脳で書かないこと」。
脳裡に浮かんだ情景を、見たままに書く。「書く」というより、「描く」。
とくに、第8章の「赤い魚」は、夢で幾度か見た光景が基になっていますので、できる限り夢のままを書きました。

もう一つは、「余地を残して、ざっくり書く」。
左脳でガチガチに固めようとせず、隙間をたくさん作る。
キャラクターが自在に動いたり、シンクロが起きたり。
魔でも神でもいい。あらゆる奇跡や、ゆかいな悪戯が、
そこかしこに、するり、と、入り込める文章にしたい。
なので、第9章「惑星(ほし)の縁(ゆかり)」(一部、8章も)については、
ほぼ、自動書記です。
これも、できる限り「降りて来るまま」に書きました。
ただ、この場合だと自意識が働かない分、どうしても重複や繰り返しが多くなってしまうんですよね。同じことを、言い方や表現を変えながら何度も言う、みたいな。
あとで整えたら、文字数が最初の三分の一ぐらいになりました(笑)。

そういえば、あのとき。
Eちゃんや他の同級生にも、編み物を勧められたけれど、結局、私は一度も編み物を経験しないまま、現在に至っています。
ところが、言葉を編むことは性に合っていたようで、この年齢(とし)になってから、俄かに始めたにも関わらず、とても楽しめています。
まだまだ初心者で下手くそだけれど、最後まで編み上げる達成感も得られました。

「しめこのうさぎ」が、まるで、ざっくり編みのマフラーのように、
愛や奇跡、そのほかいろいろなものを、たっぷりと含んで、読んでくださる皆様の心を温める作品になれば良いなぁ、と、心から思います(^^)。


「しめこのうさぎ」は、現在、Amazon kindleにて全4巻(各¥385)販売しております。

加えて、毎週木曜日は、Stand FMにてオーディオシネマ(聴く小説)
として配信しております。こちらは無料でお楽しみいただけます。

篠原有利さんによる魅力的な朗読と、実在の環境での録音(リアル音源)をもとに作成された音響効果で、お送りしています。



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