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オーストラリアのナチュラルワイン、試飲会にいってきました。

週末、株式会社コロニアルトレードの試飲会がウィルトス自由が丘にて開催されたので、行ってきました。

天気がよくってお外飲み最高!

コロニアルトレードさんは、おもにオーストラリアとニュージーランドのナチュラルワインをインポートされています。目黒と武蔵小山には実売のワインショップもありまして、先日は武蔵小山の「アリバイワインルーム」さんにもうかがいました。

今回の試飲会では、サウスオーストラリア州のワイナリーである「ALPHABOX & DICE」のワインが登場。お店に到着すると、ずらりと並んだワインが目に入ります。その数、あわせて14種類。じゅ、14種類…!(ごくり)

壮観

ちなみに、今回の試飲会の設定時間は1時間なのですが、14種類を1時間で飲みきろうとすると、1種類に対してかけられる時間は約4分。一般と業者の合同試飲会でもありましたので、たった4分で仕入れの可否を決めるプロのみなさん、すごいな…!などと感嘆しつつ、何を隠そうわたしはただ美味しいワインを飲みに来た、美味しいワインが大好きな、一般人。冬の寒さの緩むぽかぽか陽気のなか、美味しいワインをたくさん飲んだだけの、楽しい時間だったのでした。

感想「全部美味い」

さて、せっかくたくさんのワインを飲んだので、備忘録的に印象に残ったワインを記録していこうと思います。ほんとワインって、飲んだ端から忘れていくので、自分の記録に助けられることがしばしば起こります。過去のわたしよ、ありがとう…!

Tarot Prosecco 2021(タロット・プロセッコ)[¥4100]

真ん中の金色エチケットから行きます

まず1杯目として、しゅわっと華やかなスパークリングワインが出て来ます。その名も「プロセッコ」。イタリアの超優秀デイリー泡としての不動の地位を築くプロセッコですが、ここオーストラリアでもおなじ「グレーラ」を使って、スパークリングが造られているんですね~!

▶プロセッコについて徹底調査されたヒマワインさんの記事はこちら。まじで勉強になるオブザなる。

なお、次に飲んだ「Tarot Pinot Grigio(タロット ピノグリージョ)」もそうですが、今回の試飲会では「イタリア品種」を使ったワインがたくさん出て来ます。オーストラリア、特に今回テーマとなっているサウス・オーストラリアは、比較的温暖な気候とイタリア移民によるワイン造りの影響によって、イタリア品種がたくさん植えられているのだそう。あえてフランスではなく「イタリア品種」が多いニューワールドの国なんて、それだけでワイン造りに対する飽くなきチャレンジ精神がうかがえるぞオーストラリア…!

ちなみにワインは、プロセッコらしいりんご味の美味しいシュワ泡で、かけつけ1杯にぴったりでした。天気のいい日にお外で飲むプロセッコなんか、トップオブザ最高に決まってるんだよな〜!

Ö GRUNER VELTLINER Bonoposto Vineyard 2021(グリューナー・ヴェルトリーナー ボノポストヴィンヤード)[¥5200]

このワインの品種は、グリューナー・ヴェルトリーナー。オーストリア(ラリアじゃなく)で有名な品種ですが、こんなのも造ってるんですね?!という、率直な驚き。味わいとしては、ニュートラルながらもボリューミー。

「グリューナー・ヴェルトリーナーはマイナー品種なので、名前だけだといまいち売れないんですが、ワインを食事と合わせがちな日本の食卓には、とても合うと思います。お寿司なんかもいいですよね!」という、ウィルトスさんからのご紹介にひざを打ちます。ニュートラルなワインには、ニュートラルなワインの存在価値がある…!

Wendy Chardonnay 2021(ウェンディ・シャルドネ)[¥4600]

真ん中の幾何学的なお花柄に行きます

ワインの品種がシャルドネだった場合、そのワインから上品な樽の香りがした瞬間に、「はいこれ美味しいやつーーー」と認定してしまう悪癖が、わたしにはあります。まあ待ちなさい。焦るんじゃないよ、まずはワインを飲んはい美味しいーーーー(茶番)

上品な樽の香りとふくよかな果実味。でもトロピカルになりすぎない繊細さと酸味があって、とても美味しいシャルドネでした。わたしよりさらに樽系シャルドネが好きな夫は、最後までこれを買おうか悩んでました。
そうは言っても4600円は結構するからな~と、最終的にお財布ストップがかかりましたが、それでも値段相応というか、十分に「わかる」値段。この同じ感じでフランスだったら、きっともっと高いよこれ。ニューワールド、ありがた。

GOLDEN(ゴールデン)2021[¥4000]

わたしが最後まで「買おうかな~」と悩んだのはむしろこちらでした。

セミヨン、マスカット、ゲヴェルツトラミネールで造られたオレンジワイン。もうグラスに注がれた瞬間から、果物畑の春みたいな華やかな香りがぶわっと漂います。ひえ~!
この香り、たぶんゲヴェルツのしわざ。なんだけど、その香りに負けないほど華やかな口当たりと意外なほどのドライさが、いろんな食事に合いそうでよかったな~

エチケットもとっても印象的。ウィルトスさんに「これは…犬?」って聞いたら、「うーん…犬?」って答えてくれました。犬…?

たぶん犬…(誰も自信がない)

Dead Winemakers Society 2019(デッドワインメーカー)[¥5700]

左から2番目に行きます

「Dead Winemaker(デッド・ワインメーカー)」という名と、裏エチケットに書かれた「S.T」の文字。実はこのワイン、世界中のナチュラルワインラバーの憧れであり、ナチュラルワイン生産者が目指すひとつの頂点である、イタリアのナチュラルワイン生産者「スタンコ・ラディコン(S.T)」が2016年に亡くなったことを悼んで、オマージュとして造られたワインなんだそうです。

マスカットとセミヨンのアッサンブラージュによって造られた、厚みのあるオレンジワインなんですが、味わいの方向性もラディコンに寄せているんだそうですよ。飲んだことないからわからないけど…!

ところでこのワインのエチケット、「D」というアルファベットが描かれていますが、実はALPHABOX & DICEというワインメーカーは、「A~Zまでのすべてのアルファベットをワインで表現」しようとしているんだそうです。
先に飲んだ「タロット」シリーズは「T」ですし、「グリューナー・ヴェルトリーナー」の口を大きく開けた人の顔は「O」なんだそうですが、正直半分くらいはこじつけ感があって、その無理矢理な感じ、嫌いじゃないです。

さて、試飲会も折り返しを迎えます。続いて赤ワインコーナーに入っていきましょう。

PINOT/PINOT 2021(ピノ/ピノ)[¥4000]

今回いただいた赤ワインのなかで、ほぼ唯一の「軽やか系」。ピノ・ピノの名前は、ピノ・ノワールと(ピノ・)ムニエのふたつの「ピノ」から取ったそう。(※ピノ・ムニエはDNA調査から「ピノ」系統ではないことがわかり、現在は「ムニエ」だけの名前となっています)

いわゆる薄旨系の軽やか赤、日本ワインにも感じる梅ちゃんの香りもします。そのわりには果実味もあってほがらかにすいすい飲めちゃうな~というのが感想だったのですが、このあと続く赤ワインがぜんぶ果実味が強いキャラ濃い系で、振り返ってむしろ貴重なワインだったな思いました。キャラ濃い赤にはキャラ濃い赤の、ほがらか赤にはほがらか赤の、存在価値がある…!

Tarot Rosso 2019(タロット・ロッソ)[¥3800]

こちらは今回の我が家の1番のお気に入り。1本買うならこれ!という意見が夫とも一致し、うちに連れ帰ったワインでもあります。うちの子におなり。

甘酸っぱジューシーな美味しいフルーツジュースみたいな口当たりで、難しいこと考えず飲んで1秒で「美味ァ〜〜♡」ってなります。
こういう、シンプル美味い!みたいなワインが好きだって自覚するたび、ヤダわたしってばホントこども舌…と思うんですが、好きなもんは好きなんだから、どうしようもない。えーん美味しいワインって美味しいんだよぉ…

ちなみに、今回いただいた赤ワイン、共通してやや糖度を感じたんですね。さすがに(最近我が家で流行の)糖度計は持ち込みませんでしたが、印象としては常に6〜7くらいを行ったり来たりしてる感じ。
「全体的に甘い感じがするのは、これはこの生産者の造りの癖ですか?それとも、産地由来?」とウィルトスさんに聞いてみたら、これは産地の特徴が出てると思います、ということでした。
ここサウスオーストラリアのあたりはやはり温暖な気候なので、どうしてもブドウの糖度があがりやすいんですって。

ふーん…もしかしてアタシ、サウスオーストラリアのワイン飲んでたら、一生幸せ説ない……?(ある)

Mistress Tempranillo(ミストレス・テンプラニーリョ)2021[¥4900]

さてこちらも印象的なエチケットです。これは「M」を表してるそうですよ、うん、ギリギリわかんないかな…!

そして実はこのエチケット、女性と手を繋いでいる男性は「愛人」なんですって…!衝撃。

「ワインメーカーの主人たちは、夏になると忙しくて畑に出ずっぱりになってしまう。だから、その隙に女たちは愛人を作ってるんだ、っていうことを表したエチケットだよ、HAHAHA!」

この日、ひととおりワインの説明をしてくださったコロニアルトレードのオーナー・アンドリューさんは爽やかに語っておられましたが、そう爽やかな話でもないね…?!

爽やかに愛人の話をするアンドリューさん

しかもこちらのワインに使われてるブドウは、ザ・スペイン品種として確固たる地位を築いている「テンプラニーリョ」というから、これまた驚き。スペインのテンプラニーリョといえば、バック・グラウンド・ミュージックにフラメンコが響く情熱的な樽使いをイメージしますが、このワインは果実味豊かながらずいぶんピュアで、軽やかな口当たりになっていました。

うーん、「育ってきた環境」の違いを思いますね。そりゃあ、夏がダメだったりセロリが好きだったりするよね…

Very Special Shiraz 2021(ベリー・スペシャル・シラーズ)[¥4600]

このワイン、なにが「スペシャル」かって、シャルドネの台木にシラーズを接ぎ木して造られたブドウから造られたワインなんですって。へー!

ブドウって本当に強い植物で、どうやっても、どんな環境でもまあまあ育つのがすごい。放っておいても育つし、水がなくても育つし、シャルドネにシラーズを接ぎ木しても育つ。ブドウはえらい。

でもこれがやはりそんなに簡単なことではないようで、ワインメーカーとしては「賭け」だったんだろうと思います。ブドウを引っこ抜いて成長を待つと最低でも5年かかる。接ぎ木がうまくいけば3年でいけるけど、もしかすると全滅するかもしれない――

結果、無事に育ってくれたブドウたちを使った、「ベリー・スペシャル」なワイン。ジューシーさの奥に森の下草感が見え隠れする重心の低いシラーズでしたが、そういうエピソードが聞けると、ちょっと好きになっちゃいます。

Apostle 2018(アポストル)[¥5400]

さてこのエチケット、アルファベットがなんだかわかりますか?

・・・・・そう、「A」です!
う、うーーーん、もうすこしがんばりましょう…!

品種はシラーズ・グルナッシュ・カリニャンとのことですが、なんとなくローヌっぽい口当たりにも感じます。品種というよりは、ふくよかさと酸のバランスなのかもしれません。なんとなく青っぽい感じとか、スパイシーなニュアンスとか、密度の高い果実味の雰囲気、そしてそれらをまとめる綺麗な酸に、そこはかとないローヌを思い描いたのでした。いいや目を覚ませ、ここはオーストラリアやぞ…!(ちがう、自由が丘やぞ…!)


というわけで、怒涛の14種飲み比べが終了しました。は〜楽しかった。同じ生産者や同じ産地のワインをずらっと飲むと、自分の経験値があがる感じがすごいな〜。試飲会、また行こ!

ウィルトスさんはナチュラルワイン&日本ワインにつよつよのショップ。眺めてるだけで楽しく、グラスワインも豊富です。また行こ!

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■ ますたやとは:
関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)、夫婦で1本を分けあって飲みます。2021年J.S.A.認定ワインエキスパート取得、2022年コムラードオブチーズ認定。夫もワインエキスパートを取得、現在はWSETLevel3を英語で挑戦中の、ワイン大好き夫婦です!

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