元恋人と通話した話

 今日暇を持て余して元恋人と電話した。
彼とは高校の頃1年半ほど付き合っていて、かなり濃い時間を過ごした。現在は芸能関係の仕事をしているらしい。

「もしもし」

 久しぶりに聞いた声は変わらなかった。思い出話に浸る隙もなく仕事についての話を持ちかけた。今の私にとって男は仕事相手でしかない。

・芸能関係の仕事でどのくらい稼げるか
・アルバイトはどのような業種が良いか
・どのような仕事が多いか

この三点を聞いたら終わりにしたいのお気持ち。

「高校の頃さ〜」

 始まってしまった回想シーンを止める者はいない。

「またたびの地元を通ると心臓がキュッとなる」

 私と別れて以降、彼女を作っていないらしく思い出の上書き保存ができていないらしい。思わずにやけてしまった。
自分のせいで男が困っているのを見るのがたまらなく面白い、一生心臓の痛みに悩んでいて欲しい、私のことを忘れないでいて欲しい。

 この言葉に気を良くしたまたたびは、三時間通話をした。
 途中、幸せ自慢をして気持ちを満たそうとしたが、相手の気持ちを考えてやめた。とても偉いと思う まる

 恋人だった人とセックス以外の目的で話すことは今までになかったので、思いの外ココロオドル感覚だ。自分の中で過去の話をするより現在、未来のことを話した方が良いをモットーに生きていた、今日過去回想をしてみて過去の自慢話を永久にする人の気持ちがわかった、クソでか快感。

「俺の体操服って全部渡してたよね」

 まったくもってそうなのだ!へけっ!

 同棲してもなお、彼の名字を付けて酒を飲み、男に抱かれた。

 御高校の体操服はデザイン性、機能性共に優れていて、外部の買手がいてもおかしくない仕上がりとなっている。彼の取り戻したかった気持ちも痛いほどわかる。

時間が経って思い返すと濃いといっても5:5のハイボールくらい、酔うには足らない。

人生は水のようだ。
歳を重ねるほどに感情が薄まっていく。
あの頃は喉が乾くほどに濃かった日々が、サラサラと川のように流れていく。
そんな日々が辛くとも穏やかでありますように。

離婚後に後半の文章書くと人が変わったみたいですね。

またたび。


炊飯器買いたいです^._.^貯金もします^._.^猫に小判^._.^