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解析学#4

今回は実数に備わっている大小関係についてです。
ここも当たり前に用いている事なので、証明要らないじゃんって思うような話ですね。サクサク紹介していきます!

定義1.7
実数には大小関係($${<}$$または$${>}$$)が定まっていて、次の性質(1)~(4)を満たす。
(1)$${a,b\in\mathbb{R}}$$に対して、次のいずれか1つのみが成立する。
$${a< b,a=b,a> b}$$
(2)$${a< b,b< c}$$ならば、$${a< c}$$が成り立つ。
(3)$${a< b}$$ならば、任意の$${c\in\mathbb{R}}$$に対して、$${a+c< b+c}$$が成り立つ。
(4)$${a< b,c>0}$$ならば、$${ac< bc}$$が成り立つ。

(2)は推移律と呼ばれるものですね。兄弟とかをイメージしてもらえれば分かりやすいかと思います。

定義1.8

$${a<b}$$または$${a=b}$$の時、$${a\leq b\ (b\geq a)}$$と書く。
$${a>0}$$となる$${a\in\mathbb{R}}$$を正数、$${a<0}$$となる$${a\in\mathbb{R}}$$を負数、$${a\geq 0}$$となる$${a\in\mathbb{R}}$$を非負、$${a\leq 0}$$となる$${a\in\mathbb{R}}$$を非正という。

命題1.9
(1)$${a\leq a}$$
(2)$${a\leq b,b\leq a}$$ならば、$${a=b}$$
(3)$${a\leq b,b\leq c}$$ならば、$${a\leq c}$$
(4)$${a\leq b}$$または、$${b\leq a}$$が成り立つ。

(1)は反射律、(2)は反対称律、(3)は推移律と呼ばれますね。

一般の集合に対して、命題1.9の(1)~(3)を満たす関係が与えられた時、それを順序集合という。それに加えて、(4)を満たす時、全順序集合という。

命題1.10

(1)$${a>b\Leftrightarrow a-b>0\Leftrightarrow b-a<0}$$
(2)$${a\geq b\Leftrightarrow a-b\geq 0\Leftrightarrow b-a\leq 0}$$
(3)$${a>0\Leftrightarrow -a<0,a\geq0\Leftrightarrow -a\leq0}$$
(4)$${a<0\Leftrightarrow -a>0,a\leq0\Leftrightarrow -a\geq0}$$
(5)$${a>0,b>0}$$または$${a<0,b<0\Leftrightarrow ab>0}$$
(6)$${a>0,b<0}$$または$${a<0,b>0\Leftrightarrow ab<0}$$
(7)$${a\leq b,b< c}$$ならば、$${a< c}$$。$${a< b,b\leq c}$$ならば、$${a< c}$$。
(8)$${a\leq b\Leftrightarrow a+c\leq b+c,a< b\Leftrightarrow a+c< b+c}$$
(9)$${a\leq b,c\geq0}$$ならば、$${ac\leq bc}$$

命題1.11
(1)$${a>0\Leftrightarrow a^{-1}>0,a<0\Leftrightarrow a^{-1}<0}$$
(2)$${a>0}$$の時、$${b< c\Leftrightarrow ab< ac}$$
(3)$${a<0}$$の時、$${b< c\Leftrightarrow ab> ac}$$
(4)$${0< a< b\Leftrightarrow 0< b^{-1}< a^{-1}}$$
(5)$${0> a> b\Leftrightarrow 0< b^{-1}< a^{-1}}$$

命題1.12
(1)$${a_1\leq b_1,\cdots,a_n\leq b_n}$$ならば、$${a_1+\cdots+a_n\leq b_1+\cdots+b_n}$$。更に、ある番号$${i}$$で$${a_i< b_i}$$ならば、$${a_1+\cdots+a_n< b_1+\cdots+b_n}$$。
(2)$${a_1\leq0,\cdots,a_n\leq0}$$ならば、$${a_1+\cdots+a_n\leq0}$$。また、$${a_1\leq0,\cdots,a_n\leq0}$$で$${a_1+\cdots+a_n=0}$$ならば、$${a_1=0,\cdots,a_n=0}$$。

不等号がたくさんで目が疲れましたね。笑
簡単なものばかりなので証明せずに使いたい所ですね。

今回はここまで、次回は最大元と最小元、絶対値について確認します。それでは。。。!

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