数理科学エージェント

こんにちはmathpです.その昔数物系の大学で確率過程や物理を学びました。門外漢ではあ…

数理科学エージェント

こんにちはmathpです.その昔数物系の大学で確率過程や物理を学びました。門外漢ではありますが、数理的手法を社会生活やビジネスに役立てることに最近関心を持っています。投稿する記事を読まれた人の何らか参考になることがあれば幸いです。

最近の記事

Mesaでマルチエージェントシミュレーションを試してみる

米国の経済学者トーマス・シェリングが1971年に発表した論文"Dynamic Models of Segregation"のなかで,エージェント型シミュレーションの手法を用いて人間社会のなかに人種によるすみわけが発生する理由を提示しました. この研究は戦略理論の発展に大きな影響を与えたといわれています.シェリングは2005年にノーベル経済学賞を受賞しています.この研究以降社会・経済をはじめ多くの分野でエージェントベースシミュレーションの適用が進んでいます. Mesa(Mul

    • 補足説明 分位数

      投稿記事集「数理的手法を使っていろいろ予測したい」のなかで引用した公式や定義、定理類について補足する記事です 分位数とは確率変数がとりうる値の区間(データセット)を一定の考え方で分割したとき、その分割位置の値を分位数(Quantile)と呼ぶ.よく使われる分割方法には次のものがあります. 中央値: データセットの中央値(Median)を分位数と決めます。データセットの要素数Nが偶数の場合には中央の値がデータセット内に無いので等分割線の上下2個の値の平均値が中央値になること

      • 補足説明 確率・統計

        投稿記事集「数理的手法を使っていろいろ予測したい」のなかで引用した公式や定理について補足する記事です. 1. 参考書籍 1. A First Course on Statistical Inference ネットからアクセスできるけれど利用・活用の権限が不明な大学の講義用コンテンツと異なりクリエイティブ・コモンズライセンスで公開されています.また pdfで一冊にまとまっているので参照しやすい. @book{Molina2023, title

        • 仮説検定を学ぶ

          この章の目的 人間社会の活動によって出現し複雑に変動する事象は、運動方程式を計算して出てくる答えのように精密な予測をすることはできません. しかし推測統計学という強力な技術の蓄積のおかげで事象の背後にある母集団の特徴を理解する道が開かれています.  この章では後続の時系列分析や機械学習に取り組むために必要となる統計学の知識を確認していこうと思います.特に確率の道具立てのところは,あれってどうなってたかな?と振り返ることがよくあるので補足資料もつくって情報の整理を厚くした

        Mesaでマルチエージェントシミュレーションを試してみる

          データを準備する

          この章の目的 手元に便利なデータとツールをおいて何か思いつたときすぐに試せるようしておきたい、ということで入手が容易なデータとツールを準備します. 1. データを入手する身近な題材として株価関連のデータを金融マーケット情報を提供するWebサイトからダウンロードする方法,そして公開APIを使ったプログラムでダウンロードする方法をそれぞれ簡単に紹介しましょう. 1.1. Yahoo finance USから株価データをダウンロードする Yahoo financeのサイ

          数理的手法を使っていろいろ予測したい

          明後日の株価の動きとか,10年後の社会の変化とか気になる将来事象がたくさんあります.そこで思い立ち数理的手法を活用して経済・社会・政治に関わる予測を自ら実践すべく解説,文献,書籍など読み進めました.すると知らない用語や説明のない事実が当たり前のように直撃してきます.門外漢ゆえ仕方のないことと思いつつ,自分の苦労したところは整理して再利用できるようにしておくと、なにか人のためになるのではないかと思い至りました. 筆者はその昔数物系の大学で確率過程や物理を学びました.しかし社会

          数理的手法を使っていろいろ予測したい