【映画見た!】①007 Dr.No/007は殺しの番号 ~シリーズで見る~

D最近めっきり映画館で映画を見る事がなくなった…。
「これは実にけしからん!」とフィルシネの方は思われるだろう…それは、私も重々承知の助でありまして、映画というのはただのコンテンツではなくて、体験であるべきだと私も思ってます。大きなスクリーンで浴びる体感、他人と共有する喜び、劇場を出た後の空の色や香り…全てが映画体験であり、それが“映画を見る事”だと私もそりゃ思ってますよ。

しかし、動画配信サイトでは日夜作品が配信され、スターウォーズなんか9作品に何十年もかかったと思ったら「マンダロリアン」「オビ=ワン・ケノービ」「キャシアン・アンドー」と毎週毎週毎週毎週以下∞と配信され、「ストレンジャーシングス」に「コブラ会」にマーベルシリーズと課題作品がたくさん…しかも、テンポ感も非常に速い。

正直私は疲れてしまったんだよぉ…

という事で、リハビリとして好きだった頃のテンポ感の往年の作品を見ていく事にした。そこで手に付けたのが死ぬまでには全部見たいリストにあった
007シリーズであった

~死ぬまでにしたい事リスト~
□スカイダイビング
□007シリーズを全部見る
□グランドキャニオン見る

さっそくいっちゃいましょう1作目「007 Dr.No / 007は殺しの番号」

007 Dr.No wiki

<あらすじ>
時代は冷戦真っただ中。アメリカの要請で月面ロケット発射を妨害する電波をジャマイカで監視していた英国秘密情報局(MI6)エージェントが消息を絶つ。ロケット発射の妨害電波がジャマイカ付近だと突き止めたMI6はエリート諜報部員007ことジェームスボンドへ捜査を命じるのであったぁ!!

〈感想〉
いや驚いた。1作目にして007の原型はほぼ完成していたからだ。
原作でいうと6作目だからだろうか、ボンドの日常(と言っても、ポーカーして女誘ってるお馴染み感!)もほどほどに、Mよりジャマイカへ行くことを命じられる。もう、みなさんご存知のボンドだよ~とばかりに事が進んでいく。
また、今やお馴染みとなった、OPの銃口からのボンド、ボンドガール、ウォッカマティーニ、ワルサーPPK、カーチェイス、ちょっとどうかと思う敵秘密基地など、007でイメージするものが1作目ですでに確立していたのだ。

まずは、お馴染み銃口からのボンドの“バキュン!”から始まり、モーリス・メンダーによる幾何学を利用した超かっこいいタイトル。今となってはレトロに感じるが、今見ても実にお洒落。観葉植物と間接照明、女を呼んで事をいたす事に特化した若造ボンドフォロワーの部屋に飾ってそうな、見るだけで洒落てるのが実感できる。 そして、ボンドがプライベートスケベの直前からMからお呼びがかかる。

「では、1時間で向かいます…いや30分は遅れるかな」

ボンドお馴染みスケベジョークが冒頭10分でかまされます。
MI6に到着するとここで初めてシリーズでお馴染みワルサーPPKを支給され、ファンとしては おぉ! 何かシリーズ始まるぞ感が高まります。ボンドはベレッタを長年愛用していたらしく、殺傷力が低いため「女が持つ武器」と揶揄され口径の大きいワルサーを渡される。それでもベレッタを持って行こうとして注意される、かわいいボンド。職人は道具にこそこだわるのか。

3時間後にジャマイカに飛べと支持されるも、その間にちゃっかり“おいた”を済ますボンドだが、ジャマイカに行ってからは割と地味というかシブ目の展開が続く。
パッとしないCIAエージェントと合流し、聞き込みと人物への接触を試みる。ただ、ここでちょっと面白いのはスパイあるあるを披露してくれるところだ。家を出る前に扉をまたぐように髪の毛を貼り付け帰宅時に侵入があったかを見分けたり、アタッシュケースのボタンに粉をふりかけ開けようとした者を確認したり、子供なら必ず試したくなるスパイ感を堪能できる。こういったさりげないスパイ所作はシリーズを経るごとに失われていくので貴重な場面だろう。

その後も、スパイと思わしき女秘書をスケベ直後に連行させたり、手下の教授を瞬殺したりと中々冷酷な面を出すボンド。これが、スケベとスパイのプロなのか!?さすが殺しの番号を持つ男やで。

どうやら妨害電波はクラブ・キーというDr.Noが取り仕切る島にある事を突き止めるボンド。この島は表向きボーキサイト鉱山であるが、戻ってこない者も多く、漁師からは“赤いドラゴン”がいる場所という事で恐れられている。いいですねぇ、ここら辺から急に007感が出てきましたよぉ!

島に到着するとハニー・ライダーなる珍名なボンドガールが登場!
赤いドラゴンがいると恐れられてる島に突如現れる女!これは怪しい、怪しすぎる。何をしてたかを問いただすと「貝をとってたの。高く売れるのよ」などと苦しい言い訳。優しく接するボンドだが、これはマズイいずれ痛い目を…いやボンドは既に見破っているのか?…と思ったのだが、これがどうもほんとに ただの通りすがりの貝取ってた人 のようなのだ。そんなーー!

この後、赤いドラゴンこと火炎放射器を備えた戦車においつめられたボンド達はDr.Noに捕まってしまう。この後の事を思うと「赤いドラゴンが実はペイントされた戦車でした」なんてのは些細な事だ。ボーキサイト鉱山の沼地にいたことでどうやら被爆してると言うのだ!とらえられたボンドはまず基地内で除染される事になるのだが、その方法が

「お湯で洗え!」

裸になったボンドとハニー・ライダーが「あぁ、きもっちええわぁ」と言わんばかりにシャワーを浴びる。なんなら、ちょっと泡立って髪洗ってるw。日本人としては放射線のその程度に あっそ!w という感じに。この後、Dr.No対面を果たすボンド。Dr.Noは中国系ドイツ人でアメリカへの恨みからとある組織に入団し、この島からマーキュリー計画を阻止しようとしていた。その組織とは…そう

“スペクター”

そう、007と対峙する組織であり、ダニエル・クレイグ版まで通じる“スペクター”の存在は実は1作目でほのめかされていたのだ。以後の作品でスペクターの存在が徐々に明らかになるのだが、近年のボンドから見てる身からすると おー! である。逆“おー!”。しかも、Dr.Noは両手をウィンターソルジャー バッキー よろしく機械化しており、片手で鉄を握りつぶす怪力。1作目から中々いいキャラ感を出してくる。しかし、その手は最後までいかされる事はないですが…。

詳しくは分からないですが、アメリカのロケット発射を原子炉を利用した電波で妨害しようとしてたらしく、むき出しの原子炉プールの周りで手下はおろかDr.Noも作業してる(一応防護服は着てる)。紆余曲折ありボンド登場!妨害電波発射を阻止し、無事Dr.Noを原子炉プールに突き飛ばし「アイルビーバック」言わんばかりに親指を立てて…ブクブクと沈んでいく。そして、よくある機械の謎のメーターを振り切らせて基地は爆発(核爆発!?)ボンドガールとボートで逃げて「さぁ今からイチャつくぜ!」でTHE END


と、どうです。
何か全然2,3作目でも良さそうなすごいイメージ通りの007。スパイ映画でもあり、エンターテイメント度も高い。これが1作目というのはやはりイアン・フレミングの原作の世界観がしっかりしていたお陰でしょうか。さて、この後007がどのように変容を遂げていくのかがすごい楽しみですね。では次回、「ロシアより愛をこめて」でお会いしましょう


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