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もうすぐ3月

 月日が経つのは早いものでお正月が終わったと思ったらもうすぐ3月。元旦に石川県能登地方を震源として発生したマグニチュード7.6、最大震度7の地震により240名の尊い命が失われました。暦の上では春になったとはいえ、被災地では今なお寒さが続く中、多くの方が避難生活を余儀なくされ、インフラが大きく破壊された中において、復旧・復興に尽力されている方々には敬意を表します。今回の震災による被害は広範に及んでおり、余震も続いてはいますが、忘れないように今回の震災の概況をまとめておきます。

地震の概要

 令和6年1月1日16時10分に石川県能登地方の深さ約15㎞を震源とするマグニチュード7.6の地震が発生した。この地震では石川県輪島市、志賀町で震度7を観測し、北海道から九州にかけての広い範囲で揺れを観測した。その後1週間で最大震度6弱が1回、最大震度5強が6回発生している。最初の地震では津波も発生しており輪島港に最大1.2mの津波が到達している。この地震は地表近くの岩盤が破壊されることなどにより発生する直下型地震で、能登半島沖の北東ー南西に延びる150㎞の南東傾斜の逆断層が発震とされている。今回の地震では最大4mの隆起や隆起による陸化が確認されている。

避難生活

 能登半島は地理的特性から、土砂崩れなどによる道路の寸断が生じ、また降雪や通信状態の悪化から、状況確認や物資の輸送が困難な孤立集落が発生した。孤立集落ではインフラ復旧が困難なことから、被災者を自衛隊のヘリなどを使い金沢以南又は県外のホテルや旅館などへ移送させる2次避難の取り組みが行われた。2次避難は仕事の都合や住み慣れた土地から離れることをためらう住人もいたために県外への避難先は23,715人分確保されていたが、避難者は434人にとどまった。

被災地の健康管理

 被災地では1月中旬から下旬にかけて連日100人以上がインフルエンザや新型コロナウイルス等の呼吸器感染症と診断された。石川県はそれに対し感染症に対する専門的な知識をもつ国や県職員で構成する「避難所における感染症対策組織」を発足させ感染者と他の避難者を隔離する集団感染対策などの避難所における感染症対策を行った。また、断水による衛生環境の悪化からノロウイルス等の消化器系感染症や、高齢者の誤嚥性肺炎リスクを軽減させるための口腔ケア指導も行われた。避難生活による疲労やストレスも問題視されている。災害関連死は高齢者が多いとされている。被災した能登地域では65歳以上の割合が50%と高いことを踏まえると高齢者のケアが特に重要となってくる。

おわりに

 今回の震災は能登半島という地形や、1月1日に発生ということから、被災状況の確認、物資の運搬など復旧に少し時間がかかっているような気がします。また、新型コロナウイルスなど感染症のリスクや人口減少・高齢化など日本が抱える問題から起きる災害対応の問題点も浮き彫りになった感じがします。これから被災地は復興に向けて進んでいきますが、高齢化社会を迎えている日本全体で、今回浮き彫りになった問題をしっかりと考え今後起こると言われる南海トラフ地震などに備えていかなければならないと感じました。

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