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牛乳に相談だ!part2

 ガソリンの値段が注目されがちですが、我が家では3人の子ども達が毎日牛乳を飲むため牛乳の値段が家計をかなり圧迫しています。9月に入り夏休みも終わり給食のおかげでほんの少し消費量は減りましたが、朝・晩・寝る前に毎回200㎖を3人の平均1日2リットル牛乳を消費しています。総務省統計局の小売物価格統計調査によれば現在、全国のスーパーで売られている牛乳1本値段の平均は251円。直近10年間でみると国内の牛乳が最も高かったのは先月の2023年8月で251円。2013年2月には188円だったので10年前に比べると50円以上値上がりしたことになります。
 値上がりしているのは牛乳だけではありません。バターやチーズ、ヨーグルトといった牛乳以外の乳製品の価格も現在同様に値上がりをしています。なぜ牛乳や乳製品は値上げになっているのか。様々な理由はありますが大きくわけると2つ理由に分けることができます

・牛の飼料代の高騰
・燃料・資材価格の高騰

 牛の飼料であるトウモロコシ、大豆かすなどの穀物や牧草の多くは海外から輸入されています。急速に進んだ円安や、ロシアのウクライナ侵攻などの世界情勢の変化によって牛の飼料代が高騰し、生乳の生産コストが上昇。また、日常生活でも、電気・ガス・ガソリン等のエネルギー料金や、ティッシュ等の資材価格の値上がりを感じているのと同様に、酪農家や乳業メーカーも、燃料・資材価格の値上がりによる影響を強く受けています。例えば、酪農家が使用する搾乳機器の電気代、そして乳業メーカーの工場の稼働に伴う電気・ガス代、製品製造に伴う資材費、製品輸送に伴う燃料費など、生乳の生産や牛乳・乳製品の製造・流通・販売にかかる経費も高騰しています。これらの上昇した生産コストが製品価格へ転嫁されているため牛乳だけではなく乳製品も値上がりしている状況となっています。酪農家の経営は厳しく将来の見通しが立たないことから、離農をする酪農家が増えています。離農する酪農家が増える乳製品が国内で生産されなくなり、安全でおいしい乳製品を口にすることができなくなります。酪農家の経営を支えるためにも生産コストの価格転嫁に消費者は理解をしていかなければなりません。
だからといって酪農家は何も対策をしていないかというとそうではなく、飼料の内製化によって牧草やとうもろこしなどの国内生産、食品残さ等を利用して製造された飼料エコフィードの利用など輸入に頼らない施策や取り組んでいます。また、乳牛の寿命を伸ばし、1頭が一生のうちに生産する乳量を増やすなどのコスト削減に対する工夫も行われています。

 それではなぜ、私たちは牛乳を飲まなければならいないのか?子どもの成長や骨粗しょう症対策など人によって目的は違うかもしれませんが、今年1月に面白い論文が出ていたのでご紹介。それは、人類の身長・体重の変化には農耕・牧畜が関わっているという内容。狩猟採取生活から農耕・牧畜へ転換した約一万年前に人間の身長は一旦低下したものの、その後は上昇しているという内容。一般的に人は乳児期以降ラクターゼ(乳糖分解酵素)が生成されなくなるが、酪農が始まり未加工乳を摂取して乳中インスリン様成長因子の摂取につながり人の体位を変化させたという考え方がある。古代から現代にかけての人類の身体的特徴の変化には様々な要因があると思われるがその一端に酪農による乳製品の摂取があるというのが興味深い。

 乳製品の摂取が長期的な人類の身長に影響したからといって、牛乳が身長をすぐ伸ばすものだとは言い切れませんが、乳製品でカルシウムを摂取することで骨や歯を強くしたりホルモンの分泌を促すなど成長を助ける役割をしてくれることは間違いありません。言うまでもなくカルシウムは体にとって大事な栄養素ですが毎日の食事で必要な量を摂取することは難しい栄養素です。牛乳を200㎖飲めばカルシウムを約227㎎摂取できます。牛乳を毎日飲んで健康な身体づくりをしていきましょう。もしかしたらラクターゼの生成能力があがって高身長の子孫が誕生するかもしれません。

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