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01.翔んで龍 ~Flying Dragon~

あけましておめでとうございます。2024年ですね。
新年早々あまりにもすったもんだしすぎているな……というのが今の素直な気持ちです。大災害に大事故に。当事者の方々が今こんなnote見てる事はまず無いだろうと思うのですが、少しずつ日常を取り戻された後にもしこのnoteをご覧になってるとしたら、本当に本当に、大変でしたね…………の気持ちを勝手ながら伝えたいです。緩やかな正月ムードに降って湧いた地獄はあまりにも衝撃として大きすぎる。よくぞ生き延びた……。
特に災害にも事故にも遭っていない私はといえば、元旦早々膵炎が再発して苦しんだりしながらも、薬の力も借りてなんやかんや普段通りに過ごしています。私達という生き物は、他人を直接助ける事がどうしたってできないな、と思います。直接会って話せるような距離の人ですら、抱える困り事をダイレクトに取り除いてあげる事はできません。それがSNSの向こう岸にいる遠い遠い人だと尚の事。直接的な助けは何もできない。とても心配にはなるし神経も磨り減るけれど、基本的にできる事がない。できるとしたら、誰かの助けに繋がるかもしれないし繋がらないかもしれないような種を、社会に向けて撒いてみることかな、と思うのです。そしてそれは自分の余裕からしか生まれないのかなと思うのです。だから私は普段通りに過ごしてみます。大きな災害や事故が起きた事を無かった事にしないまま、普段通りに過ごしてみます。種を生み出せるような、自分の余裕を作りたいから。

なんてこと言いながら今日は膵炎明けの疲労なのか、ぱたっと力尽きて病院を休んでしまったのですが。まったくもって余裕がないな~。それでもこの短期間で何食べても痛まない程度には回復できたので、元旦に見送っていたこのお茶を淹れちゃおう。


翔んで龍 ~Flying Dragon~ルピシアの烏龍茶です。
多分この『~Flying Dragon~』まで含めて茶葉名です。良いですね……心の中の中学生がうきうきしています。あとめちゃくちゃ翔んで埼玉が頭をよぎる名前だ。私この映画も原作も未履修なんだけどね。
今年は辰年という事で、ルピシアから辰年の干支茶が二種類発売されました。私実は辰年の女でございまして、自分の干支だしどっちか買いたいな~と思って買ったのが翔んで龍でした。もう片方の跳ねて龍は去年の兎んで跳んでと風味のベクトルが近そうだなと思ったのと、あとはまぁ単純に、推しの名前が入ってるのに心惹かれました。オタク、なんにでも推し要素見出しがち。

限定ラベル缶かわいい
茶葉自体もなんだかカラフル

袋を開けると、爽やかな香り……!!!なんかこう、かぼすとかライムとか嗅いだ時みたいな、ぶわっ!!!!!!ってくる感じの酸味の強い爽やかさ。パワーに満ち満ちてる。これはドラゴンしてる。ぶわっに慣れてくると、ちょっとすーっとする感じの香りを拾えてくるんですよね。多分梨だと思う。梨だと思うんだけど、果汁でジューシー!って感じじゃない。梨のアロマオイルみたいな感じ……香り高くてスレンダーな印象の良い香り。多分このアロマオイル感がベルガモットから来てるんだろうな。

年末帰省したら妹から誕生日プレゼントを貰いまして、今日はそれを使って淹れてみます。耐熱ガラスのマグカップ!
可愛さに大層アガったんですけど使ってみると使い勝手の良さにまた感動しました。めちゃくちゃ軽くて耐熱でレンジ可でたっぷり300ml入る……。しかも蒸らし用に蓋までついてる……。便利すぎる!!ティーバッグで淹れるんならもうこれ1個でティーポットとカップを兼用できちゃうもんね。がぱっと口が広いのも香り拾いやすくて良い~。流石だなAfternoonTea……可愛いだけじゃなくティーウェアとしてツボを押さえてきてるわ……。

このティーポット型の小皿は妹その2からのイギリス土産。ティーバッグ置きの小皿らしいです。これも便利だしちょうかわいい……。
淹れた後は酸味が一気に落ち着いて香りが優しくなります。烏龍茶の香りだぁ~……。優しいんだけどこのほんのりの青みと独特のクセがなんとも上品。そっと添える感じでほんのりいるのが上品なんだよね。良い香り……では一口。

……あっうまーーーー……!いやまってうんま……染みる、染み渡る。一口飲んだ瞬間がつっとくる爽やかな梨の風味、そして旨味と香りが染み渡る……。いやこの梨の風味すごいな。すこーんとどこまでも阻まれる事なく翔けていくような爽やかさ。どうしよう脳内に『カケル』が流れ始めた。一旦横に置いておきますねこのVオタクの心。すごい青々と爽やかな味わいなんですよ。香りも梨の青みが強いし、風味も梨の爽やかさとフルーティーさでいっぱいで。かといって酸味が激烈に強いって訳じゃないから、舌を痺れさせるような変な残り方をしないんですよ。ほんのりと青みと旨味の余韻が残る程度。後味まで爽やかだ……。そんな梨の味わいの後ろ側に、そっと佇んでる烏龍茶の味わいがまた美味しい……!じわっ、とした味で梨を支えるようにいるんですよね烏龍茶が。上品で、けれど温かな味わいで。その烏龍茶がちょうど今ぐらいの、まだ青いけど少し夕日射してきたような冬空の印象で、そこを翔んでいく梨の風味、龍だな……ってなりました。空を翔ける龍が見えた気がする。晴れた空を翔け抜けていく龍の姿をこのお茶に感じる。その飛翔に元気が出るし、烏龍茶の味わいがほっと温かい。これは、パワーを貰えるお茶だな……と思いました。がつんと鼓舞されるというよりは、軽やかで、そしてすっと身体に馴染むような。そんなパワーを貰えるお茶だ。


ほあーーー美味しかった……。最後の一滴まで飲み終えちゃって余韻に浸っております今。
余韻に浸りながらなんとなく、このお茶のテーマでもある『飛翔』という言葉に思いを馳せます。前は『飛翔』という言葉に対してすごく煌びやかな憧れがあったなーと思うんですよ。ここではないきらきらとした理想の地へ、真っ直ぐに飛んでいけるよう頑張ろうみたいな。半ば変身願望のような憧れがありました。でも、それは無理だなというのが去年一年ですとんと腑に落ちたんですよね。自分は急には変わらない。来年も再来年も、10年後も、基本的には私は私のままで生きていく。そういうものだという感覚がなんとなく身体にすとんと落ちている。その感覚を抱いたまま、空を見つめる事が今の私にとっての『飛翔』かなと思うのです。決して届かない憧れの地ではなくて。方角としてはあちらを目指そうと自分の羅針盤が指す地。その羅針盤を見失わないようにしながら、今の自分にやれる範囲はどこなのかを考えて整頓して、ひとつずつ手をつけてみて、その果てにもし未来で一段でも空への階段を上がる事ができたら。その一段はまぎれもなく『飛翔』なんじゃないかなと、思うのです。そんな一年にできたらいいなぁ。一年というか。この先の人生をそうできたらいいな、ですね。

あと、できた事をできたなぁと手に取って確かめられる年にしたいですね。
年末に母の家でざっくりと紅茶を淹れたら、妹二人から「店出しなよ」と真顔で褒められてびっくり嬉しかったです。このnoteを始めてから少しずつ試行錯誤してきた『淹れ方』は、いつのまにやら私の大きな『できる事』になっていたようです。気づかなかったなぁ……。

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