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山小屋泊!丹沢の絶景に感涙〜塔ノ岳初日〜

5月上旬。
アルプスに向けてレベルアップするぞ!と、今回選んだ山は
標高1,491mの塔ノ岳。
先月のぼった大山と同じ丹沢山地の中央部にある山だ。

ー ルート

丹沢は北丹沢、東丹沢、表丹沢、西丹沢とエリアが分かれていて、今回私が選んだルートは表丹沢に位置する。
行きは丹沢の南、大倉登山口から標高差1,200mを北に向かってほぼまっすぐのぼる大倉尾根。帰りは烏尾山〜三ノ塔〜二ノ塔を経由し、行きの大倉登山口よりも東のヤビツ峠に向かってくだるバリエーションに富んだ表尾根だ。(下山場所については後ほど詳しく)

二日間の登山ルート

今回はソロではなく友人と二人での山行。
なぜソロではないかというと、、、

「1泊2日山小屋泊の山行だから」

山小屋に宿泊したのは人生3度目だけど、過去2回はルートも手配もすべて人まかせだった。
今回、初めてルートも手配も自分でおこなったが、やはり山小屋にひとりで泊まるのはまだちょっと不安もあり、山のぼりに慣れている友人と塔ノ岳のてっぺんに構える尊仏山荘を予約した。
ちなみに「尊仏」という名前の由来はどこからきているのか、、、
昔、塔ノ岳のてっぺんに尊仏岩という巨大な岩があり、「お塔」と呼んで山麓の人々が雨乞いの神として崇めていたそう。お塔がある山を「お塔の山」と呼び、転じて塔ノ岳になったとか。
塔ノ岳は別名「尊仏山(孫仏山)」とも呼ばれている。
尊仏ってなんだろうと調べると、なるほどこういう歴史があったのか。
山を調べていると、歴史や古くからのいい伝えなど知ることができておもしろい。

塔ノ岳は日帰りでものぼれる山なのだが、山小屋泊を選んだのには理由がある。
・初の標高差1,000m越えで、私の足が日帰りに耐えうるか心配だったから
・山のてっぺんで夕景と日の出を堪能したかったから
これまでで一番の標高差は大山の850m程度。筋力がついてきたとはいえ、無理をすれば足を痛めてしまうかも知れない。まずは安全を第一にゆったり山のぼりを愉しみたい。
そして夕景と日の出は、山のてっぺんならどこでも見渡せるわけではない。
塔ノ岳のてっぺんは夕景も日の出ものぞめる素晴らしい山なのだ。

ー 往路アクセス

小田急小田原線新宿駅を7時半に出発し、快速急行で1時間10分、渋沢駅に到着。
少し早めに到着し友人を待つ。
渋沢駅から神奈川中央交通のバスで終点の大倉バス停まではおおよそ20分。
大倉バス停には広いレストハウスがあり、お手洗いも利用できる。
すでに暑くてシェルを脱ぎヒルよけのスプレーをふっていたら、たくさんいたハイカーたちはいつの間にかいなくなっていた。泊まりと思うと心にゆとりがでる。
久しぶりの友人との再会にしょっぱなからおしゃべりに花が咲きつつ、車道を10分ほど歩いて大倉登山口に到着した。
9:45 さあ、いよいよ大倉尾根への挑戦がはじまりだ!

大倉尾根登山口

ー 山のぼりスタート

大倉尾根はずっと急登と聞いていたけれど、最初は緩やかにのぼっていくのでからだがゆっくり温まる。
登山口から30分弱で「観音茶屋」を通過し、さらに30分ほどで「見晴茶屋」に辿りつく。

最初は緩やかな道を進む
見晴茶屋

ぱっと広がる空の青に癒されるも、水分休憩程度で先へと進む。

整備された木の階段
マムシグサがたくさん咲いていた。有毒植物らしい。
蛇が巻き付いてるみたい
撮らずにいられない木漏れ日シリーズ
ナツトウダイという植物みたい。可愛かった。
序盤はなだらかな道もある
木の根っこに包まれた道は好き

序盤はゆとりがあり、写真もバンバン撮る。
のぼり始めて1時間50分3つ目の茶屋「駒止茶屋」に到着。

駒止茶屋

ちょうどお昼どきでもあったので、近くのベンチでお昼休憩を取ることにした。ヒルよけのスプレーをしたとはいえここは丹沢。そう、大山の記事にも書いたが、丹沢はヤマビルの宝庫。
きっとのんびり休憩はできないだろうと、自炊セットはおいてきた。
でも、やはり途中温かいものは絶対にほしくなると思い、サーモスの山専用ボトルを購入しお湯を入れてもってきた。

サーモス山専用ボトル750ml

いつもの無印良品のスープとおにぎりをいただく。
自宅で熱湯をいれてからおおよそ5時間、沸きたての熱さはないが、ちょうど飲みごろの熱さ。やはりもってきてよかった。からだの中がじんわりゆるんでいくようだ。
カップラーメンにはちょっとぬるいかなあ。今度試してみよう。
ところでヤマビルは?
お天気もよく、いる気配はまったくなかった。安心安心。
30分ほど休んで山のぼり再開。
少し進むと「堀山の家」に到着。

堀山の家

ここは人がたくさんいたので、先に休憩しておいてよかった。

大倉バス停から4.7km、塔ノ岳までは残り2.3km。残り1/3と思いきや、ここからがむしろ本番といっても過言ではないハードなのぼりがはじまる。
スープの力でパワーアップだ。

岩のゴロゴロしたがれ場がふえてくる。歩きにくい?いや、どうやってのぼろうか考えながらのぼれるので、階段よりも私は好き。

徐々にがれ場がふえてくる

がれ場の次にくるのは終わりのみえない階段地獄。

階段地獄
ときどき癒し

終わりがみえたらがれ場のはじまり。そして階段地獄の連続だ。
段差が大きい階段も多く、体力はどんどん奪われていく。
これぞ大倉尾根!

癒しその2
後半のがれ場

無心に目の前の石や階段とにらめっこしながらのぼり、何度目かのがれ場をのぼりきったとき、目の前にドーン!富士山のお目見えだ!!

突如姿をあらわした富士山!

のぼっているとき友人と、
「富士山ってさあ、何度みても初めてのように『富士山だ〜!』って叫んじゃうよね」
と、話していた矢先の富士山登場!
もちろんお決まりの「富士山だ〜!」が飛びだす。しばしの癒しタイム。

がれ場のあとはふたたび階段地獄がはじまるが、ふと振りかえるとまるで映画の場面が変わったように山々の絶景が広がる。

振りかえれば絶景あり!

どんなに疲れても、この絶景とともに歩いていると不思議なくらい元気をもらえる。自然の景色は何よりのご馳走だ。
「堀山の家」からひたすらのぼること1時間、階段の先が明るい!

階段の終わりがみえた!

「花立山荘」に到着だ!

花立山荘

花立山荘前には広場があり、多くのハイカーがそこで休憩をしていた。
私たちも水分ブレイク。
ここからてっぺんまではあと45分くらい。
もうひと踏んばり!気合いをいれてラストスパートをのぼりきる。
後半はのぼるのに必死で写真を撮る余裕はあまりなかった。

塔ノ岳のてっぺんがみえた!

14:30 待ち望んでいた光景が目の前に広がる。

塔ノ岳てっぺんからのぞむ山々
別角度で
美しすぎる佇まいの富士山

友人と目をあわせうなづきあう。
「うわ〜!」
美しすぎる風景にことばがない。山々が富士山を讃えているようだ。

大倉登山口から休憩50分を加え4時間46分、塔ノ岳のてっぺんにたどり着いた。息もたえだえのぼってきたのに、空の青をいっぱいに吸いこんだら疲れなんて一気に吹き飛んだ。

ただただ、
「ここに立たせてくれてありがとう」
山にのぼらせてくれたすべてに感謝の気持ちでいっぱいになった。

てっぺんの風景をしばし堪能したあとで、まずは尊仏山荘にチェックイン。

尊仏山荘

1泊2食で8,000円を現金で支払う。
お部屋は2階。私たちは4人部屋の1階のベットを使わせていただいた。

尊仏山荘2階のお部屋
私たちのお部屋

寝床の準備をし、少し休憩してからようやくてっぺんの標識を撮りにでる。

塔ノ岳山頂標識

うろうろしていたら友人が呼びにきた。
17時、夕食の時間。
尊仏山荘の夕食はカレーライス。

夕食のカレーライス

すっごくおいしい。
大きなにんじんがゴロゴロ入っているのだけど、絶妙なやわらかさに仕上がっている。
つけ合わせのサラダには、旬のたけのこがあって厚切りでさっくさく。

つけ合わせも全部おいしい

ポテトサラダも山菜もどれもおいしくいただきました。

夕飯を食べ終え、夕陽が沈むまでの夕景と出逢いにふたたび外へ。
登山天気アプリでてっぺんの気温がとても低いとあったので、冬支度をザックに詰めこんできた。
おかげで自炊セットがないわりにパンパンだしそこそこ重かった。
でも正解。どんどん気温はさがりじっとしているのでとても寒かった。

食事のときに隣に座っていた男性がカメラ片手に三脚をかついでいる。
カメラは私と同じNikon!そして抱えていた三脚はジッツォ!
「ジッツォ!いいな〜いいな〜」を連呼し夕景は友人と二人、その男性の隣で愉しむことに。
「あそこにみえるのは蛭ヶ岳だよ」
「あれは南アルプスだよ」
のぼり慣れている男性は山を教えてくれたり
「夏ごろはヤマビルが上からふってくるんだよ」
と、恐怖を与えてくれたり
山ならではの”人の温かさ”を感じる時間だった。

17:50 先ほどの景色とはまったく違う風景がそこにはあった。

威風堂々そびえ立つ富士山
美しい曲線をもった山並み
刻一刻と色を変える光のグラデーション
いつの間にか雲海に包まれる
滝雲

これがみたかったんだ。
山をのぼった人にしか出逢えない風景。
のぼっている間にもたくさんの素晴らしい出逢いがある。
だけれど、やはりてっぺんからみる風景は何にも変えがたい感動がある。

雲海に浮かぶ

夕景を充分に堪能し、あたりが群青色になったころようやく宿に戻った。

遠くに街の光がゆれていた

20時、消灯時間。
用意したインナーシーツがちょっと暑い。
すごく眠かったはずなのに、慣れない寝苦しさと興奮のせいかあまり熟睡できなかった。

1日目はおしまい

感動の初日はここまで。
翌日の朝は筋肉痛になっていないか?
感動の2日目へつづく
*下山の記事もアップしました!(5/10)


1日目
距離:6.6km
累積標高(のぼり) 1254m



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