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「カレンちゃんのお花畑」第一章 可憐にて

「ほらカレン、この写真を比べてみるといいよ」

その夜、カレンちゃんとおばあちゃんはお花畑に行った写真を見ていた。

カレンちゃんが撮った写真には

「花・木」がそこかしこに写っていた。

「やっぱりきれいだなぁ」

カレンちゃんは嬉しそうだった。

おばあちゃんは自分が撮った写真をカレンちゃんに見せた。

「ほらおばあちゃんの方はカレンが写っているよ」

写真には「花とカレンちゃん」が写っていた。

「それはそうでしょ、だっておばあちゃんと一緒に行ったんだもん」

おばあちゃんはにこやかに笑うとこういった。

「おばあちゃんはねこう思うの」

「お花は確かに綺麗なんだけど、それだけじゃ綺麗なままなの」

「こうやってカレンと一緒に見ることで、おばあちゃんにとって

一番の花畑になるんだよ」

カレンちゃんは少しわからない素振りをした。

でも少しわかったのかもしれない。

お花は確かに綺麗だけれど

その綺麗さは自分の中の世界で回るものだけじゃなくて

本当はずっと深くに根ざしたなにかに語りかけるように

「感情」という言葉では足りない

「雰囲気」が適切なのかもしれない

「綺麗な花」はなんなのか?

自分にとってのお花畑はなんなのか?

カレンちゃんは少しずつ学び始めた。

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