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ナーバスな横顔に関する考察

大事な何かに臨む人の佇まいが好きだ。

張り詰めているけど、それを外には出さないようにしている。
ここにはいるけど、頭や心はここと違うところにある。
ナーバスなその様子が好きだ。

家庭訪問に向かうベテラン理学療法士
試合に臨む野球部員
フルコンタクトの試合前の選手
入学試験前の子ども
ライブステージに行くアーティスト
ペナルティボックスの中のアイスホッケープレイヤー
私と初めてデートする人

プレッシャーの大きいミッションへ波長合わせをしている姿に魅かれる。

針の穴ほどのスペースに自分の集中力を注ごうとする横顔

自分の持つものを最大限に引き出すために、無意識に孤独を選択している雰囲気

ワールドカップとかWBCは、華麗なプレーやチームワーク、監督と選手の絆をみるのも勿論いいが、一番心を鷲掴みされるのは試合が始まる前の選手や監督、コーチ、スタッフの表情や姿だ。

呼吸が少し浅くて、表情が硬めくらいがいい。
それなのに、力を発揮しだして、段々と伸びやかになっていく過程に見とれる。

側でみていると、同じ体験をしている気になるのか、自分の経験したヒリヒリしたものと重ねるのか、その人への愛着が湧いてくる。

心理学の講義で学んだ吊り橋効果は、ドキドキするようなことがあると、それを好きでドキドキしていると脳が思い込み、側にいる人を好きになるということのようだ。

この場合、ドキドキしている人を見ている私がドキドキしている訳だが、相手に対してlikeとか loveがないと、見ていてもドキドキとはならない。もうすでに見ている前から好きなんだから、吊り橋効果とはちょっと違うようだ。

普段は見られないような、パーソナルスペースに入った感覚になるんだろう。
苦手な人なら、見なかったことにしたり、見ることもしなかったりする筈。

ずっとナーバスは正直困るが、大事なことの前のちょっとのナーバスは、憂いのようにみえて、セクシーなんだよな。
静かに一人で味わえると最高だ。

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