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僕が鬱から回復した時の話

今日はちょっと趣向を変えて、僕が30代で鬱になった時にどんなふうに回復したのかを書いてみたいと思います。

僕が最初に鬱と診断されたのはまだ30代の前半のことで、子供ができてまだ間もないことでした。かれこれもう20年以上前の話です。当時僕は本当に鬱とはまったく無縁の幸せいっぱいの生活を送っていました。アップルでエンジニアをしつつ副業で合気道の道場をやっていました。収入も安定していて、早々とマイホームを手に入れて、周囲から「幸せくん」っていうあだ名をつけられるくらい順風満帆だったのです。

ところが、ある日を境にボタンが食い違い始め、ゴロゴロと坂道を転がり落ちるようにあっという間に鬱になってしまったのですて。とても尊敬していた恩師が暴力事件を起こして巻き添いを食ったり、アップルが倒産しそうになったり、実家とちょっと揉めたりなんて具合でした。これが一つずつ順番に来てくれれば別になんてことなかったのですが、なぜだか全部いっぺんに来てしまったのです。

そしたら、ある日の朝、高熱が出て下がらなくなってしまったのです。最初は普通の風邪だと思って数日休めばまたすぐ元に戻ると思ったのですが、なぜかその日を境に体に力が入らなくなり、立ってるのがやっとになってしまったのです。

慌てて病院で検査すると、肝臓の値がめちゃめちゃ悪いことがわかりました。そしてその日から、会社の前に病院に寄って週三回点滴するという生活が始まったのです。本当なら入院だと言われたのですが、ちょうど責任のある立場についたところで、入院というオプションちょっと考えられなかったのです。

おそらく、こうした諸々が一度に重なったせいなのでしょうね。やがて朝起きられなくなってきて、一日中倦怠感に襲われるようになり、電車に乗るのさえ辛く感じるようになっていったのです。そしたらある日線路に飛び込みそうになり、「あっ、オレなんかおかしい」と初めて気が付いて、妻に背中を押されながら、やっと心療内科の門を叩くに至りました。

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