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私の株式選別方法ー東京エレクトロンの4Q決算と来期ガイダンスのポイント

2023/05/11 東京エレクトロンの4Q決算が発表されました。
大切なところだけピックアップしましたので、参考にご覧くださいませ。

通期コンセンサス過達

株予報より

営業利益
コンセンサス 586583
実績 617723
617723/586583=1.05   ⇒5%過達

過達となった理由

決算短信より

年後半から在庫調整に伴う投資の見直しが行われるも、高い水準が維持されたとありますので、想定よりは良かったということですね。

本決算でしたので、来期のガイダンスが発表されました。株予報のコンセンサスと合わせて記載します。

来期の営業利益のコンセンサスとガイダンスは、

コンセンサス 431762
ガイダンス 393000
393000/431762=0.910  ⇒9%コンセンサス未達

決算説明会資料がアップされましたので、コンセンサス未達の理由について確認してみましょう。

CY2023の半導体市場は前年比約10%の減少が予想されるが、 CY2024はCY2022を上回る見込み
WFE*1市場も目下調整局面だが、CY2023後半にロジック/ファウンドリから 徐々に回復し、通年では$70~75B程度になる見込み

決算説明会資料より

市場全体予測では10%減速でしかないが、
WFE市場は、22年は$100B⇒$70B~$75Bへと約25~30%減
この値より、617723*0.7=432406となるため、
コンセンサスとほぼ同じになります。(コンセンサスはこうして出していると思われます。)
それに対して、会社ガイダンスは393000なので、
393000/432406=0.908
つまり東京エレクトロンは、10%保守的に出していますね。。

今後の見通し

CY2024以降、半導体およびWFE市場は回復し、さらなる成長へ – マクロ経済の回復に伴う消費者向け電子機器需要と企業のIT投資回復 – データ社会への移行に伴うデータセンター投資の拡大
新CPUがサーバー入れ替えを促進(高性能化、低消費電力化)
生成系AIの活用やメタバースなど新たなアプリケーションの拡大 – マクロ経済回復に伴うスマホ需要の回復OS移行に伴う、コロナ流行期に購入されたPCの買い替え需要 – EV/自動運転の浸透による自動車の半導体搭載量増加が継続新たな技術世代への投資DRAM:1b nm/1c nm、NAND:200層以上(一部CBA*2導入)、Logic:3 nm/2 nm世代(Nanosheet)

決算説明会資料より

決算と同時に、中計が発表されました。

決算説明会資料より

中計より成長率を計算してみます。

成長率の計算


まとめると、
今期コンセンサス過達も、来期コンセンサス未達 
WFE市場の縮小よりも、ガイダンスは更に保守的に出してきている 
中計からみた成長率は、24/3が底、
25/3が23/3並みに回復
26/3~元の成長軌道に戻るといった感じでしょうか。
総合評価では、株価には原則は十分織り込まれている感じなので、ニュートラルな決算発表だと思います。

以下に、週足チャートを載せておきます。

週足チャート

PTSの様子

PTS 18:00

案外しっかりとした感じですね。

以下資料

2023/05/18 東京エレクトロンに材料が出ました。
以下記事参照方

東京エレクトロン<8035.T>が大幅高。ブルームバーグは18日、米メモリーチップ大手のマイクロン・テクノロジーが、日本政府から2000億円の支援を受け、同社広島工場で次世代DRAMの生産をめざすと報じたことが材料視されているようだ。
 記事によれば、事情に詳しい関係者が匿名を条件に明らかにしたもよう。マイクロンが手掛けるのは、EUVを光源としたリソグラフィ技術による1γ(ガンマ)世代と呼ばれる製品で、2024年までの量産開始をめざしているようだ。
 マイクロンによる投資決定が日本の半導体産業に追い風となるとの見方から、半導体関連銘柄に資金が流入。同社ほか、アドバンテスト<6857.T>、レーザーテック<6920.T>なども大幅高となっている。

トレーダーズWEBより

東京エレクトロンやレーザーテック等、EUV関連の企業にポジ材料ですね。

以下引用先

同様の記事もありましたので、追記します。

[東京 18日 ロイター] - 西村康稔経産相は18日、来日中の海外半導体関連企業トップらとの会合後に記者団の取材に応じ、台湾積体電路製造(TSMC)や米インテルなど各社から日本への積極的な投資提案があったこと明らかにした。2022年度補正予算で計上した1.3兆円を活用して積極的に支援する。
来日したのは、インテル、米IBM、米マイクロン・テクノロジー、米アプライド・マテリアルズ、TSMC、韓国サムスン電子、ベルギーの半導体研究開発機関「imec(アイメック)」の会長や最高経営責任者(CEO)ら。官邸で岸田文雄首相と面会した。
マイクロンからは次世代DRAM量産のため広島工場の投資を拡大する提案があり、西村経産相は同補正予算で計上済みの「4500億円の活用を含めて必要な支援行いたい」と明言した。
インテルからは後工程で日本の製造装置メーカーと連携を拡大すること、サムスンからは後工程の研究開発投資センターを日本に新設することお、アプライド・マテリアルからは日本の官民半導体企業ラピダスとの人材開発を含む連携を強めることなどの提案があったという。熊本県に工場を建設中のTSMCからも、さらなる投資拡大の話が出た。
西村氏は中国を念頭に、「同志国で半導体サプライチェーン(供給網)を完結するなかで日本の位置づけが高まっている」と強調し、「本日いただいた提案を受けて政府として支援を検討したい」と述べた。

ロイター記事より

半導体製造装置メーカーだけではなく、インテル関連の後工程(多分イビデン、新光電気工業か)にも投資がきますね。
又、ラピダスとAMATとの人材開発関連の話は初耳でしたので、今後の動きに注目です。

以下引用先


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