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私の株式選別方法ーKOKUSAI ELECTRIC の東証上場について

2023/09/05 以下の記事が発表されました。

KOKUSAIが10月にも東証上場、想定時価は4000億円超-報道
沢和世
2023年9月5日 22:13 JST
半導体製造装置などの開発・製造を手掛けるKOKUSAI ELECTRIC(東京都千代田区)が、10月にも東京証券取引所に上場すると日本経済新聞電子版が5日報じた。上場時の時価総額は4000億円を超える見通しだという。
東証が近く、上場承認を行う見通し
KKRが保有する株式の一部を売り出す予定
関連記事:KKR傘下の旧日立系半導体装置メーカー、6月にも東証上場へ-報道

日本経済新聞より

半導体製造装置メーカーの位置づけとしては、以下の資料から、日本では東京エレクトロンが直接の競合になるでしょうか。

では、HPよりKOKUSAIの技術についてポイントをまとめてみたいと思います。

KOKUSAI ELECTRICの技術
当社グループは、半導体製造の数ある工程の中で、半導体デバイスの性能を左右する成膜プロセストリートメント(膜質改善)プロセスを軸に事業を展開しています。これらのプロセスには、枚葉式とバッチ式があり枚葉式がウェーハを1枚ずつ成膜するのに対してバッチ式は数十枚以上のウェーハを一度に成膜することができ高い生産性が特長です。これらのプロセス技術に対応する当社グループのバッチ成膜装置枚葉トリートメント装置は世界中の半導体デバイスメーカーから高い評価をいただき、世界トップクラスのシェアを有しています。
半導体デバイス市場は、従来のPCやスマートフォンなどのコンシューマ向けからデータセンタや次世代移動通信システム、AI※1などの高成長産業向けへと需要がシフトしながら拡大しており、これに伴い、半導体デバイスの構造は複雑化・三次元化が進んでいます。この半導体デバイスの進化に対応するため当社グループは、狭く深い高アスペクト比※2の溝や孔を多数持つウェーハに対応するナノレベルでの成膜技術や、プラズマや熱を加えることで膜質を改善するトリートメント技術を開発、進化させることで、世界の半導体デバイスメーカーのニーズに応えてきました。
こうした当社グループの技術は、熱流体力学、機械工学、制御工学、電気・電子工学、さらには、マテリアル工学、物理工学、プラズマ工学などの集大成であり、一朝一夕に培われるものではありません。私たちは、現状に満足することなくそれぞれの領域で日々技術を磨き、それらを融合することでお客様のニーズに対応するためのイノベーションを生み出しています。
バッチALD技術
ALD(Atomic Layer Deposition)※3技術は、高品質な薄膜をステップカバレッジ※4良く形成することが可能な難易度の高い技術で、半導体デバイスの進化とともにニーズが高まっています。このALD技術は、複数のガスをサイクリックに供給するため、成膜に時間がかかり生産性に課題がありました。これに対し、一度に数十枚以上のウェーハへの成膜を可能とするバッチ成膜技術の生産性の高さが有効な解決策となります。ALD技術とバッチ成膜技術を融合した当社グループのバッチALD技術は、難易度の高い薄膜形成と高生産性を両立することで、高アスペクト比の溝や孔を多数持つウェーハに対しても、高い生産性で、ステップカバレッジに優れた成膜が可能となるため、半導体の進化への対応と幅広いアプリケーションへの展開を実現する最も論理的なソリューションと言えます。

KOKUSAI HPより


トリートメント(膜質改善)技術
トリートメント(膜質改善)技術とは、成膜後にプラズマや熱を加えることにより膜中の不純物を除去し、粒子を安定させることで膜質を改善させる技術です。半導体デバイスの微細化・複雑化に伴い低温環境での成膜需要が高まっており、トリートメント技術は低温環境で膜質改善を可能にするソリューションとしても需要が拡大しています。
当社グループは、新しい手法を用いたトリートメント技術の開発に注力しており、厳しい条件下でも半導体デバイスが所定の性能を発揮できるよう既存の薄膜を高品質化するための処理手法を開発しています。例えば、反応種を豊富に供給するプロセスを開発することによって、200層以上の深孔を有する3D-NANDにおいてもステップカバレッジに優れた処理方法を提供し、主要メモリメーカーに採用されています。また、新しい原料を用いた反応種の種類や現象についてモニタリング、シミュレーションを行い、反応モデルを解析してより適切な処理方法の開発を進めています。
※1
Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)の略で、人工知能のことをさします。
※2
微細加工された半導体デバイスの形状における溝や孔の縦横比のことをさします。
※3
当社グループでは、複数のガスをサイクリックに供給する工程を伴い、原子層レベルで成膜する手法を「ALD」と呼んでいます。
※4
基板の表面にある微細な段差に成膜した際の、膜の被覆状態のことで、段差被覆性ともいいます。

KOKUSAI HPより

上記の表では、ALDの欄にKOKUSAIの名前がありませんが、技術革新で参入してきたと思われますね。技術力の高さが伺えます。
HPを読んだ感じでは、バッチALDの将来性が高そうですね。

今のところ細かい情報はあまりありませんが、今後追加情報が出てきましたら、ここへ追加していきますので、よろしかったら見て下さい。

以下引用資料

2023/09/21  追加情報です。

[東京 21日 ロイター] - 東京証券取引所は21日、旧日立系半導体製造装置メーカー、KOKUSAI ELECTRICの上場を承認したと発表した。プライム市場に10月25日に上場する。

想定価格の1株当たり1890円に基づく上場時の時価総額は4300億円超の見通し。LSEGのデータによると、2018年のソフトバンク(9434.T)以来の大型上場となる。

KOKUSAIは同日、5884万株を売り出すことを決議オーバーアロットメントによる追加売り出し分を含めた総額は最大1279億円となる。親会社の米投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が保有株の一部を売却する。追加売却分を除いてKKRの持分は73.2%から47.7%まで低下する見込み。

KOKUSAIは成膜技術を軸とした半導体製造装置の専門メーカー。18年に日立国際電気(東京都港区)から独立した。

21年には、同業の米大手アプライドマテリアルズ(AMAT.O)が中国独禁法当局の承認を得られず、買収を断念。株式上場も選択肢の1つとして準備を進めてきたが、世界的な株式市況の悪化なども影響し上場の先送りが続いてきた。半導体業界の国際団体SEMIは、23年の前工程の半導体製造装置の販売額が前年比約15%減少するとみる一方で、24年は同15%増を見込む

IPO市場では、ソフトバンクグループ(9984.T)傘下で英半導体設計企業のアームが14日に上場し、初日の終値が新規株式公開(IPO)価格を約25%上回って時価総額が650億ドルとなり、追い風との見方もある。

KOKUSAIの23年3月期の連結売上高は2457億円。上場により信頼性を向上、資金調達手段を多様化し、優秀な人材を確保するのが狙い。

ロイターより

2021年にAMATが買収をしようとした過去があり、それだけの技術力があるということですね。
今後の追加情報がありましたら、ここへ追加していきます。

以下引用先

2023/10/02 追加情報です。
KOKUSAIのIPOについて考察動画が出ていましたので、紹介させていただきます。

2023/10/03追加情報です。
トレーダーズWEBにてIPO銘柄詳細が載っていましたので、記載します。


トレーダーズWEBより

右肩下がりなのは、気になりますね。。

2023/10/16 追加情報です。

東京 16日 ロイター] - 旧日立系半導体製造装置メーカーKOKUSAI ELECTRIC(6525.T)は16日、新規株式公開に伴う売り出し価格を1株1840円に決定した海外需要が旺盛で、販売割合を5割超に引き上げた。時価総額は約4240億円になる見通しで、2018年のソフトバンク(9434.T)以来の大型上場となる。
KOKUSAIが16日に関東財務局に提出した届出書で売り出し 価格を開示した。仮条件1830―1840円の上限。25日に上場する。
複数の関係者によると、海外販売分の需要倍率は「10倍超」だったことが分かった。上場承認当初の海外機関投資家向けの販売分は全体の45%だったが、旺盛な需要を受けて最終的には全体の55%まで引き上げた。販売額は1245億円。KOKUSAIの広報担当者は「投資家の需要は仮条件の上限に集中していた」と述べた。
米運用大手のキャピタル・リサーチ・アンド・マネージメントとラザード・アセット・マネージメントがそれぞれ約1931万株、約586万株の購入を約束したことも明らかになっていた もっと見る 。
KOKUSAIは公開価格を当初1890円で提示したのち、仮条件を1830―1840円に引き下げた。関係者によると、投資家からの支持を得ていたが、9月に上場したソフトバンクグループ(9984.T)傘下の英半導体設計大手アームの株価動向なども参考に、上場後の株価パフォーマンスを念頭に設定したと説明。こうした対応も投資家からの需要を押し上げたとみられる。
KOKUSAIは成膜技術を軸とした半導体製造装置の専門メーカー。18年に日立国際電気(東京都港区)から独立し、米投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)の傘下にある。追加売却分を除くとKKRは、約5884万株を売却し、持分は73.2%から47.7%まで低下する見込み。
19年から買収を進めていた同業の米大手アプライドマテリアルズ(AMAT.O)が中国独禁法当局の承認を得られず、21年にKOKUSAI買収を断念したが、現在アプライドマテリアルズが約15%保有している。

ロイターより

2023/10/25追加情報です。
本日IPOの結果です。

東京 25日 ロイター] - 旧日立系半導体製造装置メーカーKOKUSAI ELECTRIC (6525.T)は25日、東京証券取引所プライム市場に新規上場した。初値は公開価格を15%上回る2116円で、一時29%高まで上昇した後、2350円(公開価格比27.7%高)で引けた。半導体市況が弱含み、新規株式公開(IPO)市場がさえない中で、2018年のソフトバンク(9434.T)以来の大型上場は順調な滑り出しとなった。
市場では、公開価格を上回る初値となり「無難なスタート」(松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリスト)と受け止められた。
東京エレクトロン(8035.T)やアドバンテスト(6857.T)、レーザーテック(6920.T)といった半導体関連株は米金利の高止まりや半導体需要の回復の遅れで上値の重い地合いだが、政府による半導体産業支援への期待もあり、KOKUSAI株の無難なIPOにもつながったとみられている。KOKUSAIは、他の半導体関連と同様、半導体の需給動向や国際政治情勢などの影響を受けるとみられる。IPOに伴い、米投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が保有株の一部を売却した。追加売却分を除いてKKRの持分は73.2%から47.7%まで低下する。売り出し総額が1245億円と、過去5年間のIPOで最大となる。

ただ「IPO市場の復活は期待しにくい」と松井証券の窪田氏は指摘する。KOKUSAIは時価総額5000億円規模で機関投資家の資金流入も見込まれ、個人投資家が中心の小型グロース株とは投資家層が異なる金利先高観がある中では、新興株市場の軟調な地合いは継続しそうだと窪田氏はみている。
<業績低迷も技術力に評価>
KOKUSAIは、成膜技術を軸とした半導体製造装置の専門メーカー。前工程における回路形成に必要な成膜装置を主力とし、特に数十枚以上のシリコンウエハーを一度に処理するバッチ成膜装置に強みを持つ。成膜後に熱をかけて結晶サイズをそろえる「熱処理」工程で用いられる装置も手掛ける。18年に日立国際電気(東京都港区)から独立し、現在はKKRの傘下に入っている。KOKUSAIによると、KKRの持ち分は今後減少していくとみられる。
24年3月期連結業績予想(国際会計基準)は、売上収益が前年比26.7%減の1800億円、営業利益は同48.1%減の291億円、純利益は同49.9%減の202億円。メモリー向けが多く、半導体の需要が停滞する中、減収減益見通しとなっている 。
金井史幸社長は会見で、半導体市況について「厳しい状況は続いているが、顧客の在庫が減り始めているため底を打った」との認識を示した。ただ、回復が本格化するには時間がかかるとみており、「24年末から25年にかけて需要は着実に戻り、これまでを超える」と見込んでいる。
業績は低迷しているものの、技術力への評価は高い。岩井コスモ証券の斎藤和嘉シニアアナリストは「今期は厳しいが今後微細化が進み、トランジスタの構造が複雑化する中、先端半導体の製造に必要な装置。成長期待がある」と指摘する。米運用大手のキャピタル・リサーチ・アンド・マネージメントとラザード・アセット・マネージメントが売り出し株の購入を約束するなど 機関投資家の関心も高く、ブックビルディングの海外販売分の需要倍率は10倍を超えていた。
21年には、同業の米大手アプライドマテリアルズ(AMAT.O)が中国独禁法当局の承認を得られず、買収を断念した経緯もある。それでもアプライドマテリアルズはKOKUSAIの株式を買い進め、現在約15%保有している。
金井社長は、アプライドマテリアルズが「これ以上保有を増やすことはない」とした上で、お互い強みのある分野で「協力関係を持つのは意味がある」と説明。今後、ほかのM&A(合併・買収)の機会も追求したい考えも示した。

ロイター

本日のIPOは順調な滑り出しですね。
活況状況も堂々の一位で、レーザーテックを超えたのはすごいですね。

株探より

以下引用先


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