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全日本選手権マスターズ40代2位、総合3位


2023年は年始から全く走れる状態にはなく、自転車競技をいつ辞めるかばかり考えながら、ランとスイムを加えてトライアスロンに取り組み細々と活動を続けていた。

5月のGW期間に少し走れる気配があって1か月くらいあればそこそこ走れる状態になるのではないかと一縷の望みにかけてエントリーだけしておいた全日本選手権。

前週のニセコクラシックで良い感触が掴めたので出場することに決めた。

準備


ニセコからの一週間は水曜日にZWIFTレースで高強度を少し入れた以外は全て短時間流し。

短時間流しも60分以下で体重調整のためとローラーやりながら勉強したりする時間作るためにやっているだけなので実質トレーニングではなく疲労抜くことだけに集中。

体重は最終的に57.2kgくらい。
昨年11月の沖縄以降の体重と体脂肪率の推移はこんな感じで一応やるべき準備はしてきたつもり。

体脂肪率は5%くらい高く出ていてINBODY測定では4.9%。

前日の試走は超ゆっくり3周24km。
下りのラインとタイヤの感触を確かめるのが目的。今回のタイヤはミシュランのPOWER CUP。GP5000に比べると少しコーナーリングにクセがある感じ。最終的に空気圧F5.0R5.2くらいがちょうど良さそう。

このコースはJPTで走ってた時以来だけど、改めて登りがきつくて下りも難しい。一周8km、240mくらい登るとか鬼畜を極めてるが自分にとっては比較的得意な分野のはず。

前日夜は海まで行って金目鯛丼。最高だ。

晩御飯はこれとヨーグルト

伊豆長岡温泉の弘法の湯に泊まったのだけど、館内に岩盤浴施設があり、人生初の岩盤浴体験。

温かい石の上で寝るのが、腰痛持ちの私には腰から温まりかなり良かった。じんわり汗が出てくるまで寝ておくだけでサウナよりも身体が楽。
温泉入って22時頃に就寝。

朝の状態

岩盤浴効果なのかかなり熟睡できた。そしてずっと50前後で低迷していたHRVが95まで急激に爆上がり。今までなんだったのかと思うレベルで岩盤浴効果が凄まじくないか。

そして過去最高のトレーニングレディネスになり今年では一番の状態と言えるだろう。

HRVも睡眠もかなり良かったのは岩盤浴効果だと思われる

ちなみにCTL139TSB36。
CTLは高いと思われるかもしれないが適当な設定のスイムとランがたくさん含まれているので実際は110くらい。

こうやって振り返ると5月はやり過ぎだったのか?


朝ごはんは、おはぎ二つ、少しのおにぎりと鼓月の羊羹(BCAAとカフェイン入り)の糖質祭り。

6時30分に会場入りしてアップは実走で40分ほど。いきなり登りで強度が上がること想定して250wくらいで10分走したあとに15秒インターバルを10回ほどやって心拍上げる。心拍の反応が珍しく良過ぎて一気に175まで上がる。

出走前にパワージェル二つ注入。

レースは8kmを7周回の56km。多分90分前後のレースだろうし補給はACTIVIKEのスピードウォーター750cc一本のみとした。

目標と作戦


落ちるところまで落ちてどん底から這い上がってきた男に失うものはなく、前週優勝して気負いもないのでハイレベルなおじさん達とのレースを兎に角楽しみたい。

40代優勝と30代も含めて全体で勝ってやるという意気込みで走るがそれは展開次第。

40代の部の強敵は15年来凌ぎを削る高岡さん。前週のニセコが不調で今週はレストにしていた様子だが、大体こういうレストを入れると調子上がるから危険だなと感じていた。
そしてマーケン社から鬼畜部長ナカガワさんの強烈な登坂力と、口撃部長サイカさんの老獪な動きも要注意。前週のニセコで強さを見せた田崎さんもコース的に力を発揮しそう。また京都でご一緒した坊さんも強そうだ。

作戦的には終始前々で展開して30代の思春期の若者の有り余る力をフル活用して40代を全員集団から振るい落とすこと。そして最後は30代とスプリント勝負するという作戦。

前半戦


8時レース開始。30代と40代の混走でスタート。

このコースは後ろにいると自然にリストラが進んでいくだろうし後手を踏まずに前々で展開するのが吉。

一周目がきつい。アップ不足なのか実は調子悪いのかと思ったが一周目のホームストレートでメーター見たらアベレージ299wで、そりゃきついわと思った。

2周目もそこそこハイペースで進む。
前半のレースを作っているのは主に荒瀧さんと30代優勝された佐々木さん、佐藤さん(パヤオさん?)、昨年30代チャンプ皿谷さんあたり。
特に荒瀧さんの調子がかなり良さそう。そして佐々木さんの登りの軽快さが異次元で集団内で「あれは誰だ?」となっていた。

3周目だったか、集団から30代が4人ほど抜け出す。

ニセコの時の私なら絶対放置していたけど、今日はこういう動きはとことん使って攻めるつもりなのでブリッジに行く。うまくいけば逃げれる可能性もある。

調子が良いのかスッと追いつく距離に入った。
しかし、振り返るとみんな追っかけて来てるよね。

まあこういう動きは自分もきついが後ろもきついだろうし続けていくしかない。

5周目くらいに中川鬼畜部長がゴール前の登りでアタック。同じ40代なのですぐさま反応して後ろに着いたが結構辛い。同チームのハコブネの指示だったらしい。上の年代に引かせる指示を出すとはどんなチームなんよ。(しかもマーケン社の執行役員兼鬼畜部長)

マーケン社の40代3人が前を引く
©MakotoAYANO/cyclowired.jp

後半戦

前半は結構脚使ったが、それはみんな同じはず。
ここからは我慢大会。

スタート直後の登りでハコブネの指示で更に鬼畜部長がアタック。もうドリフのコントにしか見えない動きだぞ。流石に佐々木さんや荒瀧さんも反応して私もすかさずチェック。

©MakotoAYANO/cyclowired.jp

秀峰亭からの登りでハコブネがペースアップ。
この辺りからハコブネアタック、佐藤さんや皿谷さんらが追いかける、おっさんがじわり詰めるという構図が出来上がってきていた。
ハコブネは自分の脚質考えた良い動きだと思う。
私はピークに向けて斜度がきつくなるところでダンシング使って詰めるが集団の人数も減らしてくれるので非常にありがたい。

photo by yuki_asato様

6周目完了時点で集団内の40代は高岡さん、サイカさんと私の3人。(中川鬼畜部長は散々こき使われた挙句に捨て去られたようだ。)

失礼ながらお子さんが産まれたばかりのサイカさんがここまで走れるとは思っていなかった。高岡さんは下り以外はあまり前には出てきてないが、やはり前週よりも回復していそう。(相変わらず下りは非常にうまい)
私も逆にここまで走れる状態とは思われていなかっただろうけど。

そんな中で30代の佐々木さんがスルスル抜け出し単独で逃げる。

集団からはハコブネが抜け出してやろうと何度となく仕掛けているが佐藤さんらが粘りの追走で崩壊させない。30代の争いも熱い。

最後の秀峰亭からの登りでハコブネアタックで少し秒差が開きかけたところで、高岡さんがいよいよ本気出して一気に追いつく動きを見せた。このおっさんやっぱり元気じゃねえかとすかさず反応。ここが今回のレースで一番きつかった。

単独で抜け出している佐々木さんは20秒くらい前で追いつくには厳しいか。

最後の登りでサイカさんが遅れ7名でゴールスプリントへ。40代は私と高岡さんとのマッチアップ。やはりそうなるか。

脚の残り具合的に沖縄と同じく非常に厳しい状態でのスプリント。明らかにニセコの時と比べても脚が残っていない。

高岡さんとのこの状況でのスプリント勝負の実績は1勝4敗くらいと分が悪い。加えて私は今年レースにほとんど出ていないが、高岡さんは毎週レースを走っており、その辺りのレース勘も影響してくるだろう。

早駆け先行か、後半捲り上げかの二択の中で早駆けは、どう考えても脚の残り具合的に厳しい。
後半捲り上げの選択をして残り100mで差し込む作戦を選択。
のこり100mで並びかけるまでは良かったがここから高岡さんが失速しないし、横並びから私もあと一歩伸びない。

よく見たら仙人が。
photo by yuki_asato


ダメだ。届かん。

photo by yuki_asato


タイヤ半分くらいが届かない
©MakotoAYANO/cyclowired.jp


出し尽くした
©MakotoAYANO/cyclowired.jp

結果的に集団内のトップ高岡さん、私が2位。30代を全員捲ってのこのリザルトなので私が弱かったのではなく高岡さんが強かったというのが正しい。ラインの選び方とか言い出したら無限の「たられば」があるが、そんなことは関係なく最後に私の出せたパワーと高岡さんの粘りから考えるにどの道を通っても負けていたと思う。

終わって


欲を言い出せばキリはないが、大事故から2年、昨年も走れず、今年も年始から全く走れず何度も辞めようと考える中で、前週のニセコに続き再び最高のライバルと最高レベルで走れるまで体力を戻した自分自身はよく頑張ったと思いたい。

そして30代の若者相手にもまだまだ走れるレベルであることを証明できたことが、頑張るおっさん達の勇気になれば幸いである。

©MakotoAYANO/cyclowired.jp


結局レースを作っていたのはこのうちの数人だけ。
結局前で展開していたものだけの勝負となった。


100分ほぼ体重の5倍パワーなので過去最大強度かもしれない。




鬼畜に酷使された鬼畜部長
打ち上げは沼津の貝殻亭にて


今回もまたレースを楽しみ無事にゴールできてこれ以上ない幸せである。

今回の旅のパートナーは同チームで苦楽を共にするゴリラであった。ゴリラの沖縄での再興に期待。

次はツールド沖縄に関西から多数の刺客を送り込むのが私の仕事だ。

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