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ずっと放送作家の「放送」を取りたかったという話 僕は作品の “母” になりたかったのです

20歳から始めた「放送作家」という仕事。

以前と比べて多少は知られるようになった仕事です。
古くは、青島 幸男さん、そして秋元 康さんなんかが
「放送作家」としては有名人でした。

最近だと、
鈴木おさむさんとか、高須光聖さんとか
メディアにも顔出し、声出し(ラジオ)する人も多くて
なんとなく「テレビやラジオの仕事をしている人ね」
・・・という認識があります。

どんな仕事をするのか?

とはいえ、
具体的には、何をやっているのか?
分からない方も多いですよね。
そんな人のために、いくつか仕事内容を書きます。

番組会議&台本書き

一番ベーシックな仕事がこの2つでしょうね。
番組の会議に出席して、
その番組がどうすれば面白くなるのか、視聴率が高くなるのか
アイディアを言う。
アイディアにも色々あって・・・
『こんな新コーナー(企画)やってはどうだろう?』
『こんなゲストを出してはどうだろう?』
『当初の番組内容とズレているから修正しよう』
『このままだと視聴率が悪くて
 番組が終わってしまうので、テコ入れしよう』
・・・といったことをみんなで話し合います。

そして台本書きです。
一応、どんな番組にも台本は存在します。
ドラマのセリフのように一言一句きちんと書く・・・というよりは
『番組の進行』を書いたものが多いですね。
ラジオにも台本ありますよ。
DJがフリートークっぽく喋っている内容でも、
元ネタは放送作家が台本に書いたものだったりします。

ナレーション書き

VTRにはナレーションが入っていますよね。
「続いて〇〇さんが向かったのは・・・」
「そこで我々の前に現れたのは・・・・」
・・・みたいなVTRの内容説明です。

これもたいてい放送作家が書きます。
昔はVHSのビデオテープがバイク便で送られてきて
それをビデオデッキで再生しながら書いたものです。
今だと、オンラインのデータ便で届くので便利ですね。

ナレーション書きって結構タイヘンで、
苦手な人が多いです。僕もキライです。
10分書くのに1~2時間かかります。

取材

これも結構ありますね。
僕の場合、スポーツの仕事が多かったので、
アスリートの取材に一緒に行ってました。

サッカーの長友選手、遠藤選手(ヤットさん)
野球だと、ダルビッシュ投手とか色々お会いしました。

一般人への取材もしましたね。
『中居正広の家族会議を開こう!』という特番では
色々と壊れかけた家庭にお邪魔してはディレクターと
一緒に取材して、報告用のメモを書いたりしました。

オンエア立ち合い

生放送のラジオ番組だとありますね。
リスナーからのメールをさばいたり・・・

『さばく』とは一体何をするのか?
▽メールを読み、面白いモノを選ぶ
▽DJが読みやすくするために
 文章をカットしたり、直したり、
 マーカーを入れたり、加工する。

まあこんな仕事なんですが、
ずーーーーっとイヤだったことがあります。
それが・・・

作品の母にはなれない

ということなんですね。
番組は大勢のスタッフで作ります。
自分一人の作品ではありません。
だからなんの権利もありません、アーカイブにもなりません。

VTRもそうなんですね。
たとえ構成を書こうが、ナレーションを書こうが、
結局、最後はディレクターの作品なんですよ。
その証拠に、VTR中にミス・間違いがあった場合、
責められるのはディレクターです。
作家は気楽な反面、作品に対して責任感が薄く、
だから・・・
『自分の作品と思えない』
『作品の父にはなれるが、母にはなれない』
そんな思いがありました。

僕は作品の母になりたかった

放送作家だとそれがムズかしいと思いました。
だから、20年以上にわたって
ずーーーーーーーっと、
「放送作家」の「放送」を取りたいと思ってました。

Kindle作家の場合、
自分が『作品の母になれます』
なにかミスがあった場合も責任は自分です。
反対にホメられれば、全て自分の手柄になります。

これが楽しくて今、Kindle作家やってます。




作家として、
いまようやく “息” をしている。

そんな気がするんです。

これからもコツコツやります。

どうかよろしくお願いいたします。




読んで頂き ありがとうございます!


これでまた、栄養(本やマンガ)摂れます!