見出し画像

クリスマスが過ぎて、彼女は

劇的に1日ずれた今年のクリスマスをどうやって過ごそうと頭を抱えた
おい、25日は仕事だぜ、一日中一緒にはいられないさ
彼女に詫びる理由は間違っていなかったが、よりによって今年がかと

1ヶ月も前から悩みまくり、25日を捨てることになった
来年結婚を決めたから、キメたクリスマスは今年が最後だろう
子供好きな彼女はきっと、甘い生活よりも暖かい暮らしをすぐに求めるだろうからさ
俺が甘ちゃんなんだなぁ

23日土曜日
かなり冷えた街を二人で歩き、恋人同士のプレゼント交換を洒落たレストランで食事後にしたしりた
その後も少し酔いたくてこれまた洒落たバーに行き、肩寄せ合って乾杯を繰り返した

24日日曜日
日を跨いで俺の部屋に帰り二人で過ごす
料理が好きな彼女がお得意のビーフストロガノフなんか作ってくれて、ワインで乾杯食後は可愛いケーキを分け合った
「明日は早いから」と最寄りの駅まで彼女を送る


25日月曜日
一人同士のクリスマスが来た
そんなこと知るかと週明けの仕事はアホなくらいやって来る

集中
時々
コーヒーと喫煙所

喫煙休憩を厳しい顔で見ている女子もいるが、大目に見てくれよ、君らより残業してるからさ

22時退勤してコンビニで軽いものを買う
寝る前にサクサクっと食べてシャワー
眠い


26日火曜日
夜中にスマホの着信音
メールか

あ、彼女からだ
おやすみの言葉だろうか


「…今までありがとう
  さよなら、ごめん」


…なんだ、こりゃ…
2人でクリスマス過ごしたじゃないか
…じゃない、クリスマス・イブまでか

彼女はこんな事用意してたのか
上手過ぎない?こんなもん?別れって

クリスマスが過ぎて、彼女は行くのか
俺から離れて行くのか

何て事だ

こんな風に静けさは駆け足でやって来て
こんな風に俺を目覚めさせた

さぁ、明日からどうしたもんか
なぁに、また仕事の山がキスしてくるだけ
そんなものなんだよな

でもひとすじだけ涙が流れた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?