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眠りの罪

闇を司る神は云った

「お前は何もしていない
  眠る必要は無かろう」と

俺はこの瞼を上向きに縫い付けられ
眼を剥き出しに生きねばならなかった
生き地獄と餓鬼達は云う
「お前にはお似合いだな」
「無間地獄よりはマシだぞ」と笑う

乾きが激しい眼に蜘蛛の巣の血管が駆け巡る

俺は眠りたいだけなんだ
神よ、眠るのは罪なのか

「違う
  惰眠を貪るだけで
  この世に何も成さないことこそが
  お前の罪だ」

ちょと待てちょっと待て神様よ
それならもっと悪い奴がいるだろう
俺は出来が良いとは言えないが
日々生産活動をこなしていたじゃないか

もうそんな言葉も薄れてきた
微かに閉じようとする瞼が眼に張り付く
このまま干涸びて目から失うのか


目が覚めた
重い夢だった
俺は狂ったのかも知れない
この世界に先が見えなくて
あの夢を見た


朝6時の目覚ましが鳴る前に止める
もうここが地獄なのだから
人型が心無く動き回る
こここそが地獄なのだ


あはははははははははははは



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