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9 GTDを仕上げる前に、焼きイモ屋さんについて考えてみる

モヤモヤを解消するためのルーティーンの一環として、GTDの流れをごく簡単に追っている。「レビュー」「実行」という段階が残っているが、もう少しGTDについて詳しく知りたい方は以下の2冊の原典を当たると良い。
 
・『ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則』デビッド アレン  2006年/二見書房
 
・『ひとつ上のGTD ストレスフリーの整理術 実践編――仕事というゲームと人生というビジネスに勝利する方法』デビッド アレン  2010年/二見書房
 
GTDをしっかり実践できれば、仕事や生活の上で大きな成果を上げる事が出来る。
この手の方法論と言うのは昔から絶え間なく編み出されていて、様々な手法を試した事のある人も多いに違いない。大切なことは方法論やツールに振り回されない事だと私は思っている。言い換えれば、方法論オタクになってしまわない事。大事なのは結果を出す事・現実を変える事であって方法論に忠実である事ではない。現実はすべて個別解であり既存の方法論ではどうにもならない場合もある。目の前のモヤモヤを解消するために必要にして十分な「ちょうど良い塩梅」で方法論を適用できる主体者である事が大切だ。
 
さて、「会社を立ち上げる」とか「事業を立ち上げる」と言う言葉がある。「立ち上げる」とはどういう事か?
役所に法人登録をする事が「立ち上げる」事ではない。事業を継続するためのスキーム、枠組みを組み上げて継続させる事こそが「立ち上げる」ことの本質だ。
 
質の良いイモを安く仕入れて美味しく焼き上げて販売する、と言う枠組みによって焼きイモ屋さんは立ち上がる。イモを売っているオジさんは焼きイモ屋さんではあるが、焼きイモ屋さんの本質ではない。イモを仕入れて販売するまでの一連の枠組みこそが「焼きイモ屋さん」の実体そのものだ。
 
では「自分」の実体とは何か。これまでに組み立てて来た日々の更新作業、ルーティーンによってこそ「自分」が立ち上がる。ふた昔も前に「自分探し」などと言う言葉が流行った事があるが、自分は探すものではなく立ち上げるものなのだ。
 
突然クルマが壊れた時にすぐに買い換えが出来るか出来ないかは、そのための積み立てをして来たのか・して来ていないのか、つまり自分自身の日々のルーティーンによって決まってしまう。クルマが買えるにせよ買えないにせよ、それが自分自身だ。もう一度言えば、自分とは日々のルーティーンによって決まる。日々をどのように過ごしているか、どんなルーティーンを繰り返しているのか、それこそが自分そのものだ。
どんなに流行りのファッションに身を飾ってみても、どんなに社会的に地位がある様に見えても、どんなに立派そうに振舞ってみても、日々の過ごし方に規律の無い人はすぐにバレる。昨今のニュースやワイドショーで騒がれているのはそんな人の話題ばかりではないか。
もし私が間違えて会社の社長になってしまったとして、新入社員の面接をするなら「あなたの毎日のルーティーンは何ですか?」と訊ねる。過去に何をして来たかなど聞かない。未来を作るのは今のルーティーンに他ならないからだ。
 
GTDは目の前のモヤモヤを解消し、人生を変えゆくための規律あるアプローチである。あなたのモヤモヤは社会のモヤモヤであり私のモヤモヤでもある。私たちのモヤモヤ解消の旅はまだまだ続く。

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