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「心地よい」を探す。まつりのバンクーバー暮らし

北米では新年を盛大に、そして日本のように何日かかけてゆっくりと祝う習慣はあまりなく、2日から仕事が始まりました。

本日は4日の土曜日。昨日の土砂降りとはうってかわり冬のバンクーバーにしてはめずらしくきれいに晴れ、家の窓からは雪をかぶった山々が見えます。
ようやく週末になったのでコーヒーも淹れたし、2019年を振り返り今年の抱負を考えようと思います。

昨年書いた抱負から、少し違うベクトルに進んだ気がする2019年でした。5月からバンクーバーに住み始めたことの影響はとても大きいです。

今までは仕事を軸に自分の人生を考えていましたが、新しい土地ではどう生活の基盤を作るかということに、嫌でも集中しなければなりませんでした。クラリネットをお仕事として演奏することからも少し距離を置くことになりました。

ですが、「暮らす」ことにフォーカスできたおかげで、今まで実現したかった生活を成し遂げられた年でもありました。そもそも「海外で生活する、仕事する」って、漠然と、でもずっと願っていたことだけど、実現したってすごいんじゃ?と少し自分を褒めてあげたいです。来る前は嫌になって逃げ帰るかもしれないと、後ろ向きな気持ちだったから。


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2019年の暮らしを大きくまとめると、環境問題や社会問題に深く興味を持つようになり、エシカルな暮らしを目指すようになりました。(※エシカルとは日本語で「倫理的な」という意味)
私のすること全部が環境にいいか、社会に貢献しているかどうかを図るのは難しいけれど、でも試してみると自分の生活の中で実現出来るアクションって意外とたくさんありました。そしてそれが心地よく、無理せずに続けることができています。

自分で勉強していくうちに、あ、こんなことでも環境保護につながるんだ、社会貢献になるんだ、と新しい発見がたくさんありました。
私はやっているんだ、すごいだろ!と言いたいわけではなく、私もまだまだ取り組みはじめたばかりなので、エシカルな暮らしをしたいけどどう始めればいいのか分からない…という人のヒントになればいいな、と思って、いま取り組んでいることを挙げてみます。


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お肉を食べなくなった

昨年のアマゾンの森林火災がきっかけで、環境問題に深く興味を持ち大きく生活が変わりました。森林火災は、畜産業の土地開発のために人為的に焼き払われていることが原因のひとつと言われています。
また、家畜動物の劣悪な飼育環境を知るにつれ、自然とお肉を食べたいと思わなくなりました。(詳しく知りたい方はダンテさんのTwitterを見てみてください。)
最近はお肉に食感を似せた代用品がたくさんあって、それで十分騙されています(笑)お肉を食べられなくて辛い…ってことは私はないです。

▼お肉のソーセージより美味しいかも…!ハマっているトーフミートのソーセージ。


プラントベースドのミルクでコーヒーを楽しむ

こちらも上記の理由で。牛乳を飲まなくなりました。オート(麦)ミルクが美味しくてハマっています。豆乳、アーモンドミルク、ココナッツミルクなど、選択肢がたくさんあります。
オートミルクはラテアートも書きやすいので(ちょっとゆるいけど)、コーヒーショップでアートも楽しみたい方は、ぜひオートミルクで注文してみて下さい。


卵はケージフリーのもの、魚や乳製品は本当に食べたいときだけ

ここまで来ると完全ヴィーガンになれそうな気もするのですが、私は卵と魚、チーズが大好きなので、どうしても完全に断つことはできません。
でも、鶏の劣悪な飼育環境や、過剰な漁業によって破壊される環境のことを考えるとどうしても胸が痛みます。
そこで卵はケージフリー(平飼い)のもの、魚やチーズなどの乳製品は本当に食べたいときにだけいただくことにしました。


使い捨てのもの、ゴミが多くなりそうなもの、プラ包装を避ける

プラスチックバックの代わりにエコバック、紙カップの代わりにマイタンブラー、ペットボトルの代わりにウォーターボトル。
また、個包装のものを選ばないようにしたり、野菜も包装なしのものを買うようにしています。とにかくプラスチック包装のものは避けています。
なによりゴミがほとんど出ない生活というのが本当に気持ちいい…。部屋のゴミ袋(まとめてたくさん買うりんごの袋を再利用している)を変える回数もぐんと少なくなりました。

▼愛用しているウォーターボトル。本当におすすめ。白湯を入れて、1日中ちょうどいい温度でキープしてくれる。


服やかばんは古着やさんで購入

もともと古着が好きなのと、バンクーバーではかわいいおしゃれな服を売っているお店がなかなかない(笑)のもあって。ちょっと磨けば手入れすれば、またきれいに使えるな、というものを探すのは楽しいです。新品で服飾品を買うときはVeganのものを探しています。

※近年は食だけでなく、ファッションにおいても「毛皮やレザーなど動物由来の素材を身につけない、環境保護に配慮したものを選ぶライフスタイル」のことをヴィーガンとさすようになりました。


石鹸類は固形のものを

シャンプー・コンディショナーはLUSH、クレンジングはドクターブロナーのソープ。身体用の石鹸はDove。歯磨き粉も、瓶に入ったオーガニックパウダーのものにしました。(従来の歯磨き粉はマイクロプラスチックが気になるので)

(歯ブラシも土に還る繊維のブラシ)

▼ドクターブロナーのソープ。現在ファンデーションは使っておらず(パウダーのみ)軽いメイクのみなせいか、落とし残した感じはなく、肌がつっぱることもありません。全身に使えるので身体用と兼用にするかも。

ボトルタイプでも詰替えて使うことでゴミを減らすことはできますが、固形のものは包装紙のみでゴミがほぼ出ないのが気持ちいいです。
また、私は旅を多くするので、LUSHの持ち運び用の缶に入れて、普段使っているものをそのまま旅先でも使えるのが嬉しい。
コンディショナーは少し髪がきしむ感じがありますが、ヘアオイルなどでケアすれば私はあまり気にならないです。


バルクショップ(量り売り)を利用する

塩やオリーブオイルは量り売りのお店で買っています。現在使っている容器を再利用。カナダに住み始めてとりあえず、プラスチックのソルトグラインダーをぱっと購入し、木製のものを買えばよかったと後悔していたんですが、詰め替えて再利用し、使えなくなるまで大切に使おうと思います。

バンクーバーにお住まいの方へ、おすすめのバルクショップは
The Soap Dispensary and Kitchen StaplesNADA

Twitterでも何度も言ってますが、ロースター付きのコーヒーショップさん、持っていった瓶や袋にその場で入れてくれるようになってほしいです…!


Amazonなど宅配サービスはなるべく利用しない

(といいつつアマゾンのリンクを貼っていますが…お買い物のご参考にということで。)

全く利用しないのは難しいのですが、ちょっと時間を作ってお店に買いに行けば手に入るものはネットで購入しなくなりました。まずあの過剰包装が本当に嫌で、それに宅配にかかる環境コストが大きいことが気になって…。
食事の宅配サービスも同様で、例えば病気で外に出られないときなど、どうしても必要なときにだけ利用しています。


オーガニック・ローカル・フェアトレードの商品を購入する

オーガニックは、例えば野菜なら「人工的に作られた薬品」を使用しない、有機栽培のことを指します。単純に身体への影響が気になるので。
ローカルのものを選ぶ理由は、上に挙げたような運送にかかる環境コストが気になること。ファーマーズマーケットに行くと、生産者から直接話を聞けるのも嬉しいメリットです。

フェアトレードの商品を購入するようになったのはコーヒーがきっかけです。いずれ詳しく書きたいと思いますが、安価なコーヒーは買わず生産者が見え、適正な価格で販売されているものを購入します。


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主だって取り組んでいるのはこんなところでしょうか。多く挙げてしまいましたが、これにがんばって取り組んでいるわけではなく、自然とこのような生活をするようになりました。私にとっての「心地よい」暮らしです。

また、完璧に取り組めない時も多々ありますし、もっと出来ることはたくさんあるのだろうなとも感じています。勉強して理解を深めていきたい。


もう私達が目をそむけられないくらい、特に環境問題は深刻になっているので(先日のオーストラリア火災の原因は温暖化による深刻な干ばつ、気温の異常な上昇、野焼き政策など。詳しくはWIRED記事「オーストラリアの森林火災は、この地球の未来を“予言”している」)、知らない、じゃ済まされないと思います。

日本はとても便利な国だけれど、その点に関しては国際社会に非常に遅れをとっているので(某環境大臣を筆頭に…。)自身で勉強し、アクションを起こしていかないと、と強く感じています。

SNS上では私はいつもコーヒーか音楽のことしかほとんど書かないので、このようなnoteを書くか迷いましたが、誰かの「心地よい」暮らしのヒントになると嬉しいなと思います。


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2019年は暮らしにフォーカスした年でした。さて、2020年の抱負はまた別のnoteに書こうと思います。

まつりに美味しいコーヒーをご馳走してくださいっ