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20240501 どんたくと神戸まつりの比較からわかった福岡市と神戸市の違い

 昨日,博多どんたくと神戸まつりの違いを比較して,「神戸まつりには企業の団体がでていない」ことを発見しました。

 神戸まつりの公式HPを確認すると,一応,神戸まつりのパレードに企業の参加はみとめられているようですが,営利活動や広告宣伝が禁止されるのであれば企業としては広告宣伝費をつかえないのでつらいだろうなあと。
 最近人口が増えていることで全国的に知名度を上げている福岡市にくらべて,神戸市は隣の明石市の評判があがるのに元気ないよなあ…こういうのって祭との関係にもでているのでは???とか思って,福岡市と神戸市の代表的な企業をHUREXという転職サイトのページがまとめてくれていたのでそのデータを元に福岡市と神戸市の大企業の売り上げをまとめてみると…その性質が全然違うことに気づきました。

水色は神戸市以外に所在地がある会社
水色は福岡市以外に所在地がある会社

  福岡県と兵庫県内の県内総生産は2022年でどちらもだいたい20兆で規模的には変わらないなと。
 しかしその業種の内訳は全然違って,福岡の場合TOTO,山九株式会社,安川電機などの製造系の企業もあるけどそれらはいずれも北九州市であり,福岡市にはインフラの本社がある以外はコスモス薬品やイオン九州,ナフコなどの販売の会社がある程度なのだなあと。久留米はブリジストンが有名だけど本社は別なのかなと。福岡で良く「支店経済」という言葉を耳にしておりましたが,なんだかそれを実感した気がします。
 対して兵庫県は神戸製鋼所,川崎重工,住友ゴムなどの製造業が強いなあと。このあたり,関西圏は二次産業の比率が高く三次産業の比率が少ないなどと昔社会の授業で学んだ気がしますが,それを実感する結果となりました。

 で,ここからはもうまったく個人の感想を書くので大ウソかもしれませんが,神戸製鋼所と川崎重工ってあまり地元に宣伝宣伝していなかったような記憶があります。
 まだ神戸製鋼所はラグビーのイメージがあって平尾誠二さんとか有名だった気がしますが…ってここまで書いてあたりまえですが川崎重工はバイクのレースで宣伝しているのに気づきました。でも,確かに製造業の場合,地元の一般市民に広告をする必要性が薄いのも確かなのですよね…。あと,もしかすると神戸の企業は「ダイエーが地元活動してくれるから」ということで,ダイエーに地域活動を一挙にまかせていたため,ダイエーに去られてから地域と企業の関係もぽっかり空洞化してしまったのではないかと思っているのですがどうかなあと。

 まあでも本当に地域と祭の関係において,姫路などの播州などは博多などと同じような関係性を感じるのに対して,神戸市に関して言えばだんじりや布団太鼓に地蔵盆などはあるのですが「市全体」と「祭」の関係は福岡市と祭の関係に比べるとかなり遠い気がします。

 先日,論文の研究を元に「関西人は花火でもケチ?」というエントリを書きました。

 花火大会の人口当たりの打ち上げ数が,全国平均にくらべて明らかに大阪神戸で低いことを示した論文ですが,これはもしかすると「自治体と企業の祭での連携関係」が関西では弱く,そのため企業からの協賛金が少ないため花火大会の打ち上げ数が少ないのではと思うようになりました。そしてその関係が神戸まつりでも表れているのではないかなとも。
  では,その違いがあるのならその理由は何故なのかなあと。このあたり,その答えを見つけられたら,以前にかいた「神戸市民の祭イメージは独特?」というエントリで書いた疑問の答えになるかもしれないなあと。
 https://note.com/matsurishinri/n/n21d4bd8cd2db

  神戸市自体はこの5月に世界パラ陸上競技選手権大会を開催するなど「イベント」「コンベンション」などは積極的に行っているような気がするのですが,「祭」に関してはなんかそれほど「神戸市」として関与しようとするのが少ない気がして,それは何故なのかを今後調べてきたいと思います。


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