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20240112 正月の人間模様

 今年調査しようと思っていたのに断念したテーマとして「正月を中心とした年末年始の人間関係」というものがあります。
 核家族化が進む現代において,同学年の友だち以外には家族くらいしか遊ぶ相手のいない「家族カプセル化」が進んでいると思いますが,そういう現代っ子でもやはり正月などは親族と会う機会が多く,いつもとは違う相手とうまく遊べるかにはソーシャルスキルが関与すると思っています。
 特に正月などは,「お年玉」という報酬を得るために「祖父母や叔父叔母へのあいさつやこび」を学ぶSST(ソーシャルスキルトレーニング)的なことをさせられる機会が増えると思いますし,大人や親せきなどの異年齢集団の中での振る舞いを学ぶ貴重であると共に,そういうのに慣れていない子どもにとってはなかなか苦痛な時間でもあるのだろうなあと思います。
 私の場合,両親の実家と自宅の距離が遠かったため,盆正月の帰省はほぼできず,冠婚葬祭などが無い限りは帰省していなかったので,祖父母との関係が少し苦手だった記憶があります。いとこ同士では普通に仲良くなれていたし,叔父叔母との関係も上手にできていたのですが,祖父母に対しては「他のいとこはしょっちゅうあっているから親し気に関われているが,自分の場合はまれにしかあっていない人なので気軽に接することができず,過度に丁寧に接することになって気疲れする対象」として祖父母はうつっていた記憶があります。
 まあでもそんな感じで高校生くらいまでは「幅広い層の人との交流の仕方を覚える」機会として年末年始は存在していたと思います。
 そして高校を卒業して進学や就職のため地元を離れる人が急増した後は,正月は「久しぶりに同期に会える時期」であり,その際,「友だちと同じ大学の知らない人」とか「中高同じだったけど交流のなかった地元の友だち」などと遊ぶ機会が増えて,「あまり知らない人との関係の中で楽しむ」ことが求められやすい時期なのではと思います。そういう時に既存の関係性の中で閉じこもるだけになりがちの人と,新規の人と関係を作れるかどうかにもソーシャルスキルが関係する気がします。
  そういう貴重な時期ですので,この時期の対人関係について経験抽出法的な手法を用いてどのような対人関係が起きてそれがどのようなSST的価値を持つかなどについて大学生を対象に調査を実施して概観しようと思っていたのですが年末年始の卒論の嵐をのりきるので精一杯で実施することができませんでした。
 
 ということを思い出したのが,飲み会などのパーティーについて調べていて以下の文献をみつけて「holiday-shy」という概念を知ったからでした。これ,結構使えそうな概念だなあと。
 
【書誌情報】
Family matters. (1996). Good Housekeeping, 223(5), 73.

 もう正月は過ぎたのでリアルタイムの経験抽出はできませんが,回想法で集めて整理してもいいのかもしれないなあと思い始めました。
 

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