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[読書] どうしてFIREに時間がかかるのか?

あんまり読書も文章も得意じゃないので、曲解があるかもしれませんが、ご容赦下さい。書籍の内容に少し考察を入れてます。



昨今のNISAや投資ブームでFIREがもてはやされるようになってしばらく立つ。
今日読んだ本は、FIREを目指す人、そしてその長すぎる目標達成までの期間に耐えられなくなった人にとっては新しい視点を与えてくれる内容であった。

ダーチャ

あなたはダーチャを知っているだろうか?

ロシアの菜園付き別荘のことで、古くは1700年代にピョートル大帝が菜園付き別荘を家臣に下賜したことから始まったものらしい。

ダーチャには、自給自足のための野菜や果物が取れる機能的な菜園がある。
自分たちで何もかもを行うのが基本精神で、食物の栽培と収穫をしてのんびり暮らしていけるだけのリソースがそこにはある。
家自体もDIYしながら住むことが多いようだ。
つまり衣食住の食と住を保証してくれる、都会から少し離れた隠れ家、それがダーチャだ。

それがどうした?という話だが、
このダーチャを手本としたオフグリッド生活にこそ、早期FIREの回答があるとのことであった。

なぜ一般的なFIREのコスパは悪いのか?

FIREの基本は、4%ルールで資産運用しながら暮らしていくことにある。
これを実現するためには次の1~3のステップを踏む必要がある。

step1. 必要支出額の25倍をためる
step2. ためた資産を運用に回す
step3. 運用益を受け取る

たとえば、年の支出が400万であれば、必要資産は1億円になる。
仮に年収を600万とする。必要支出が400万だから毎年200万づつ貯まるが、これは全世界IndexのVT (年利7.7%とする) で回して20年かけてようやく到達する額である。

20年、30歳で始めたとしてその時には50歳である。
その時には物価もどうなっているかわからないし、また加齢すると金銭的利用価値は減るのが一般的な感覚である。
(20代の100万円と50代の100万円は利用価値が違う)
20年頑張るというのはあまりに長くないだろうか…?
また50歳になったときの400万での生活はあまりに心許なくないだろうか..?

人口減少に伴い国のコスパ(納税額に対して受けられる公共サービス)は下がっていく。
また実質賃金が上がらない環境では、金自体のコスパも下がっていくことが考えられる。
そんな中でただ愚直にほそぼそとした貯蓄を、金だけを得られる運用にまわしていくのが本当によい解答なんだろうか..?

コスパものすごく悪くないですか…?

農FIREとは?

都心から120分程度の郊外に暮らし、兼業農業をして、生活コストを下げつつ、時短で設けつつ、資産と仲間を増やす方法。
といったら少し雑かもしれないが、概ねそのような内容であった。

農FIREは何を解決するか?

著者の提案していた農FIREはなにがいいのだろうか?
まず第一に生活コストが下がることで、FIREに必要な金額が減る.

衣食住エネルギー

  1. 食 => 自家菜園で自給自足

  2. 住 => 築古物件100~200万をDIYして暮らす. 木材も山から調達

  3. 衣 => そのまま

  4. エネルギー => 中古のソーラーで自給自足

政府家計調査を見てみると、大体30~40%が食、住、エネルギーくらいのなりそうだ。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=2&tclass1=000000330001&tclass2=000000330019&tclass3=000000330020&cycle_facet=tclass1&tclass4val=0

先程の試算でいうところの、400万の内40%が仮に削れたとすると..
必要な支出金額は240万になる、25倍して必要資産は6000万.
これだけで20年から16年に短縮だ。

農FIREでは自身のスキル収益 + 農業の兼業スタイルを勧めている。
仮に収入が落ちないとすれば、600万円-240万 = 360万で入金力が160万円あがる。
16年が11年に短縮だ。

更に意欲ある人であれば、収入増も可能だ。
シャインマスカットはもうバブルも落ち着いたようだが、現状で所得700万程度は専業農家で得られているようだ。
著者の勧めるような30分圏内に商圏を作って、省力で高単価な農産物をD2Cで販売したり加工できればより収入増は目指せるだろう。

机上の空論ではあるが、仮に兼業農家で半分の350万円を本業の600万にプラスできたとする。950-240=710万の入金力で7年でFIREは達成状態になる。

かなり雑で根拠薄弱な計算だが、雰囲気はわかってもらったと思う。


書籍の中では農業や金銭的資産以外の社会資産(コミュニティの話)なんかにもふえているので、より深く知りたいと思う方は購入してみてはどうでしょうか…?

おわり


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