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外資系ITマーケターの諦念

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外資系IT企業でのマーケティング業務の日々をお届けします。外資系というのは高度に中央集権化が進んでいて、日々の業務では色々感じながらも、毎日の業務を行っています。
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ITマーケターの日頃の業務(2)

前回はITマーケターとして日頃どんな業務を行っているかのリストをお伝えいたしました。 今回からはそれぞれの日常業務をもう少し詳しくご紹介したいと思います。まずは「担当製品(私の場合はクラウド)の自社と競合動向のリサーチ」です。 クラウドはIT業界では最も成長している領域であり、競争も非常に激しいマーケットとなっているので、日々新しい製品やマーケティングの取り組みが行われています。その競争に勝つためには、自社の製品がどのような状況にあり、競合がどのような状況にあるのかを調査

ITマーケターの日頃の業務(1)

ここ二週間ほどドタバタしていて、前回の投稿から随分と時間が空いてしまいました。私の仕事は基本的には「緊急ではないが、重要な業務(重要ではないかもしれませんが・・・)」にカテゴリーされる業務が多い為、締め切りに追われるということはないのですが、ここ二週間は社内対応が重なりほとんど時間をとることが出来ませんでした・・・。 本日からはちょうどいい機会なので、ITマーケターが日常でどのような業務をしているのかを数回に分けて紹介したいと思います。 職責:Market Strateg

オウンド・メディア "Think Watson"の公開

企業による特定のテーマをターゲットとしたオウンド・メディアの公開というのがこの頃まただいぶ華やかになってきましたが、IBMも自社のソフトウェアの中で最も一般の認知度が高いと思われるWatsonを核として、AIやクラウドの情報を提供する自社サイトを立ち上げました。名付けて"Think Watson"です。 Think Watson https://www.ibm.com/think/jp-ja/watson/ まだサイトが立ち上がったばかりなので、コンテンツもそれほど多くは

Teratailでのadventカレンダー企画の表彰結果

以前こちらでも紹介したTeratailで実施していたadventカレンダーに投稿してくれた記事について、入賞結果の発表が行われました。 https://teratail.com/Bluemix 栄えあるBluemix優秀賞に選ばれたのは、yutori_828さんの「クラウドx IoT女子会で推し(二次元)の話をしてきた」( https://iamiotjoshi.moe/?p=698 )でした。おめでとうございます〜。 この企画を始めた時には、Advent カレンダーが

ZDnetでBluemixを開設する連載が始まりました

IBMが提供しているPaaS platformであるBluemixを開設する連載記事がZDnetで始まりました。 ZDNet Japan: 第1回:Bluemixの特徴と価値--ハイブリッドでオープンなアーキテクチャの意味 http://japan.zdnet.com/article/35094997/ 技術的な単語が解説なしで使われているので(とはいえクラウドを理解するためには必要な単語なのですが)、全く背景知識がない方には難しいと思いますが、Bluemixについて理解

InterConnect 2017に向けて準備中

IT業界は、まさしく業界あげて「デジタル!デジタル!」と言って、お客様に対してデジタル活用をしましょう・・・という話を日頃からしていて、また実際にB2Bビジネスでもデジタルマーケティングにどんどんシフトしているのですが、それでも大きなイベントというのは依然として重要な機会であることには変わりはありません。 むしろ、デジタル化が進むと「コンテンツ」の力はとても重要になるということでイベントの「数」は減らしても、「質」はあげようというのがトレンドです。今年も既に終わってしまいま

日本IBMのトップインタビュー紹介:AIについて

ちょっと前の記事になってしまいますが、ITメディアに日本IBMの社長が語る2017年の展望が記事になっていました。 ITメディア エンタープライズ:日本企業がAIで「攻める」年――IBM・与那嶺社長 http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1701/04/news001.html 記事にもある通り、日本IBMにはWatsonというAIに近い(IBM用語でいうとCognitive)ソフトウェアがあり、日本でも100本以上のプ

IBMのクラウドTOPのインタビュー記事

私が担当しているIBMのクラウド事業の責任者が、IBMのポジションを語る記事がNewsPicksに上がっています。 技術が変える2020年 【新春対談】パラダイムシフトが起こすチャンスとクライシス(前編・後編) https://newspicks.com/news/1958165/body/ https://newspicks.com/news/1958187/body/ この記事中にもある通り、全世界で全方位でクラウドサービスを提供するベンダーは欧米系企業の4社になると

今年はクラウドがさらに技術志向×企業ユースに向かうと予測します

2017年はカレンダーの日取りが中途半端なため、年末年始の休みはカレンダー通りで3日までで終わり。もし土日までの間が短ければ有給をとってもう少し伸ばすということも出来るのですが、間が3日もあればさすがにそういうわけにもいかず、明日から出勤となります。 その2017年を迎えるにあたって、私が取り組んでいるクラウド事業を一言で言うと、タイトルのように進んでいくと思います・・・ってこれは、業界にいる人にとっては予想でもなんでもないですね。ちょうど下記のような記事が掲載されていまし

外資系IT企業の年末の過ごし方

本日は12月28日。今年はカレンダーの並びの影響で年末年始休みがそれほど長くないですが、既にお仕事納めになっているところも多いのではと思います。我が社も日本法人は普通に日本の法律と商習慣に沿っているので、年末年始はお休みです。とはいえ、外資系×ITということで、いくつか世の中とは異なっているところもあります。 ① 業績面でも1年の終わりは12月 まずはこれですね。全ての企業がそうというわけではないですが、外資系では12月末が会計年度の終わりという企業が非常に多いです。日本

IBMでもサーバーレスが使えます: Openwhisk

クラウドでの新しいコンピューティング環境であるサーバーレス技術は、AWSでのLambdaがおそらく最もメジャーだと思いますが、IBMでもサーバーレスのコンピューティング環境を提供しています。 例によってIBMのPaaSであるBluemix上で動いているのですが、OpenWhiskがIBMの提供しているものになります。残念ながらBluemix上のカタログが日本語にまだなっていなかったので、公式紹介ページのLinkをごらんください。 IBM Bluemix OpenWhisk

技術がわからないままでIT企業のマーケティングは出来るのか?(2/2)

前回の記事ではIT業界を取り巻く内容をごく簡単にまとめてみました。 今日はこの続きで、マーケティング担当者がどうして技術をわからないといけないのか・・・ということを書きたいと思います。 ITベンダーのマーケティング職というのは、B2Bを対象としていますし、実際の販売の多くを代理店を通じて行うということが一般的ですので(IBMは自社で多くのセールスとプロジェクト実施要員を抱えていますが)、結構やっている仕事は地味です。 基本的には、セミナーやイベントの実施ですとか、販売店・

技術がわからないままでIT企業のマーケティングは出来るのか?(1/2)

今の部署に移ってからずっとタイトルの疑問を抱えています。 端的に言えば、答えは「No」です。 今のIT、特にソフトウェア分野は全体として以下のような流れで (1) βバージョンでの発表が当たり前になってきており、競争環境も激化しているため、技術進歩のスピードはどんどん早くなってきている。 (2) 基本的にITベンダーは「要素技術の開発」への比重を強めている(これは米国におけるトレンドが大きな影響を与えている)。特にベンチャー企業はある活動領域で大企業にはできないスピードで

日本企業で動画活用は進むのか?

IBMは今後「動画」はインターネット全体のデータ量のうちかなりを占めるようになり、一方で動画データは現状では十分にAnalyticsの対象になっていない」として、大きく投資を行っています。実際、今年の2月にはUstreamを買収しこの領域の商品戦略を大きく進めています。 IBM、Ustreamを買収 https://www-03.ibm.com/press/jp/ja/pressrelease/48861.wss 一方で自分が外資系とはいえ日本企業にいると、本当に動画活