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PSYCHO-PASS


1.PSYCHOPATHとは

PSYCHO-PASS とはフジテレビ「ノイタミナ」枠にて10年前に放送されたオリジナル作品。

虚淵玄、タツノコプロ、ノイタミナ、沖方丁
何かしら名前を聞いた覚えがあるかと思います。

近未来に心理や行動傾向を数値化出来るようになった世界でその数値を弾き出し計測する「シビュラシステム」が人々を最適の選択導き、ストレスの無い『理想的な人生』を実現出来る世界での出来事です。

その中で犯罪を起こす可能性や思考の数値を犯罪係数と呼びその数値を元に犯罪者や犯罪を犯す可能性のある人間を抑制する為の警察組織に関する物語です。



2.何故おすすめしているか


簡単に言うと
警察の新人主人公常守朱や、犯罪者を捕まえる実働をする『刑事』狡噛慎也を中心としたストーリーです。

刑事物に分類されますがかなり深い…深過ぎて本当にのめり込みます。
音楽も素晴らしく
有名な「名前の無い怪物」EGOIST(supercell)
凛として時雨、コシュニエ、Who-ya Extended
等最近活躍したアーティストから有名どころまで沢山採用されています。


キャラクターもかなり優秀で
主人公の常守朱、話が進むにツレて顔が死んで行ったり血色が悪くなったりしますが声はcv花澤香菜でめちゃくちゃいいです。
凛として時雨のピエール中野さんが監修しているイヤホンにこのシステムボイスのがあり購入し愛用しています。

作品のテンポもかなり良く進み、BGMを伴ったかっこいい戦闘シーンや色々な伏線回収もありとても長く楽しめます。
難しい文学や芸術に関する話もあり、心理学や文学音楽に関する知識ががあるとより1層キャラクターの心理描写が楽しめるので新たな学びも増えます。

但し、かなり血を伴うシーンもあり、苦手な人向けの「新編集版」もあります。
注意点として新編集版では同様の事件があった為放送されなかった話が1つあります。
一応通常版だと6.7.8.9話辺りになります。

長くなってしまいましたがおすすめする理由をまとめると

作品の脚本が素晴らしく楽しめる
キャラクターの魅力が非常に高い
音楽も世界観にあったカッコイイものからバラードまで完璧な昔ながらアニメである。

騙されたと思って新編集版だけでいいのでPSYCHOPATHを見てください。

見る順番としては
PSYCHOPATH(無印/新編集版)
劇場版PSYCHO-PATH
PSYCHO-PATH2
PSYCHO-PATH Sinners of the System(三部作)

PSYCHO-PATH3    もしくは
今回の劇場版 PSYCHO-PASS PROVIDENCE
残った方
PSYCHO-PATH  FIRST INSPECTOR
がおすすめです。


途中で言った素晴らしいBGMが聞けます。
おすすめは、62.PSYCHOPATH等、PSYCHOPATHのテーマBGMです。
22.外務省行動課
63.ドミネーター
辺りです。


3.キャラ紹介(若干ネタバレを含みます



宜野座伸元

公安局刑事課の監視官でエリートコースを進んでいます。
ガミガミ眼鏡と通称呼ばれているいけ好かない彼ですが、三部作を含めた全ての映画で見せ場があり彼の心情の変化や成長を楽しむのもよいです。
作品を進むにつれてどんどんカッコよくなります。
タンクトップでお酒を飲むかなりヤバイ奴ですが彼は多分「All Alone With You」を聞きながらスピリタスを飲んでます。
貫手が得意で多分無刀流を習得しておりそのうちチェリオと叫ぶかもしれません


征陸智己


声が白ひげです。
ワンピースカードやってからちょっとイメージが変わりました
シビュラシステム成立以前からの刑事で多くの難事件を解決している伝説の刑事です、ハードボイルドを体現していて好きな人にはたまりません。
とっつぁんと呼ばれていて油絵を描きます。
PSYCHO-PASSには何人もかっこいいおじさんが出てきます。


縢秀星


冗談を言ったりかなり作中でも珍しい明るさを持った仲間です。
作中通して明るくヘラヘラしていますがしっかりとした芯があり、ストーリー中でも高い戦闘能力やとても見せ場がたくさんあります。
とても笑顔が素晴らしいです。

唐之杜志恩

捜査活動を様々な分析データでバックアップする分析官を担当しています。
医師免許も持っている為作中でも健康管理から分析まで多くをこなしています。
狡噛からも信頼からか「情報分析の女神様」と褒めています。

六合塚弥生

読みはくにづかやよいです。cv伊藤静常
冷静で顔が良い、ただ殺人事件の被害者になった友人を慰めたり、友人が失踪した学生を助けたりかなり優しい一面があります。
「大事な友人だったのね…」と優しくされた学生「霜月美佳」が2で刑事課に来て。
他にも分析官唐之杜志恩と付き合っており沢山の百合シーンがあります。

6話の標本事件の映像を見せるシーンで遺体の写真を見ながらラーメンを啜る時に「弥生はこの程度じゃもえないわもっと激しくて情熱的なのがお好みよ」と返される時も一切気にせず話を聞きながら上品にラーメンを食べる様子が可愛いです。


最初は気にかけていたのに映画では朱に背中を預けられるようになる成長を認める部分、作中の過去編の音楽に打ち込む姿が非常に素晴らしいです。

雑賀譲二


公安局の刑事向け教室などで犯罪心理学の講師をしていたが、受講生の犯罪係数が上昇したため解任されてしまいます。
話すと色相の曇ると教師と呼ばれますが教養の多さや行動がかっこよすぎます、趣味は料理と匿名掲示板です。
豊富な学識で狡噛からの信頼が高く、槙島追跡の際手を貸したことから隔離施設に入ったが二期から常守に手を貸し分析官になっています。


槙島聖護


最強最高の敵
多分彼より強い敵役を今までもこれからも見る事はないかもしれません。
現れる絶望感も美しさも何もかも素晴らしい完璧って言葉を使うのが心苦しいですが、作中屈指のキャラクターで主人公サイドの狡噛慎也と対比させる為のキャラクターとして優秀で1の面白さを引き立てています。
作中では素手で武装した2…3人を軽く倒しドローンを破壊する高い戦闘能力
哲学書やSF小説からの非常に考えさせる深い引用などのセリフ、深く考えさせられる《人間性》に関する対話がとても惹かれます。

作中の事件が進むにつれ槙島聖護が持つカリスマ性がヒシヒシと伝わってきます。

逆に対比先の狡噛慎也が3の主人公2人がかりでないと止められない演出や、秘密を抱えた敵役の思考を推理を披露することで苦しめられて槙島の能力の高さと知能が半端ないのが伝わってきます。

初登場時の4話のトマトジュースを槙島聖護が作りながら入る
名前の無い怪物の
さぁ与えよう正義を壊されて壊される前に〜が歴代最強のedの入り方だと自分は思います。

10年前ですが今の作品のどの敵キャラでもこのキャラクターデザインに勝てるキャラは居ないのでは?と思います
実は毎回服が違うのもポイントです、折角なので見てみてください
このキャラクターが良すぎたせいで続編で敵が霞んでしまったり物足りなさがあります、2は諸説ありますが他は面白いです。

2は
ぶっちゃけ狡噛慎也も槙島聖護も居なくてもの足りません
しかし3や映画に繋がるので唇を噛みながら見てください。
作成側で映画と同時期に作られ、そちらに人員が割かれた事もあると聞きます。

EGOISTの「Fallen」と凛として時雨の「Enigmatic Feeling」はめちゃくちゃいいので飛ばさずに見るのをおすすめします。
曲の歌詞と内容が絡むのはいつもですが、どちらもかなりの曲で個人的には「名前の無い怪物」の次を選べと言われたらこの2曲を悩むレベルです。

「Enigmatic Feeling」

サビ前のWho are youで脳汁飛び散って神宮寺豊久になれます。
8年前の作品には思えない近未来感とOP画像とのマッチ具合がサイコパスの世界観とマッチしていてサビにでる残虐性がとても癖になります。

「Fallen」

2011年くらいに発売されたEGOISTのアルバムから聞いていますが今でも多分ぶち上がるってこういう事なんだなって思える楽曲の1つです
サビの王道な上がり方や薄氷を割るような入り方が非常にいいです。
コンクリートの発音が当時衝撃を受けました。
Remixバージョンでは盛り上がり部分だけを抽出されていて続く感じですが、元に慣れすぎて違和感がでてしまいます。

この2曲を最大限楽しむ為にも見てください。

悪かった点として敵役の怖さがあまり伝わらない。
又、両方が求める物が槙島聖護に比べてかなり小さいのであまり面白くないと感じてしまうと思います。
しかし今後にかなり関わる内容になっていて見ないでは語れません。
最後のセリフはシリーズ通してもなかなかないかっこいい決めセリフがあるのでそれを楽しんでいただけると幸いです。




4.途中に引用されている本



4話にて槙島が読書
ジョージ・オーウェル『1984年』
内容を簡単にまとめると
お互いを監視し合う世界で
市民が階級によって分けられ
存在しない敵に対する憎悪が膨れ上がる恐怖
についての話です。

SNSやAIによりビックデータと呼ばれる過去の履歴から行動にある程度の予想がされてしまう時代になりました。
又、SNSの発達により今のウクライナ、ロシアの戦争ではお互いの憎悪を高める内容が流れます、これも存在しない敵を生み出したり、人々を分断する事が可能になってしまったとも言えてしまいます。
PSYCHOPATH作中でもヘルメット事件ではAIがネットの発言で人々を扇動していました。

PSYCHOPATHのシビュラシステムによって監視されお互いを信頼した世界と似た世界に関する本で引用されて読むと槙島聖護がシビュラシステムを相互監視社会として憎悪についてこの時点で考えていたと考えると鳥肌が立ちます。
ヘルメット事件にて存在しない敵への憎悪や相互監視の破壊について実現されており内容を知ると更に楽しめます。

新編集版にては「虐殺器官」 伊藤計劃
こっちも映画化していて見やすいです。
近未来で兵士がテロリストとして捕まえようとした人物から虐殺を煽る文法がある。と文学者から言われてしまい…
その文法に関する物語です。
新編集版追加シーンですが、同じノイタミナが映画化しており、作中でも知ってますよニヤリ程度で話されていて。
売りたいだけだろ!!!!ふざけんな!!!
と思います。
この引用関する考察としては虐殺が内戦というソフトウェアの1アクション存在していると言う考え方が作中途中登場します、
これは槙島がヘルメット事件を起こすことで虐殺を鎮圧させるアクションとして扱うので参考にしたとも見て取れます。
ヘルメット犯罪においての槙島達が行った事が虐殺器官にて求められた犠牲者の生命を等しく社会の人間が背負うべきという考えに酷似しているので一概に売りたいだけど言いきれないのが難しいです。

寺山修司『さらば、映画よ』
5話にて槙島聖護からおすすめされています。
短編で読みやすいのでおすすめです。

2人の男性が会話している内容です。
中で引用された「私は、私自身の代理人である」
にも人間は何かしらの「代理人」の業務を請け負っており他人からそう見えるよう演じている、という内容だ細かなイデアに関する内容もあるが
いつその「演技」を辞めるのかい?自分をさらけ出せと槙島聖護に問い掛けられている気持ちになれます。

読むと自分について考えさせられるのでかなり深い短編です、夜更かしするので夜に読むのはやめましょう
次の日の授業は全部寝ました

シェイクスピア 『タイタス・アンドロニカス』

悲劇でかなり猟奇的で残虐な描写があり、槙島からの王陵理香子に対する批判等に使われました。
彼女はあくまで模倣であり槙島聖護の求める自己の輝きを持ちえなかったので愛想をつかされます。

読む事によって王陵理香子を槙島聖護がどの程度期待していたかと、王陵理香子の残虐性(高PSYCHOPATH数値)の説明が非常にわかりやすい描写になります。

シェイクスピアは他言語の作品なので和訳によって変わるので対象年齢を見ないと抑えめのものを読まされてしまいます。
和訳について調べてから読むのをおすすめします。


フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

槙島聖護がシビュラシステムの社会をパロディみたいだと言います。
逃亡アンドロイドを「処理」する話です。
感情移入が出来るか否かでアンドロイドかを判断するというものですが、アンドロイドが自分を人間であると思い込んでいたり、アンドロイドか人間かは心で決まるという内容です。
《ブレードランナー》という映画にもなっています
古い映画の〜とチェグソンが言っているのでこちらも是非
人間を人間といたらしめる何かについてを問われます。
シビュラシステムの言いなりになった人間は本当に人間か?と槙島が問おうとしているのが伝わります。

ウィリアムギブソン
チェグソンが読んでいた方
電脳世界に意識を落とすハッカーに関する話俗に言うサイバーパンクです。
最近のNetflixのサイバーパンクエッジランナーズや攻殻機動隊等をイメージしてください。
これが好きな凄腕のハッカーは出来すぎだ!と言う槙島聖護の発言がかなり冗談であるのが分かるので知っていれば笑えます。


デカルト『情念論』

精神は能動的(自分で動く方)であり、精神は受動的だ、
と身体と心についての話です。
友人を助けようと実弾の銃を打つ常守朱と
犯罪者では無いとシステムに判断された槙島聖護を殺さない事により自分から罪を犯さないよう守る2つの意識を常守朱に求めたのに結果両方を手放さず実弾を外して打ち
槙島聖護が失望し批判している事が伝わります。
《さぁ、殺す気で狙え》としっかりチャンスを与えたのに2つ持ったままの常守朱に
あぁ、君はどちらも手放さないのか、と非情な罰を与えます。


パスカル&オルテガ

16話で槙島聖護vs狡噛慎也であった会話です。
参考になる文章が多過ぎて確実なものはみつけられませんでした。
ここから先は予想を交えています。
【大衆の反逆】であると仮定すると

パスカルの思想に「思考する」事は偉大だ等様々な考えや話があります
今回槙島聖護の一説はパスカルの一節は要約すると
《正義より力の方が勝っている》

狡噛慎也の返すと予想されたオルテガは
《正義と言う立場を利用して強化をはかっているのでは?》

と言った意味でオルテガが引用したパスカルの引用についての部分の問答をお互いイメージしたのではと思います。

他にもたくさんありますが重要な部分に絞りましたかなり多くなるので暇な時に追記していきます。


5.各作品感想等

1.前半は常守朱が公安局に馴染む様子
後半、槙島聖護と狡噛慎也の戦いがメイン
槙島聖護はシビュラシステムから色相を真っ白「0」と判別され疎外感を感じていると数々考察されます。
これは伊1期22話「僕の孤独をわらうのかい?」などからも伝わります。

彼はシステムの手を離れた存在であると認識し自分にない魂の輝きを求めています。
「人間は自らの意志で選択・行動するからこそ、価値があり、魂を輝かせることが出来ると考えている。」といったセリフからも感じ取れます。
1の前半では自分を疎外したシステムに対しての反逆でしたが、
敵対し自分を捕まえられると感じた宿敵狡噛慎也との邂逅によって初めての友情に近い共感とつながりを得ました。

狡噛慎也との対決とシステムが人間であるならばそれを破壊する手段を実現する途中で対決し決着が付き終わるさまが後腐れなく素晴らしい内容だと思います。
彼の考え方や引用した文学は非常に素晴らしいものばかりだと思います。


「なぁ、どうなんだ、狡噛。君はこのあと、僕の代わりを見つけられるのか?」
「もう二度とごめんだね」
最期の会話も素晴らしいです。
システムに見放され、全力で魂を輝かせ満足した槙島聖護
初めて自分の運命の復讐を完了した狡噛慎也の話でした。


2.漆黒(東金朔夜)と集団(鹿矛囲桐斗)
母(免罪体質)を信仰し周りのPSYCHO-PATHを濁したい東金が暗躍する中、集団である為スキャンの対象にならない鹿矛囲桐斗を追い詰める話です。
序盤に鹿矛囲桐斗の実験で「ドミネーターで監視官を執行可能かどうかの実験」としてかなりショッキングなシーンがあります。
この時須郷哲平が公安局に入る理由となった征陸智己と共に仲の良くお世話になった上司青柳璃彩を執行してしまいます。
狡噛慎也や宜野座伸元と同期で、須郷にとっては辛い内容になります。

黒くする東金とクリアに保つ鹿矛囲桐斗の2人が対照になるのですが、クリアホワイト槙島聖護に比べるとちゃっちい敵に見えます。
鹿矛囲桐斗の働きかけにより集団的PSYCHO-PATHをシビュラシステムが認識するようになりました。

具体的に言うと
宗教や団体の信仰など集団的な思考の下の
個人個人の思想をシビュラシステムが判断するようになる。と言うものです。

シビュラシステムがこの同一思想下における個人個人の判断が出来るようになる事はこの後の話で非常に重要になります。

劇場版PSYCHO-PASS
心理学的な何かは殆どなく、実は2と同時期に作成されていました。
狡噛慎也による戦闘シーンや
1で見れなかった宜野座伸元+狡噛慎也の一係最強タックの戦闘が見れるのは素晴らしかったです。
友情出演槙島聖護は笑ってしまいました。
最後にかなり強気な常守朱がこの先を不安にさせます。

sss
1.罪と罰
元の小説は貧しい生活から逃れるために、金貸しの欲深い老婆を殺して金を盗んだ主人公が罪の意識に苛まれ、罰を受けることを決意し罰を受け、周りにも影響があ耐える話です。
中で貧富格差、批判社会論等作者ドストエフスキーの考えが色濃く伝わる作品です。

シビュラシステム統制下における『本来の監視官』としての立ち回りをする霜月美佳が唯一好きになれる作品です。
尊敬するべき父に非常に冷たく当たってしまい、彼の愛を知った宜野座伸元が吹っ切れる話です。

迷いを捨て切れない彼と霜月が今までの罪を理解しお互いが成長する姿が見れます。


2. First Guardian

征陸智己と宜野座伸元の親御関係や征陸智己のかっこいい姿が見れます。
もう涙が止まらない内容です。
須郷哲平の過去編に関する話です。
須郷哲平が潜在犯落ちする背景に関するストーリーですが、途中で拷問を受ける同期の猿飛との友情等も見どころです。
今回の映画で昇進した彼が協力していて目頭が熱くなりました、一体何回泣かせに来るんだ…

征陸智己が母や息子を引き合いに出されてブチギレるシーン、ドミネーターのBGMから始まる狡噛慎也と須郷哲平の戦闘シーンも素晴らしいです。

実は征陸智己の声優有本 欽隆さんが公開日2週間前に亡くなっており遺作になります。
食道癌で既に収録中から体調が悪く非常に声が掠れかすれな部分もあり、息子に伝えたかったであろう刑事の信念や良さを須郷哲平に伝えて終わるシーンの後に流れる、All Alone With You の歌詞が染みます。

最期でもう声が聞けないだけでなく、彼の最期の演技だと思うと途中の感情の入ったシーンが更に色濃くなります。
9話の
「「「あんたのサイコパスが曇ったら、今度はその人達が、伸元と同じ苦しみを背負うことになる。そうならないために、俺たち執行官がいる」」」

「「ただ、伸元が幸せになりますように…」」
貴方と2人でと言う意味のタイトルの歌で

誰かを愛することなど、愛されたことがない人にはできないこと。

愛し合った征陸智己がその息子を愛し、愛された宜野座伸元がその愛を最期に認識する様子が描かれた1期を思い出すだけでもう涙が止まりません。

3.恩讐の彼方に
元の本は復讐に来た人が復讐の相手の贖罪の為に生きてきた様子をみて赦し抱擁し合う内容です。

狡噛慎也が難民で復讐に燃える子供に会い
自分が復讐を終わらせ意志が亡くなっている事に対して葛藤する様子が描かれています。
他劇場版でも出てきた悩みの象徴である幻影槙島聖護が登場し、復讐のために逃げた一係と向き合う事
槙島聖護を殺し目標を失ったが新たな目標を定め
過去と決着を付ける様子が生々しく描かれて居ました。

最期のイントロ長めのリミックスバージョン名前無い怪物は彼の4年振りの帰還であるので鳥肌ものです。

征陸智己から貰った狡噛慎也の相棒であるスターム・ルガー刑事物としてかっこいい…新しい映画での帰還シーン等も見どころです。


3./FIRST inspector

新しい主人公二人組になり、op.edが一新されました。
予告編から幽閉された常守朱と、死亡した人間が居るという情報、宜野座さんや須郷哲平、狡噛は確認出来ましたが六合塚弥生が最初確認出来ず途中迄不安でした。
敵は、シビュラシステムになりたい梓澤とシビュラシステムから離れた政治的ゲームを楽しむ明らかな上流階級が登場します。

シビュラシステムによって経営が簡単になったからか
適性と資産運用が過去の財閥時代と変わらない頃迄逆行して家族経営が普通の時代の証明や、過去に出た女子学校からも血統がかなり大事にされている描写もあります。(常守朱モテモテやん)

進むにつれて過去が明かされる訳でもなく何も解決しないままキャラクターが掘り下げられて進んで行きます。
映画「FIRST inspector」では、今まで現場に出なかった唐之杜分析官の見せ場が非常に良かったです。

彼女自身も狡噛に手を貸したりと後悔していた胸の内をうち明けいつも以上に有能さを見せ付けるのが良かったです。

宜野座さん貫手好きだね…

毎度お馴染み何かしら理由を付けてドミネーターが使えなくなる様が相手側視点でも描かれており、潜在犯の気持ちについて言及のある内容でした。

最後迄何も分からないので次があるのだけ期待させられました。

今回からOP EDを担当している

Who-ya Extended
PSYCHO-PATH3からメジャーデビューしました。
次に発表されたアニメ『呪術廻戦』の第2クールオープニングテーマに『VIVID VICE』も話題になり海外で非常に高い人気を博して居ます。

FIRST TAKEにも出ていますがイケメン過ぎてビビります…イニシャルDに出てくる高橋涼介みたいなハンサムを体現していて、歌も上手くて感動しました。

リアルで聞きたくてみりんちょさんを誘拐してリスアニに行ったのはいい思い出です。

これかの有名な真剣漢みりんちょさんです。



世界観に合わせた歌い方や、作譜が素晴らしく聞いているだけで努力が伝わるタイプの方です。
本当に上手い。

Cö shu Nie
ロックバンドでボーカルの中村未来さんを中心に活動されています、東京喰種や約束のネバーランド等でも採用されており、聞いた事がある人も多いかと思います。
ロックバンドとして創る世界観や曲のバリエーションが素晴らしいです。
こちらも呪術廻戦2クールでEDを担当しております。

ソロで歌っているホラー映画の「シライサン」の主題歌のFIRST TAKEが鳥肌ものなのでおすすめします。


疾走感ある内容にベースの主張が強いのに、負けない歌がワクワクを思い出させます。
「お前の欲しいものはなんだ?」のサビからのドラムが複雑過ぎて弾けてしまいました。

繋がりについての歌詞やサビの2段階ある構造が非常に盛り上がりや不思議な運びが素敵な楽曲です。

bullet聞きた過ぎてソロのLIVEに行きましたがドリンクチケットをレッドブルウォッカにしたら、同伴者も同じものにしてあげるよと渡され2杯飲むことになり
bulletのイントロで頭に花火が飛びちって2階席から落ちそうになりました。
危険なので本当に辞めた方がいいです。


6.今回の映画をみて。

ネタバレを含みます。
素晴らしい作品なので必ず見てからにしてください。







狡噛慎也帰還シーンで宜野座が常守朱の為に狡噛に掴みかかるシーン解釈一致過ぎて素晴らしい👏

途中で宜野座伸元が執行官として父親と同じく常守朱の為に尽くすと決めてるのもいいし、狡噛もそのつもりだと言い切ってやっと和解するのがいいですね。

このシーン確かに長過ぎてゴムボートで北海道行く気か?ってなりました

次に雑賀譲二が常守朱に協力をしているんだ、と言ったり狡噛と常守の喧嘩を察する部分が熟年カップルを世話しているのがとてもエモかった
2週目からは最期になるのが生々しくて本当に悲しかったです。

狡噛が雑賀先生に対して別れの挨拶がアニメではカットされていましたが、小説版では

(狡噛)「雑賀先生に一つだけお願いがあります」
(雑賀)「なんだい」
(狡噛)「命を大事にしてください」
(雑賀)「…………」
雑賀の顔から微笑が消えた。狡噛は続けて言う。
(狡噛)「公安局から取引があったら、のってください。『執行官をやるくらいなら処分されることを選ぶ』……そういう決断は潔くても無責任だ」

とあります。
狡噛の協力してるのは驚きだという台詞にも重みが産まれます。
否定しつつ生き方は変えていない強い意志が感じられる内容で見た時もうたまらなかったです。

最期の朱に向けた言葉が「正義も真実も多面的だ。上から見なければ理解できないこともある」
朱のあり方に対する強さに対して視点を変えることも重要だと最期の教えを解いています。

プロファイリング中の会話でヨハネに例えられていましたが、処刑をされかけたが何度も逃れて最終的に幽閉先で黙示録を執筆するので彼は大丈夫と思ってしまったので感情が爆発しました。

テモテへの手紙
新約聖書に収められている「パウロ書簡」にあるパウロからテモテへの手紙です。
正しい信仰を保つことへの励ましを偽の教師への警告などを書いています。
作中にも少し解説がありましたが、パウロは厳格な教育を受けユダヤ教徒としてキリスト教を迫害していましたが天からの光を浴びイエスの声を聴きます。

その後目が見えなくなり仲間の助けでたどり着いた目的地でキリスト教信徒の祈りにより目からうろこのようなものが落ち目が治るという出来事で回心し伝道師になります。

彼は民族の垣根を超えた布教活動を熱心に行い「異邦人の使徒」とも呼ばれます。
最後にはローマ皇帝のネロ、有名な暴君ネロにローマ大火の罪で処刑され殉職したと思われています。

パウロの思想は「人間は不完全であり無力である為神の恩寵によってのみ救われる」といったものです。

イエスの死がその恩寵であるとパウロは考えている側面もあり

政治的な思想はこの世の権威は神が決めていて、それに背くことは神に背くことであるといったものです。

今回の敵は神=Aiであるとした場合この二つの思想がそのまま引用されていて分かりやすいです。
又、イエスの死「医療AIの削除」も考えていた事にも納得がいきます。
実際雑賀先生によるプロファイリングとして聞いてみたかったです。


次に憑依に関する唐野森分析官と狡噛の会話です。
『二分心』ジェリアン・ジェインズ
【神々の沈黙―意識の誕生と文明の興亡】

人の意識は言語が深くかかわっており言語のない段階で意識はなかったと考え。
なかった時期は神の声(内なる意識)と現代の意識している心の二つに分けられ危機管理の解決などに使われていたが現代では衰退していったと分析しています。

「遠い昔、人間の心は、命令を下す「神」と呼ばれる部分と、それに従う「人間」と呼ばれる部分に二分されていた[…]どちらの部分も意識されなかった」(『神々の沈黙』p.109)

この部分が、作中使われた理論になります。
意思決定に関する部分「神の意思決定」部分を委託させ宗教的興奮「行動を決定する意識」を別にすることで自ら関わらない限り上がらない犯罪係数の偽装に使い自分の意識「人間の部分」がなくなっても動く兵士を生み出したと思われます。

最初にドレットヘアのピースブレイカーの場合狡噛のヘッドショットがあまく脳〇したが意識を委託されているため動けた。
狡噛はこの反省を生かし最後のヘッドショットはよく構え真ん中を狙ってとも思えます。

しかし2つの意識か…と「情念論」などを思い出し槙島を狡噛がイメージして苦い顔をしてカットが入ったと想うとええなぁ…となりました…







次に今回の作品の題材である「法律の廃止」
システムが人間の決定権に対し正しいかどうかを判断し、犯罪などを抑制し内戦も終わらせたという事実から海外にシステムを輸出し世界がシビュラシステム管理下になることで守るべき法律はシステムの数値と同意義となり二重に縛ることに繋がります。

面倒な手続きを無くして上位者が自由になろうといったものです。
ラウンドロビンにこれが題材にされていた可能性もかなりあり、3やシーアンの劇中でも仄めかされていました。

しかし、常守朱はシステムのエラーになる「免罪体質」や「システムの正体」、「システムの外にいる存在」を知っています、この全てを知らない人間に隠しながらも説得する方法を何度も模索しています。
雑賀先生の手帳を読んでいる段階でこの辺りの構想があったことも手帳の中身からある程度は予想できます。

彼女は彼女の信念である法律を守る為に彼女自信が犯罪を起こしシステムが絶対でない証明を行いました。
これは
1で槙島が起こそうとして常守朱が阻止した内容であり
シーアンで常守朱がシステムに対してシステムはまだ必要であると隠し自分で隠蔽した内容であり。

彼女が今まで守り続けてきたものを守る為

彼女自身の信念であった法を犯させない内容の対義です

最後にはその葛藤からか泣き出してしまった様にも見えますが、雑賀先生の使っていた部屋で全てが片付いた為に彼を想い今までの感情を爆発させた涙だと想うともう当事者のイントロから涙が止まりませんでした。

一緒に見てくれた方々本当にすいませんでした。


7.今回の映画の考察(予想)


今回分かった事にインスペクターである慎導篤志が海外隠蔽工作として作成した部隊ピースブレイカーであるという事。
仕えていたコングレスマンは法斑である事がわかりました。

これによって常守朱と法斑静火のつながりとして慎導篤志のポスト「インスペクター」を引き継いだ可能性が高いです。

作中で局長から公安を超えて動いていると仄めかされていた事や3で連絡を取り合いシビュラが処分を保留にさせていたのがラウンドロビンに対しての対抗策として動かせていた事と解釈すると納得がいきます。


4はやめで

お願いします、、、、、、


また免罪体質と常守朱が別ケースとずっとされてきていましたが。
槙島の「神の意識を手に入れても死ぬのが怖いか」が今回免罪体質でシステムに取り込まれたものの判断をつかさどる意識を例えていた事が予想され槙島のやばさが再度際立ちました。

俯瞰した思考回路を常時展開している為心理状態に変わりがない免罪体質。

自らの人間としての意識を確立させ行動に正しさと正義を追い求め続ける朱が人間らしい人間であるとシステムは認めて居ます。

今回のことでいつかシステムを終わらせにくるものがくるまで結果だけを求め彼女が行動する事を決断する彼女の成長に関する物語が締めくくられた事が悲しくも一番いい結末であると思いました。

常守朱は、槙島に迫られたシステムの庇護から外れるか否かの選択を最後に行い、狡噛達と同じ土俵に立つ事で「当事者」に成ったと考えると歌詞が更に染みてきます。
槙島の求めていた存在に常守朱がなるのは結果的とはいえ1の締めくくりとしてとても考え深いと思います。

犯罪者となってしまいシビュラシステムによる処分を待っていた朱を一人で狡噛が迎えに来て対等に過ごす3のエンドロールがまた違ったものになります。

3映画のラストでシステムが好評される日が近い事も明かされており、収監された彼女がシステムとの対話と下準備をしていた事も分かりました。

他にも作中に出てきた引用ですが、開国を目標として国の動乱を描いており、日本がもし正しく開国をしたら?パワーバランスが逆であれば不平等は生まれなかったのでは?とシステムによる優位性等を考えさせられる歴史的な考察や行政に関する予想も作れ無限に考えさせられます。

又、作中で集団の思想を理解し、今回の映画で紛争に関する予想が可能になりました。

紛争とは対立する者同士が争う状態を広く意味する言葉であるので小規模な衝突が起こるサインを事前に予想できるようになりました。

これは「1984」の世界ならないように見えない敵への不安を減らし、法律とシステムにより不安を取り除き自己判断を取り戻す流れが完成したとも言えます。

「文明開化」をイメージした物であるとも予想出来ると思います。
何故文明開化かと言うとそもそも福沢諭吉が英語のシヴィライゼーション(civilization)の和訳として利用された言葉だから監督が考えてそうだなと思いました。


ついでに
最近話題の彗星の魔女一期EDの「君よ、気高くあれ」シユイさんですが
EGOISTやsupercellを担当されているryoさんが楽曲作成を担当していて居ます。


是非聞いてみてください。


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長い中読んで頂きありがとうございました。















さいこう!

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