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脱出映画「猿の惑星: 聖戦記」ネタバレ考察 AΩ解説

「こっから俺の領土」

小学生の時、弟と同じベットで寝てた。
邪魔だったので手で線を引いて「こっから入ったら殺す」とかほざいてた。
弟排斥運動。その見えない壁は二分後に忘れられた。

出エジプト記

聖書ネタが多い猿の惑星シリーズ。
今回は出エジプト記ネタ。
出エジプト記は簡単に言えば、紀元前のエジプトで増えてきたイスラエル民を当時のファラオが奴隷にし、生まれた子を殺させていたのでモーセが民をつれて脱出する話。
猿の惑星:創世記の二ムプロジェクトと同じで、この話がそのまま 聖戦記のあらすじになってる。
シーザーは長男を殺され、奴隷となったエイプをつれ脱出する。
ファラオは神と対決するが、シーザーは大佐と対決する。

グレートウォール

冒頭の人間が森に侵攻するシーンで、ヘルメットにはエイプ排斥と人類保護の文言が書かれている。
この映画は2017年公開だけど、その2年前にドナルド・トランプが大統領選の出馬表明で「メキシコとの国境に壁を建設する。費用はあいつら負担」とカマシをいれた。
その後も「現代の万里の長城や」とかグルメリポーターの彦摩呂みたいなことも言ってた。要は外国人排斥運動。
この映画でもエイプに壁を作らせてるけど全く役に立ってないのは現実と一緒だ。シーザーも「壁なんて馬鹿げてる」と言い、北の軍が攻撃してきたころには皆忘れてる。大佐は何がしたかったのか?

我等は始まり、そして終わり

大佐の部下が到着しそう叫ぶ。大佐は高いところからそれを見て十字を切る。兵隊のヘルメットには「AΩ」と書かれている。施設に飾られた国旗にも「AΩ」が書かれてる。このマークは神を意味する。アルファは始まり、オメガは終わり。
出エジプト記を元ネタしてるからファラオが大佐でモーセがシーザーだと思うけど、大佐もモーセのつもりなんだろう。
大佐にとってのファラオは北の軍でシーザーにとってのファラオが大佐だ。
大佐はアメリカを神と見立て施設を約束の地にしたい。
等式を使うとこうなる。
大佐の視点:北の軍=ファラオ、アメリカ=神、大佐=モーセ、
シーザーの視点:大佐=ファラオ、神=神、シーザー=モーセ、

ファラオは神に逆らった罪で国の男の子がみんな死んだり、疫病に襲われ最後は津波でやられる。大佐もサルインフルに息子がかかり、自分もかかる。
大佐の部隊は北の軍にやられ、北の軍も雪崩にやられる。
人類は罰せられエイプは約束の地にたどり着く。
疑問なのはノヴァの存在とシーザーの死だ。

君の名は

ノヴァは創世記のシーザーと同じ疑問を持つ。
「自分は何者なのか?」
オラウータンのモーリスに「私はエイプ?」と尋ねる。
モーリスは「君はノヴァだ」と答えた。
エイプではない。でも人と同じでもない。
要は一個人として考えてあげること。
シーザーと大佐のやり取りも個人と種族の話をしてる。
大佐はエイプ対人間の戦争と考えている。
シーザーは大佐との個人的な戦いと考えてる。
ここでも「猿の惑星:新世紀」と同じ恐怖と復讐が関係してる。
大佐は人類の滅亡に恐怖し、シーザーは息子の復讐を望む。
シーザーは入れ込むあまりノヴァの父を殺し、白ゴリラのウィンターも殺してしまう。
「汝の隣人を愛せよ」も「エイプはエイプを殺さない」も破ってしまった。
無垢で勇敢な人のノヴァは約束の地で生き、シーザーは約束の地ので息を引き取る。
人への愛と怒りに揺り動かされたシーザーの顔には笑みと涙が浮かんでいた。

備忘録

AΩは旧シリーズの核弾頭にも書いてある。地底人はそれを神と崇めてる。

助けてもらった狙撃手の存在がよくわからない。

モーセも神との約束を破った罪で約束の地では暮らせず眺めながら死んでいく。

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