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不惑の韓流女優シリーズ①「イム・スジョン~透明感が光る清純派~」

韓国ドラマのロマンチックコメディーやメロドラマは、韓流コンテンツとしてアジア中に旋風を巻き起こしています。当然、ヒロインを演じる女優さんにも関心が高いのはわかるのですが、名前をネットで検索すると、きまって作品の評価や演技力ではなくて、「整形」か「熱愛」の文字が出てくるのには、正直、辟易してしまいます。これでは、日本の韓流ファンは、低レベルと思われてしまうのではないか、きちんとした紹介記事を書きたいとこのシリーズを始めました。

韓国ドラマの凄いところは、40歳を迎えてもなお、メロドラマのヒロインとして、活躍している女優さんが何人もいるということです。この点においては、韓国は、日本や中国の追随を許しません。一歩も二歩も先を行っています。

そんな、40歳、不惑の年を迎えて、なおかつ輝き続ける韓国女優の魅力をご紹介したいと思います。

 第1回目は、イム・スジョン。1979年生まれの41歳。

 韓流ファン歴が長い人なら、誰もが知ってるスター女優さんです。
イム・スジョンの相手役であった韓流スターを思い浮かべれば、その豪華なラインアップはもはや伝説になっています。

 「ごめん、愛してる」(2004)でソ・ジソブ
 「サイボーグでも大丈夫」(2006)でピ(Rain)
 「チョン・ウチ 時空道士」(2009)でカン・ドンウォン
 「あなたの初恋さがします」(2010)でコン・ユ
 「愛してる、愛してない」(2011)でヒョンビン


イム・スジョンは、韓国四大公共財と呼ばれる俳優すべてと、日本で武道館公演もやった元祖KPOPスターと相手役で共演しているわけです。
このほかにも、ファン・ジョンミンや、チョン・ウソンキム・レオンなんかと共演している映画もあります。
2012年イ・ソンギュンと共演した「僕の妻のすべて」で、青龍映画賞の主演女優賞も受賞しました。

いや、もうここまでくると、イム・スジョンと共演しなければ韓流スターとはいえない?としか思えません。

ただ、映画の興行成績は、ヒットしたり、しなかったり、日本ではヒットとまでは振るいませんでしたが。韓国映画のプロデューサーや監督には、根強いファン層があると思われます。

主に、活動の場は、韓国映画の方が中心でしたが、2017年からは、テレビドラマに出るようになって、今度は、売り出し中の次世代韓流スター(7歳から13歳年下)と共演しています。

「シカゴ・タイプライター」では、ュ・アインコ・ギョンピョと三角関係を繰り広げて、「恋愛ワードを入力してください」ではチャン・ギヨンと共演しています。13歳年下のチャン・ギヨンは、イム・スジョンを憧れのスターといっていたので、ファンは二人が熱愛に発展したらどうしようとやきもきしてしまったそうです。
最近、韓国ドラマにハマったという人に、「イム・スジョンどう?」と感想を聞くと、口をそろえて演技が上手いというので、彼女のキャリアを説明すると、みんな一応にびっくりして、「うそー、見えない、そんなベテランなの!!」となります。でも、彼女の印象はそれだけ新鮮なのでしょう。

イム・スジョンの魅力はなんといってもその透明感にあります。
そして、誰もが好感を抱く、いわゆる好き嫌いのない美人顔です。
そういうと、好き嫌いのない美人顔って何?と思われるかもしれませんが、雛人形選びに、久月にでも吉徳にでも行ってみれば、わりとメジャーな表現だと思われるでしょう。雛人形は、みな似たような美人顔のようにみえますが、見る人によって、好き嫌いがでるのは当たり前のことらしいです。
まして、女優は、生身の人間ですから、いわゆる美人女優といっても、好き嫌いはわかれると思います。

イム・スジョンの場合は、けして個性的ではないのですが、それが、かえって韓国ドラマの王道のヒロイン役によく似合うのです。

弱弱しいわけではないけれど、あまり強さを感じさせないところ、それが受けの演技が上手いといわれる所以なのでしょうが、ちょっと間をおいてのセリフがとても自然な雰囲気のある演技なのです。

「椿の花の咲く頃」で、ヨンシクが好きな女優を尋ねられて、イム・スジョンだと言うと、ドンべクに「ああ、イム・スジョンねえ。イム・スジョンのことはみんなスキよねェ」と男なんてそんなものよね、みたいな目でみられる場面がありました。
そのシーン、ドンベク役のコン・ヒョジンの言い方がおかしくて、笑っちゃいましたが、韓国映画の関係者、制作陣にもいっぱいいるイム・スジョンの信者にまるで当てつけるように言ってましたから。

そんな彼女の最新ドラマ「恋愛ワードを入力してください」は、バリキャリの38歳と役どころながら、年下男性のみならず、女性にも、恋の胸キュンを思い出させる、相変わらずのみずみずしい魅力を見せてくれました。

また、さらに映画では、若いころは、王道の清純派のヒロイン役でしたが、最近は、確かな演技力で大人の女を演じています。これは、マカオを舞台にした、イム・スジョン主演の映画『隠密な計画』です。

 原作は、カトリーヌ・アルレーの「わらの女」。著者は心理的サスペンスに重点を置いた作風を特徴とする。犯罪に手を染めていく、または陰謀によって追い詰められていく登場人物の恐怖心理をサディスティックなまでに克明に描き、結末では破滅へと導かれるダークな後味の作風が多い。

マカオが舞台といっても、主な舞台は、マカオから出発する豪華ヨットの中ですが。
ヨットといえば、アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」を思い出してしまいますが、やはり、マカオから釜山までの航路では、いくら豪華にしても成金趣味の範囲内なので、貧乏な若者が「お金持ち」に憧れるキリキリする切なさ…を表現するのはちょっとキビシイかなと思います。
その結果また、韓国映画の骨肉のドロドロに陥ってしまいましたが、それはそれで楽しめる映画になっています。 

イム・スジョンは、透明感あふれる女優ですが、なぜか、「血」と相性がいい。ホラーやスリラー、サスペンスなんかにもよく出ています。
彼女の繊細な演技で、いわゆる「美女を怖がらせる」シーンがより引き立つからだと思います。
原作者のカトリーヌ・アルレーは、「悪女書きのアルレー」といわれて、いわゆる悪女ものは得意の分野だったようです。
イム・スジョンの透明感は、悪女というにはきれいすぎるのですが、追い詰められていく恐怖心理を演じるのは本当に上手いと思いました。

イム・スジョンは、見れば見るほど、ハマってしまう魅力にあふれた女優だと思います。これからも注目していきたいです。


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