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クリスマスに米軍住宅を訪問したお話し

朝ドラ「カム  カム  エヴリバディ」を見ていたら、米軍住宅でのクリスマスパーティのシーンが出てきた。当時の日本人の暮らしと比べてアメリカの豊かさを象徴するようなシーンだ。

そしたら、急に、昔読んだエッセイを思い出した。
まだ、練馬区の光が丘に米軍住宅があった頃、クリスマスのシーズンになると、地元の小学生を招待する催しがあったというお話だ。

普段は、立ち入れない米軍住宅の中は、もうまさにアメリカの生活そのもので、プレゼントもケーキも楽しみだったが、なにより豊かな国アメリカへの憧れを、後から学校で語り合ったのを鮮明に覚えているという内容だった。

「家には大きな冷蔵庫があって、2つもドアがついているのよ」
「その中のひとつには、アイスクリームが入っているの」
「アイスクリームが溶けないのよ。それがいつでも食べられるの」
そうクラスの友達に話すと、みんな「へー」と目を丸くして聞いていた。 

というような内容だった。うろ覚えだが・・・。

そのエッセイを書いたのが如月小春という脚本家だった。
野田秀樹と同年代の彼女の作品は、どれもとてもみずみずしい戯曲だった。
若くして、劇団も旗揚げしたが、残念なことに、44歳で夭折されてしまった。

1956年生まれの如月小春さんが、小学生だった頃。2ドアの冷蔵庫が日本にはまだ普及していなかった頃、アメリカはまだまだ日本人にとっては憧れの国だった。

そして、1990年代、アジア女性演劇会議実行委員長として活躍していた、如月小春という作家も、わたしにとっては憧れの人だった。
彼女だったら、今の世を、どのように切り取り、創作しているだろうか。

思い出は時を超えて、急に蘇るものなのだなと思った。

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