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DX CX SX

八子さんの新作が出たので、気になって読んでみました!DXだけでなく、企業が変革する CX、社会が変革するSXについても書かれていて、とても参考になります。

デジタル技術を活用して私たちの生活をスムーズ/スマートにしてくれるテクノロジーばかり。それらが生活やビジネスに浸透することで、社会全体に大きな変化が訪れ、私たち生活者のライフスタイルも新しいモデルに変化していく、このことをデジタル・トランスフォーメーション(DX)という

Society 5.0」は、狩猟社会(Society 1.0)農耕社会(Society 2.0)工業社会(Society 3.0)情報社会(Society 4.0)に続く、データ主導型の「超スマート社会」を指す

DXの本質は、企業やビジネスを様々な外圧や変化に耐えられるように柔軟に変化できる案に「トランスフォーム」(変革・変容)することであり、「デジタル」は、その手段に過ぎない。デジタル技術を活用してビジネスモデルや商材、業務プロセス、企業カルチャー、企業のあり方そのものを変えることがDX

ダイナミックケイパビリティ
社会の変化や市場の変化に対して、経営資源を素早く統合・構築・再構築する企業の能力。ダイナミックケイパビリティを備える企業しか生き残ることができない。DXはその回答の1つ

デジタルツイン
ビジネスの現場など、現実空間の様々な事象、状態、環境をデータで捉え、デジタル空間上に、同一条件の環境を構築する。双子のような形でデジタル空間に現実空間と同様の環境を構築する

デジタル時代における組織で大切なのは、「スピード化」であり「柔軟性
できるだけ、小さくフラットな組織が求められる。迫り来る様々な変化に対して「スピーディで柔軟な意思決定」が常に実行できる

今後20年のトレンドを読む観点
1.現実世界の仮想化
世界はどんどん仮想化(ソフトウェア化)する。物理的なものからデータで扱えるものへとどんどんシフトする
2.仮想世界のリアル化
扱うメディアの次元と複合度はあがる
よりリアルタイムに、より高精細に、より現実的に
3.業界の境目がなくなる
異業種からの参入が前提になる
IT業界・テックベンチャーからの参入が加速する
4.リモート化(コロナインパクト)
AI・IoT化により遠隔監視・制御
自動化・ロボット化により無人化
5.SDGs/ESG:環境配慮
エネルギー、モノを大量に出力・使用することからの回避
脱炭素・脱化石エネルギー・脱プラスチック・脱化学素材

DXの真の意味が「ビジネスのIT化・デジタル化」ではなく「ビジネス・企業・業界のあり方、あるいは、社会全体が変容・変革すること」にある。長期にわたる視点を持つことが必要

「デジタル投資を単純なコストとして捉えるべきではない」デジタル投資は、付加価値の高いビジネスを生み出し、業界の垣根を越えて新しい領域に進出するための投資

FAXや紙をデジタルな手段に置き換える取り組みはDX 1.0、単純なIT化(デジタイゼーション)
既存事業のバリューチェーン全体をデジタル化DX 1.5デジタル領域で新規事業化DX 2.0

DXを推進するのであれば「デジタル」「フィジカル」「ヒューマン」という3つの要素を同時並行で変えていかなければ、本質的かつ全体最適化された変革を進めることはできない

DX 7つの質問
1.DXで何を目指せば良いのでしょうか?
デジタルツインを構築して、シミュレーションできる経営モデルを目指しましょう
2.DXに取り組んで、どうやって稼げばいいのでしょうか?
自社に対して投資したIoTやAIのソリューションの外販や共通プラットフォームの利用料で稼ぐのが1つの手段です。ただし、競合他社に先駆けて実施する必要があります。
3.誰が現場を設営して、DXをリードしてくれるのでしょうか?
一時的には私たちとパートナーがリードを狙いますが、並行して社内DX人材を育成しましょう。現場のベテランをDX化指導員に充てるのも1つの手段です。
4.どんなソリューションを使えばよいのでしょうか?
目利きできるパートナー企業に、デジタルなソリューションのみならずフィジカルなソリューションも含めて選定を支援してもらうとよいでしょう。この時、そのパートナーが私たちINDAUSTRIAL-Xであるかどつかは不問にして、目的に適うかどうかというフラットな目線で外部ソリューションを選定していただきます。
5.予算がないのですが、お金はどう払えばよいのでしょうか?
設備投資をする際のリースと同じように、分割やサブスクリプションの仕組みを活用すればよいのです。
6.情報とノウハウがないのですが、どうすれば良いのでしょうか?
DXを数多く手がけている企業と数多くつながり、常に情報収集と情報発信を行なってください。情報は収集するだけでなく発信することで、より多くの情報が入ってくるようになります。
7.データを収集する上で、セキュリティの心配はないのでしょうか?
セキュリティ対策を実施した上で、必要な情報のみ吸い上げる形をとりましょう。

真のDXとは「徹底したデジタイゼーションの遂行によって、従来の垣根や課題を飛び越えた全く異なる業界への進出や、形態の異なる企業に変容すること。また、それによって予測不可能な時代を生き抜くことができるようになること

迷った時には、「顧客目線で何を一番重視すべきなのか?」ということを考えてみるとスムーズな判断が下せるはず

境目の課題発見フレームワーク6つのステップ
1.課題解決対象の時系列、仕事の流れ、場所の移動などを横軸にマッピングする
2.登場人物や行う作業内容、システムやデータ、物理的ななモノを縦軸にリストアップする
3.境目に着目し、そこで発生している課題を発見する(それぞれの枠の中ではなく、必ず境目に)
4.境目がつながったら顧客に提供できる価値や課題解決効果を再設計する
5.どのようにつなげて状態を可視化するか、対象とするデータの定義とIoT手段を設計する
ex:センサー、通信、機器、アプリなど
6.IoT手段をできるだけ共通基盤化し、その上でデータ蓄積・分析できる環境を構築する

目的に応じて必要なデータと環境が揃えば、既存のビジネスを飛躍的に発展させることが可能だということ。業界の境目を飛び越えたビジネスを展開できるということ、だからこそ、データの持つ価値が飛躍的に高まっていくということが予測できる

データの価値は「それを欲する人がそこにどれだけの有用度、重要度を見いだし、どの程度の価値を認めるかによって変化する世界」市場原理に委ねた株式と同じ仕組み

IoPは「Internet of Plants」(作物のインターネット)を意味する言葉。作物の生理・生体情報をリアルタイムで見える化することで、生産効率を高め、安定的に作物を提供することを目指す

eパレット
呼べば来てくれるというオンデマンド型データ駆動型のビジネスとして運用される。データ駆動型とは、「どのルートのどの地点で売上が多かった、前日との気温差が◯度以上あった日は、◯◯地点で、◯◯がたくさん売れた、だから明日の行動ルートや販売する商品は◯◯として準備を進める」となり、感と経験と度胸で行っていた昭和の移動販売ビジネスとは大きく異なる

Cloudsign(クラウドサイン)はコロナ期間中の2020年夏から2021年夏までに導入企業数が10万社に倍増、累計契約送信件数も500万件を突破している

単に情報を発信しないままでいると、情報を咀嚼して活用する上での練度も甘くなる。「練度が甘い」というのは「たくさんの情報を集めても、その中から良質で有益な情報を見分ける能力を欠いてしまうということ」を意味する。情報を発信している人と、そうでない人の間で大きく差が発生する

企業がDXを推進する上で大きな課題となっているのが人材の問題です。IPA社会基盤センターによると日本ではIT人材の72%がITベンダー企業、28%がユーザー企業に属している。米国は35%がITベンダー企業、65%がユーザー企業に属している

デジタルの最大の特徴は、あらゆる情報が量子化された状態でネットワークの中を流れ、相互につながり、情報の共有や再利用が可能になる点。そこに、境界という概念はない。

Resource as a Service
企業がDXに取り組む際に必要な戦略、ビジネスモデル、人、モノ、金、情報、セキュリティのすべてを「リソース(経営資源)」として捉え、リソースをサービスとして包括的に提供することを表したキーワード

DX化を行う上で必要なヒントや基礎的な概念が全て詰まった1冊で、今後DXを推進していく時には必須の書籍です。具体的なDX事例も多く掲載されていて分かりやすくなっているので、初心者の方も、DX化を推進する人も、経営者の人も、これからビジネスを進めるすべての人におすすめの1冊です。




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