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ついやってしまう体験のつくりかた

勉強会に参加したらおすすめされたので、気になって読んでみました!

誰にでも、あなたにも、人の心を動かす体験はつくりだせる。心を動かす体験を作る方法を体験デザインと呼び、ビジネスにも暮らしにも応用できる。

体験は、体は関係ない。心さえ動けば、それは体験。

1.「つい」やりたくさせてしまう
2.「つい」熱中させてしまう
3.「つい」誰かに言いたくさせてしまう

この「つい」が体験デザインの持つ力

スーパーマリオのデザイナーは、「マリオは右を向いている」ことをプレイヤーに意識させたかったので、主人公にをつけた。

スーパーマリオの大切なルールは、「右に行く
プレイヤーがルールを強く感じるようにデザインされている。

体験デザインは、人の気持ちを考えること。
プレイヤーにどんな経験をさせるか、どう心を動かすかを考える。

自転車の乗り方は、本当に正しい乗り方なのか?
自信が自身の力で自転車の乗り方を会得した。自分でできるようになったことは、自信が持てるし疑わない。体験がともなわず教わっただけの知識は、なかなか自信が持てない。

直感のデザイン
仮説 「◯◯するのかな?」と相手に仮説を立てさせる
試行 「◯◯してみよう」と思わせ、実際に行動で確かめさせる
歓喜 「◯◯という自分の予想が当たった!」とよろこばせる
直感デザインの成果は、プレイヤーが自分の力で直感的に理解するという体験そのもの

私たちの脳にある性質がある。私たちの脳は、常に「◯◯するのかな?」という次の行動について仮説をつくりたがっている。

アフォーダンス 環境が動物に与える意味
あなたが何を見たときに思い浮かぶ「◯◯するのかな?」という気持ちのこと

シグニファイ
アフォーダンスを伝えるために特化した情報
スーパーマリオだと、マリオの形状や位置・山や草。画面すべてがシグニファイ

仮説という体験成功率を上げるには、体験そのものをシンプルで簡単なものにすることが絶対的な条件。

学習心理学における「初頭効果」時間をかけて学んでいくとき、体験のはじめ頃に集中力や学習効率が高まる。

人はなぜ、ゲームを遊ぶのか?
ゲーム自体がおもしろいからではなく、プレイヤー自身が直感する体験そのものがおもしろいから、遊ぶ。

疲れと飽きによって弱っていく脳の学習機能を活性化するために、脳の予想を外す体験をあえて織り交ぜる。長期間の体験をデザインする際の重要テクニック。

プライベートのモチーフ
ユーザー自身の秘密、お金、過去、性格/センス
その体験は、性格が出るのか?という問いながらデザインする。

CMなど、体験が短時間に制限されるコンテンツの場合、驚きのデザインが冒頭に現れ、その後も高い密度で登場する。映画など、時間的に長い体験をもたらすコンテンツの場合は、冒頭は直感のデザインから始まり、直感のデザインが続く中、機を見て驚きのデザインが入る構造になっている。

ゲームは生活必需品ではない。だから、驚きが必要。生活必需品は、生きるために必要不可欠であるからこそ、飽きられることがない。なぜ、ゲームを遊び続けられるのか?連続する直感のデザインに驚きのデザインを織り交ぜているから。

物語ナラティブと呼ばれている。「何があったか」が物語内容。「どう伝えるか」が物語言説「何があったか」+「どう伝えるか」が物語。

五感と思考を駆使して物語を語るのは、脳にとって充実した体験。そんな体験を「翻弄」と呼ぶ。

穴をプレイヤーに意識させ、そこから収集、反復へとプレイヤーを導く。プレイヤーを成長させる。

プレイヤーの反復が促させるのは、間を空けない。ツァイガルニク効果 解決済みの問題に対してはあっさりと緊張感を解いてしまう一方で、まだ解決しきれていない問題は緊張感を持つ。問題が未解決のままなら、緊張感を維持してもらえる。

ゲームはいい塩梅でプレイヤーを褒めたりけなしたりしているだけ。行動の良し悪しを評価として返すのをフィードバックと呼ぶ。

共感は、1.主人公に対して興味を持っている。2.主人公も自分と同じ思いを持っているに違いない。3.憎しみ以外の感情で共感すること。

ミラーニューロン
目の前の人の感情を自分のことのように感じる心の動きを司っている神経細胞群

物語の終わりにプレイヤーをスタート地点に戻すデザイン。体験の通り抜ける前後の自分を比べさせている。

直感のデザイン 仮説→試行→歓喜
驚きのデザイン 誤解→試行→驚愕
物語のデザイン 翻弄→成長→意志

「体験→感情→記憶」という流れが、常に私たちの人生を突き動かしている。あなたが今記憶していることは、あなたの感情を強く揺り動かした体験だったはず。

1.分かりにくいことが問題なら、直感のデザインを応用
2.疲れや飽きが問題なら、驚きのデザインを応用
3.やりがいがないことが問題なら、物語のデザインを応用

チームの自己認識を「自分たちっぽいこと」として語る。このチームらしさをチームで共有する。チームらしさに基準を設けることで、「うちらっぽい」「わかる!」と共感できる発言を増すことができる。

「つい」やってしまうために、仕組みを詳しく説明して分かりやすく理解できます。スーパーマリオやドラクエなど、具体的な事例をもとにユーザーがどの様に感じて、心が動くのかが分かりやすく理解できる1冊でおすすめです。



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