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赤字決算でも銀行融資は獲得できるのか?

「赤字で決算してしまったのですが、融資獲得できますか?」という質問をよく受けます。

結論からいえば、できます!!

知り合いの経営者で赤字でも融資を引っ張っている人もけっこういますし。けれども、ひとつ言えることは、一言に赤字だと言っても、置かれている状況は会社によってだいぶ違うってことです。

このあたり、詳しく検討していきましょう。


赤字は、融資判断のひとつの材料に過ぎない

赤字というのは、決算書の損益計算書(P/L)の話。つまり、一年間の活動で、最終的に利益が出なかったということですね。

この損益計算書(P/L)。重要な銀行融資の判断材料ですが、あくまでも判断材料のひとつに過ぎず・・・

- 黒字だったら銀行融資が出る
- 赤字だったら銀行融資が出ない

という単純なものではありません。


銀行融資の判断材料(1)
既存の借入状況や返済状況は?

いままでの借入状況はどうなっているのか?債務超過になっていないか?また、今まで借入してきた分の返済に遅れがあったりしないか?

もしもすでに債務超過の状態に陥っているとしたら、正攻法の戦略だけでは追加融資は難しい状態になっています。更に赤字決算が重なると、無理とはいいませんが、難易度がかなり上がるのは間違いありません。

逆にいうと、今期は赤字で終わってしまったけど、後述する現預金や資産を十分に持っていたり、いままでの返済実績が積み上がっていたり、既存の借入額がまだ少なく、会社は成長期だと認識されれば、追加融資の難易度は下がるものです。


銀行融資の判断材料(2)
現預金含めた資産状況は?

不動産などの資産があり、それを担保として融資を借りるというのは、一般的なやり方になります。

銀行は、融資をバンバン実行したいと思う反面、融資した相手が飛んでしまうかもしれないというリスクも考えています。だから担保があったら安心するわけですね。

安心材料としては、担保だけではなく、銀行口座の中に現金が十分にある!これも大きなプラス材料になりますね。


銀行融資の判断材料(3)
 支店長や担当者との関係性

人間同士の付き合いなので、どうしても相性があります。前の支店長への嫉妬で、新しい支店長がきたら、融資の流れが全部かわってしまった・・・という話もあるぐらいです。

日頃から、まめに よいしょに プレゼントの精神で、銀行の支店長や担当者とは人間関係を築いていきましょう。


銀行融資の判断材料(4)
銀行自体の懐事情

銀行と言っても、ひとつの会社です。上がこうだ!といえば、ぐだぐだ言いながらも従わないといけません。

また支店(支店長)単位、担当者単位で融資事項のノルマがあります。ノルマを達成しないのも良くないし、達成しすぎても良くない。ちょうどいい塩梅が大事のようです。


赤字決算で、資金繰りが厳しいときの戦略

損益計算書(P/L)赤字だったといっても、前期が黒字だったのか?赤字だったのか?でかなり意味合いが変わってきます。

1回ぐらいの赤字なんて、一般的に見ればよくあることです。

しかし、立て直す経営戦略もしっかりあって、銀行員と関係性が築けていれば、追加の融資を出してくれる可能性は高くなります。 仮に赤字決算をしてしまったとしても、他の融資判断材料で、挽回できればいいのです。赤字というマイナスポイントを、他のプラスポイントで相殺させていくイメージです。

けれども、2年も3年も赤字が続いていると話は別。きっとリアルに会社の資金状況も厳しいでしょうから、銀行のチェックも当然厳しくなります。つまりマイナスポイントが大きくなってしまっているのですね。

この場合、マイナスポイントが大きいだけに、他での挽回が難しい状況かもしれません。できる限り、マイナスではなく、プラスポイントを加算していくこと。根本解決には、この意識が必要になります。

王道の戦略としては、経営戦略を考え、事業プラン、仕組みを整え、赤字をどう黒字転換させていくのかを、しっかりと考えて実行していくことになります。

ただ・・・。

本当に苦しいときには、(本当は苦しい時だけではないですが)追加融資を取りに行く選択肢以外に、「期限の利益」を守りながら元本返済を止めるという選択肢もあるということ。頭に叩き込んでおいたほうがいいと思います♪


(写真コラム)
iPad で決算書チェック‼️書き込みできるし、便利になったもんだー!


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