見出し画像

銀行融資の相見積もりは可能なのか?

何よりもまず、お伝えしたいこと。それは・・・

1. 【銀行は現金という商品の仕入先】であるということ。
2. 現金という商品は在庫があればあるだけシアワセにつながるということ。

商品を仕入れる場合、対価として仕入代金を支払います。同じように、銀行から現金を仕入れる時には、コストとして金利分の利息を支払うということです。『現金』が銀行が取り扱っている商品なのですよね。

「現金=商品」だとして、仕入れることを考えれば、「相見積もり」をとるという発想になります。少しでも仕入金額が安いところを選びたい。つまり、金利が安いところで借入をしようと考える。

この考え方は、当たり前の感覚ですし、もちろん金利(調達コスト)は安いほうがいいに決まっています。

けれども、一般的な商品(もの、情報、サービス)と現金という商品の間には、決定的な違いがあります。この違いを理解すれば、銀行相手に相見積もりを取ってからの対応が、分かってくると思います。


銀行相手に相見積もりをとってもいいのか?

いつもお付き合いのある銀行さんがあるのに、他の銀行に相見積もりをかけるなんて・・・、なんか失礼なのでは?と、二の足を踏む社長さんがいらっしゃいますが、これは大きな間違い。

相見積もりを取る。この表現自体、かなり違和感があります。付き合いのある銀行に対して、資金需要があることを平等に話をすればいいだけです。

そして、◯◯銀行にも同様に話をするつもりだということを伝えればいいんですね。そこを隠そうとすると、話がややこしくなる可能性がありますのでw


銀行相手に相見積もりを取る場合の考え方

一般的な商品(もの、情報、サービス)に対して、相見積もりを取る場合と、現金という商品を扱っている銀行に対して相見積もりを取る場合。

ひとつ決定的な違いがあります。

それは、在庫に対する考え方です。

一般的な商品の場合。例としてカメラを1,000個仕入れようとしているとすると、仕入先に対して相見積もりを取ります。

3社なり4社なり・・・見積もりが出てきました。次に取る行動は、見積もりの額や条件を見て、最も良い条件の仕入れ先をひとつ選んで、採用するはずです。つまり、採用されなかった仕入先とは、今回お付き合いをしないということになります。

なぜ、全部の仕入先と取引しないのか?

全部から仕入れてしまったら、無駄な在庫が増えてしまうからですよね?ほんとはカメラ1,000個でいいのに、4社から仕入れたら4,000個になってしまいますので。。。

一方、現金を商品としている銀行の場合はどうでしょうか?

現金1,000万円を仕入れようと、3行に対して資金需要があることを説明しました。

- 銀行A:1.000万円 OK 金利2.0%
- 銀行B:1.000万円 OK 金利1.8%
- 銀行C:1.000万円 OK 金利1.5%

日頃の活動が評価され、すべての銀行で融資OKの返事。

ここで・・・一番金利の安い銀行Cで借りよう!と考えるのは間違い!全部OK出てるんだから、全部から銀行融資を借りるのが大正解です!

なぜなのか?ここでまた在庫の話です。

現金という商品は、一般的な商品と違って、在庫が積み上がって損することありますか?

ぼくはないと思います。元本返済のない融資の形を増やしていければ、究極的に損をすることって、ほんとになくなっていきます。

在庫が残ってしまうことが、シアワセにつながるのが銀行融資(現金という商品)、シアワセにつながらないのが一般的な商品。ここに決定的な違いがあると思っています。


人間関係の側面から銀行への相見積もりを考えてみる

- 銀行A:1.000万円 OK 金利2.0%
- 銀行B:1.000万円 OK 金利1.8%
- 銀行C:1.000万円 OK 金利1.5%

銀行に対する相見積もりの結果が、上記のような場合、商売人の経営者は、金利(調達コスト)の最も安い銀行Cを選択します。そして、銀行Aと銀行Bに対しては、お断りの連絡をします。

これこそ、相手の銀行。支店長や担当者に対して失礼な行為にあたりますよね。銀行の担当者や支店長は、融資の稟議書を作ったり、本部と交渉をしたり・・・と、動いてくれているんです。だからこそ、融資OKの返事が来たんです。

支店長や担当者の努力を、「他で借りることにしたから、やっぱりいいや」という返事で切り捨ててしまう。支店長や担当者の立場で考えたらどうでしょうか?嫌ですよねやっぱり。。。

これは、決算書がどうのとか、商売の数字がどうの・・って話ではありません。人間関係の話です。

今回だけで言えば、一番金利が安い銀行で借りることができて、得した気持ちになるかもしれませんが、銀行Aや銀行Bが次回貸してくれない!なんて話になると、長期的に見たら確実に損をします。

1. 人間関係を壊すきっかけを作ってしまう
2. せっかく現金の在庫を増やせるチャンスを、目先の金利に囚われて、自ら棒に振ってしまう

どう判断しても、銀行に相見積もりをとって、一番金利が良いところだけを選択する!というのは、誤りだと思います。


写真コラム

マレーシアとシンガポールの国境。平日の夜は、マレーシアからシンガポールへ出稼ぎに来ている方々の帰宅で、激混み。。。この渋滞がどうにかなれば、ジョホールバルは更に発展するんでしょうね!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?