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線のたび(11)

果てしなく広がる宇宙の何処か奥深い場所から、まだ行った事のない憧れの何処かへと下へ下へと降りてきた宙の子。

途中で出逢えたちょっぴり気になる子は、自分が居た宇宙を目指して昇っていくと言っていた、天の子。

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天の子が住んでいた場所は、
遠くから、ぼんやりと浮かんで
柔らかく暖かそうな色に包まれていた心地良いところだった。

碧や緑や翠色が混ざって、
ずっと留まりたくなるような、
不思議な場所。

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それでも、なんだかやっぱり、
じっとしていられなくて。
宙の子は、また来た軌道を戻って昇る。

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「なぜだろうな、また動きたくなるのは。居心地がいいところに居ればいいのに。じっとしていられないなんて。せっかく見つけた場所なのにな。」

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憧れと期待を抱いて訪れた場所。
身を置いてみて、心地よい場所。
呼び戻されるように還る場所。

宙の子は、その意味を考えながら、
引かれるままに、また昇る。
何が自分を引き戻しているのか?
まだはっきり分からないまま…。






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