瞑書家&ヨーガ講師 好朶かおり

筆先に降りてきたものを 墨で紙に紡いでいます。 流派も資格も肩書きも無し。 観てくださ…

瞑書家&ヨーガ講師 好朶かおり

筆先に降りてきたものを 墨で紙に紡いでいます。 流派も資格も肩書きも無し。 観てくださった方の心に映って 新しい息吹がゆっくりと…。 魂に届く何か…を描き続けます。 🕉️インドヨーガ講師としても活動中。

マガジン

  • 瞑書図書館

    一冊の本から始まる私物語を綴ります。 本が先か、筆が先か…。 創作に向き合いながら呼び起こされた記憶を 「本」から探ります。

  • 【墨絵本】線のたび

    埋もれていたスケッチブックを発掘したことから、思いつきで始まった物語。 墨絵本。

最近の記事

決めつけない人③

人生初めて書いた、小説めいた代物。 提出してホッとしたというより、 何かを言の葉に移すという事が こんなにもエネルギーを使い果たすもののか? という事に衝撃を受けていた。 振り返ってみて、 ずっと疑問が拭えない事があった。  そもそも、何故私に参加の打診が? そして、何の経験も知識も無い自分が 二次審査に進めたのか…。 モヤモヤしたまま数日が過ぎ、面接の日を迎えた。 10/9(月) 朝から冷たい雨の降る、善き日だった。  事前に届いた面接に際しての案内メールには、

    • 決めつけない人②

      次世代を担う小説家を発掘する 深く考えずにエントリーしてしまった私。 青天の霹靂 という言葉が、これ以上ピッタリと あてはまる出来事は、 人生初めてかもしれない。 全くもって予想外に、二次審査に 通過してしまった自分が、まだ信じられず。 嬉しいという感情よりも、 目が点になったまま呆然としていた。 どうしよう…。と。 だって、確か、二次審査は、 自作の小説を書いて面接だったはずだから。 いや、無理でしょう、書いた事ないから。 落ち着いて現実を受け入れる時間を与え

      • 決めつけない人①

        昨年末だったかな… コンテストに参加しませんか?と インスタグラムのダイレクトメールが届いた。 よくある釣りメールかと思った。 当時、公私共にいろいろとハードな状況下にあった私は、殊更、警戒心もMAX。 それでも、綴られた文面に何か引っかかりがあった。 何が?と問われても説明出来ない何かが。 流れを変えるのもいいかな?と、 深く考えずにエントリーした。  参加することに意義がある! 的な 勝手な理由で自分自身を納得させて。 そうそう、何のコンテスト?って 次世代を担う作

        • 西ネパール・ヒマラヤ最奥の地を歩く        稲葉 香 著

          "植村直己冒険賞受賞" Twitterのニュースが、なんとなく氣に留まり珍しく記事を読んだ。 日本人の女性なんだぁ!しかも、私と年齢も近い。そして、同じ名前。 単純だけれど、なんだか嬉しくなった。 わたしは、本格的な登山経験は無いけれど、幼少期にテレビや映画で観たドキュメンタリー番組の記憶が去来した。 著者の稲葉さんは、若い頃に難病を患い、今もまだ向き合っていらっしゃる。 体力も充実し、体格にも恵まれている屈強な男性でも、ヒマラヤ最奥の山に挑むのは、そう簡単ではな

        マガジン

        • 瞑書図書館
          24本
        • 【墨絵本】線のたび
          13本

        記事

          線のたび(12)

          美しい碧色に囲まれた何処かから来た 天の子との出逢い。 自分もその憧れの場所へ辿り着いた 宙の子。 ただ、居心地が良かった其処は、何故かずっと居てはいけないと感じた。 そして、また再び、自分が来た"宇宙"へと、帰ることに。 「なんだか、あっという間だった。 もっと長く居たかった氣もしたけど、ずっと居たくないなぁ…とも感じたしなぁ。何故だろう?」 宙の子は、帰りながら、高く昇りながら、 ぼんやりと考えた。 居心地が良い場所。 ずっと居たいという思い。 居てはいけないという

          菩薩たちのパーティー

          伊藤マヤ 著  "もしもブッダと居酒屋で   お酒がのめたなら?" ワクワクする投げかけで始まる一冊。 興味が加速して、サンスクリット語で いろいろな作品を読む講座に通い出してか一年以上経った。 本論の知識は、遅々として進まないが、 それでも懲りずに続けていると、何かしらの繋がりが自然に訪れるものだ。 今年初の講座が終わって、帰り支度をしていたら、生徒さんの一人が、 「本の紹介をさせて下さい!」と。 講師の先生も 「あ、そうでした!ご本人からお声がけされた方がよろ

          『六波羅蜜』

          BUN庫堂 作 一年に数回、しかもほんの数分だけ 短い会話を交わし、笑顔を交換する。 そんな彼女がまた、作品を届けてくれた。 "六波羅蜜" 布施……親切 持戒……言行一致 忍辱……忍耐 精進……努力 禅定……反省 智慧……修養 波羅蜜は、サンスクリット語の パーラミター(पारमिता、Pāramitā)の音写。 ちっとも身につかないサンスクリット語。 ようやく、真面目に辞書を引くことを少しずつ、習慣にするようになった。 今年は、般若心経をサンスクリット語で 読み解く

          線のたび(11)

          果てしなく広がる宇宙の何処か奥深い場所から、まだ行った事のない憧れの何処かへと下へ下へと降りてきた宙の子。 途中で出逢えたちょっぴり気になる子は、自分が居た宇宙を目指して昇っていくと言っていた、天の子。 天の子が住んでいた場所は、 遠くから、ぼんやりと浮かんで 柔らかく暖かそうな色に包まれていた心地良いところだった。 碧や緑や翠色が混ざって、 ずっと留まりたくなるような、 不思議な場所。 それでも、なんだかやっぱり、 じっとしていられなくて。 宙の子は、また来た軌道を

          線のたび(10)

          宙の子は、フワリと上から持ち上げられるような不思議な力を感じながら、身を任せていた。「なんだろうな、この感じ。 僕は、まだここに居たいのに。 でも、行かなければならない氣もするし。 なんだか、また眠くなってきたな。」 宙の子は、静かに自分を包み込むあたたかくて、柔らかいものを感じながら、再び眠りに落ちた。 そして、降りてきた軌跡をまた辿り帰るように、すっと、軽やかに上へ、上へと昇って行った。 

          超古代史

          黒戌 仁 著 ★2021年12月27日(月) 発売‼️…ということで、発売前なので、 まだ拝読していません。 年末年始の一冊が決まりました。 https://ameblo.jp/gaokun013/entry-12713431760.html *Amazonより転載 興奮し過ぎて、 我ながら力作が降りました。

          線のたび(9)

          宙の子は、懐かしく心地良さに 身を委ねたまま、眠りに落ちた。 しばらくして、深いところから 鳴り昇ってくる音に目を覚ました。 おぉ…ぅん…、おぉ…ぅん…おぉ…ぅん 体の奥底、深い深いところから湧き出てきて、 天に向かってゆっくりと上へ上へと響ながら キ〜ンという軽やかで果てしなく広がる音。 「何処から聴こえてくるんだろう?」 宙の子は、自分の体がくるくると 渦を巻きながら、ゆっくりと上へ上へと 引き伸ばされているような、少し不思議な感覚を捉えた。 「ようやく此処に

          線のたび(8)

          宙の子は、すれ違って行った何かを 見送ったあと、再び下へと進んだ。 あぁ、あの辺りかな? 段々と色が濃くなってきたなぁ。 あそこから降りてみよう。 宙の子は、近づくにつれて色がくっきりと観えてくるのを確かめながらグッとスピードを上げた。 宙の子は、深い、淡い、暖かく萌えている碧色の 雲のような塊の中に入って行った。 「なんだか、とっても優しい。 柔らかい翅の中に包まれているみたいだな…なんだろう、懐かしい香りがする。」 宙の子は、動きを止めて、漂ってくる香り をゆっ

          アリとニノ

          クルバン・サイード 著 この小説。 初めて出版されたのは、1937年。 オーストリアの出版社から。 第一次大戦とロシア革命の嵐が吹き荒れた時代。 アジア地域の環境で育った名門貴族の青年アリ。ヨーロッパ文化の中で育った王女ニノ。 文化も育った環境も異なる2人の愛の物語。 …と、こんなふうに説明するとおそらく、 あぁ、ハイハイ、良くあるパターンね、 ロミオとジュリエット的な? と想像される方が多いかもしれない。 私も始めは、頭の片隅に同じ考えが浮かんだ。 ところが、この

          線のたび(7)

          宙の子は、今から向かおうとしている、 遥か下に観える碧色らしき何処かから、真っ直ぐに昇ってくるモノに驚いた。 な、なんだろう…。 向かってくるモノは、深く濃い暗いような、 重たい、真っ黒な塊のようにみえた。 宙の子は、動きを止めて、じっと、それが 勢いよく昇ってくるのをじっと眺めていた。 それが近づいてくると、真っ黒ではなくて、 なにか、たくさんの色が織り混ざっていることがわかった。 そして、それは、佇む宙の子に気がつかずに、 何も言わずにそのまま通り過ぎて行った。

          神を描いた男・田中 一村

          小林 照幸 著 田中一村という画家を知ったのは、実は、某焼酎のラベルが初めてだった。お土産で頂いた黒糖焼酎のガラス瓶に貼られたラベル。 わぁ、なんだろう、この絵は…? 日本画は、あまり観てこなかったせいなのか、何故だかわからないけれど、脳裏に焼きついた。 とは言え、当時は、特に詳しく調べるでもなく、ああ、奄美ゆかりの画家さんなんだなぁ…ぐらいにとどまって、忘れていた。 それが、今年に入ってから、チラチラと頭をよぎるようになった。 日本画に特別フォーカスしているわけでは

          神を描いた男・田中 一村

          線のたび(6)

          落とした何かを探しに降りてきた事を 思い出した宙の子は、ぼんやりと何かを思いながら、スルスルと下へ下へと向かって伸びて行った。 仄かに、みどり色が見える場所に。 明るく見えて、なんとなく薄暗くも見えてきたあの場所に。 なんだったかなぁ、落としたモノ…。 さっき出会った子とおしゃべりしてたら、すっかり忘れちゃったなぁ…。 ま、そのうち思い出すかもしれないから、 いいかな。 今は、見えてきたたあの碧色のところに行ってみよう! 何があるんだろう…。 宙の子が、ふと、下を眺め