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書店員の仕事が楽しかったことを思い出した 『店長がバカすぎて』

本の感想というよりも

※はじめに…
本の感想というよりも、元書店員(アルバイト)だった私が『店長がバカすぎて / 早見和真 著』を読んで追想した、書店での思い出話です。

書店が好きです

こんにちは!マヤです。

私は書店が大好きです。
子どもの頃からの「本屋さんになりたい」という願いを叶えるべく、39才から45才くらいまで、当時やっていたエレクトーン講師の仕事がお休みの週末をメインに、書店でアルバイトをしました。
5年半くらいだったかな。

大好きな書店だったので、その場にいられることがホントに幸せで、当時の時給はたしか750円(!)でしたが、500円でも400円でもやっていたかもしれません。
帰りがけに数冊の本を買い、その日のアルバイト代が大赤字だったことも何度もあります。

とにかく書店で働けることが楽しかったし、たくさんの本に囲まれて過ごす時間が幸せでした。
理不尽なお客様もいたけど、私も一端のオトナだったのと、本業ではなかったこともあって、むしろ「書店にやってくるお客様ウォッチング」や「書店で働く人ウォッチング」を楽しんでいたところもありました。
今思い出してみると、いつも不機嫌な人とか、いろんな人がいたなぁー。
今となってはどれもこれも愛おしい思い出です。

書店で朝礼ってやるものなのか

そんな大好きな書店が舞台の『店長がバカすぎて』を読みました。
舞台は吉祥寺にある書店。

店長の朝礼シーンから物語が始まるのだけど、書店の朝(開店前)ってめっちゃ忙しいのよね。
その日発売の雑誌や書籍の入荷があって、雑誌は伝票と数を合わせて、付録のある雑誌は付録と組んで店頭に並べないといけないし、書籍はハンディでバーコードをビビッと入力しないといけない。

付録の多い女性誌や学習雑誌の発売が重なっている日は、本誌と付録をヒモかけする作業が開店までに終わらないから、レジをやりながら合間に付録と組む作業をしたり。
このヒモかけもベテランになるとめっちゃ速いのですわ。

もうとにかく書店の朝は大忙しなのです。
そんな朝の忙しい時間に朝礼やるんか…っていうか、朝礼やってる書店があるのか…と、この本を読んでびっくりしました。
それなのに、この朝礼での店長の話、私でもイライラすると思う。笑
実際、朝礼やってる書店ってあるのかな。
大型書店はやってるのかもしれないな。

私がアルバイトしていた書店は、スタッフたちの勤務時間がまちまちだったこともあり、連絡事項はノートで行っていました。
出勤したらまず、壁に貼られてあるその日の稼働表で自分の作業(何時からレジ、何時から休憩、何時から返品、何時から清掃、など)を確認して、レジの後ろにあるノートの連絡事項を確認したらそこにシャチハタを押す、という感じでした。

ノートに書かれてあった連絡事項は
お客様のイレギュラーなお取り置きについてや新しいフェアについて、新しく入ったアルバイトさんについて、新しく使用できる商品券について、移動したコーナーについて、
…などなど、その日によって色々でした。
1つ1つ確認して、シャチハタを押していました。
(見ていない人が誰だかわかる仕組み)

そういえば、バックヤードのテーブルや冷蔵庫にたまに頂き物やお土産のお菓子があって、『食べて!』の貼り紙があると嬉しかったな。

『店長がバカすぎて』

さて、本について。
主人公の谷原京子(28歳)は、吉祥寺にある武蔵野書店の契約社員。
超多忙なのに薄給。(わかる…)

お客様からのクレームは日常茶飯事。(わかる…)

店長は山本猛という名前ばかり勇ましい「非」敏腕。
人を苛立たせる天才。

ああ、店長がバカすぎる!マジで辞めてやる!と思いながら、しかし京子は仕事を、本を、小説を愛している…

そんな京子の目線で物語が進行していきます。

いやもう、とにかく面白い!
書店員さんにはもちろん、書店に勤めた経験のない人も、職場のあるある!が描かれているので、読んでいて面白いかと。

登場人物、私の覚書。

●谷原京子、28歳。吉祥寺にある武蔵野書店の契約社員。
●山本猛、店長。名前ばかり勇ましい「非」敏腕。
●竹丸トモヤ、店長が朝礼で薦める本の著者。
●小柳真理、京子が憧れる7歳年上の正社員。
●小野寺さん、1つ歳下の雑誌担当。
●磯田さん、後輩のバイト。
●木梨祐子、大学生のアルバイト。卒業後、出版社「往来館」に就職し、営業で訪れる。
●山中さん。往来館、木梨祐子の上司。
●藤井美也子さん。お客様のマダム。大西賢也の本のファン。
●親父。神楽坂にある実家の小料理屋「美晴」を営む京子のお父さん。
●石野恵奈子さん、普通の主婦。実家の小料理屋「美晴」で出会う女性。
●大西賢也、覆面作家。代表作は「幌馬車に吹く風」
●富田暁、作家。「空前のエデン」は京子が初めて本の帯に推薦コメントを書いた作品。新刊「つぐない」の発売記念で武蔵野書店にてサイン会を行う。
●佐々木陽子、リバティ書店のカリスマ書店員。

登場する場所は、武蔵野書店の他に、イザベル(書店近くのカフェ)、お父さんの小料理屋「美晴」、リバティ書店などなど。

売りたい本が3冊しか入荷されなかったり、作家のサイン会を行ったり、出版社の営業さんやお客様とのやりとりだったり、書店あるあるが書かれていてホントに楽しかったです。

私が書店で働いている間にも作家のサイン会や、いろんなイベントをやって楽しかったなー。

物語は6話構成のミステリー

物語は6話構成で
・店長がバカすぎて
・小説家がバカすぎて
・弊社の社長がバカすぎて
・営業がバカすぎて
・神様がバカすぎて
・結局、私がバカすぎて

となっています。
神様というのは、お客様のことです。

お客様は神様なのか

「お客様は神様です」というセリフが昔ありましたね。
ホントは、お客様もサービスする側(この場合は書店)も同じなんですよね。
商品を提供する側と、その商品を提供してもらい買う側は、同じであるべきだと私は思っています。

私がアルバイトしていた書店にも、いろんなお客様がいたけど
『こんにちは!』『ありがとう!』と笑顔で話しかけてくださるおじいちゃま(お元気かな…)や
『いつもありがとうございます』と言われるご婦人…
あんな人になりたいなっていつも思わされるお客様がいました。
そういうお客様がご来店されると嬉しいですよね。
私もお店に喜んで迎えてもらえる人になりたいです。

私の店長はバカじゃなかったよ

私が書店アルバイトで出会った最初の店長(私を採用してくださった方)は、店長になったばかりの方でしたが、スタッフに尊敬される素晴らしい方でした。
本についても色々教えてもらったな。
クリスマスシーズンに棚の装飾を任せてもらえたときは嬉しかったな。

そんなこんなで

『店長がバカすぎて』を読んで、書店でアルバイトしていた頃を思い出したので、ちょっとまとめてみました。
全然まとまりがないけれど。
まいっか。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

『店長がバカすぎて』面白かったです!
まだの方はぜひ。

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