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エヴァンゲリオンはエウレカセブンを越えられなかった

シン・エヴァを観てきた率直な感想

ネタバレを警戒している人はこのnoteは見ないだろうと思い、率直な感想を書く。

在宅勤務が終わったあとに地元の映画館でシン・エヴァを観てきた。公開日だから、というノリで行かないと足取りが重くなると思ったのでなんとか20時からの回を予約出来て良かった。Qの内容が内容であっただけに今回も鬱展開が続くのかと思っていたのでいい意味で裏切ってくれて、全体的には面白かったのだが2年前にある映画を観てしまった後であったため、どうしても二番煎じ感が否めなくて周りの人が言うほどこのラストが「全ての伏線回収してくれた、全てに意味があった、エヴァが思い出になった」と感動することができなかった。その映画とは『ANEMONE 交響詩篇エウレカセブンハイエボリューション』である。

劇場で初めて観た時はそのストーリーの衝撃さで劇場を出てから「そんな、全部夢だったの…?」とずっと呆然としてしまっていたのだが、段々と頭の中で整理していくと今作は過去も全て受け止めて前に進むんだという強い意志を感じ取れた。今夏に続編の上映を控えているが、ANEMONEからの次の作品を観るのが待ち遠しくて仕方ない。シンプルに映画を楽しめて、続編を楽しみに出来たか、出来なかったか。Qを観た後に続編を期待することは出来なかった。2年前の時点で私の中で「エウレカセブンはエヴァンゲリオンを超えてしまった」と思った。

「さようなら、全てのエヴァンゲリオン」から漂うエウレカ感

予告でシンジ君が「さようなら、全てのエヴァンゲリオン」を言っているのを観て、直感で「ANEMONEのパクリじゃん」と思ってしまった。そのセリフだけでANEMONEがした過去作品の振り返りみたいなことをエヴァンゲリオンもしてしまうんじゃないかと話の流れが予見できてしまったからで、話が始まる前までそうじゃないことを淡く期待していたのだが、今までの過去作品の映像が流れてきたときにまたこのパターンかとガッカリしてしまった。先述した通り、全体的には面白かったし私もまた観にいきたいなと思ったのだが「2年前にANEMONEを観ていなかったら、素直に面白いと思えた」というのが正直な感想である。ただ、この振り返る作業をしないと前に進めないのはパラレルワールドの話ではしょうがないことなのかもしれないが、ANEMONEで無理やり終わらせたみたいな消化不良がモヤモヤする。

新たな世界を創造する必要があったのか

他の人の感想をチラホラ拝見していると「エヴァンゲリオンがようやく完結した」と言っている人が多かった。私的に私の中の新世紀エヴァンゲリオンはアニメと旧劇で綺麗に終わったと思っていたのでこれは意外だった。多分、リアルタイムで観ていた人ほどそう思うんだろう。私は家にアニメから旧劇までDVDが揃っており、イッキ見することが出来たので物語の関連性を汲み取ることが容易かった。消化不良感は全くなかった。新劇のエヴァは設定が大幅に改変されたが結局は旧劇と同じくキャラクターの心の補完をする、というところに行き着いてしまう。旧劇のインパクトからとうとう逃れることが出来なかったし、ANEMONEの踏襲になってしまった。

でも普通に映画としては面白かったので後2、3回は劇場に足を運びたいなと思ったし、Qであまり語られなかった新キャラクターたちのリアルを垣間見ることができて良かった。私は伊吹マヤ、青葉シゲル、日向マコトのオペレーター3人組のファンなので彼らの登場シーンも多くて嬉しかった。

よく、エウレカセブンはエヴァンゲリオンを超えられなかった、と言われるが私の中では逆である。アニメ版終了時点では超えられなかったかもしれないが、ANEMONEでエウレカセブンはエヴァンゲリオンを超えていったシン・エヴァはANEMONEを超えることは出来なかった。どちらも思い入れのある大好きな作品であることに違いはなく、優劣つけるものではないと思うが、周りが言うほど賞賛することが出来ないのだ。

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