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2024年から働く条件もっとはっきり、契約更新時も募集時も

2024年4月から、新しくひとを採用するときも、いま働いているひとが契約更新するときも、働く条件をもっと明確に示さなければならないことになりました。

具体的には、人材募集の際や、更新後の契約書に書くことが増えたということです。

新しくひとを採用するときに追加で示さなければならないのは、この3点です。

1.仕事内容が変わる範囲
2.働く場所が変更となる範囲
3.契約を更新するときにその判断基準になるもの

以下は厚生労働省のリーフレットです。
サンプルをみると、どこをどう細かくしなければいけないのかがわかりやすいです。

そしてこれらの内容は、新しくひとを採用するときだけではなく、いま働いている人が契約を更新するときにも、あらたにはっきりと示す必要があります。

こちらがその契約更新についての厚生労働省のリーフレットです。

こちらも、仕事内容と働く場所の変更の範囲を示す必要があります。

それに加えて、更新上限の明示、つまり、働ける期間に限りがあるのならそれをはっきりとすることや、働く期間がいつまでときまっているのではない無期雇用への転換にかんする情報についての明示も必要です。

これらを行なうことで、政府は何を求めているのでしょうか?

それはこの法改正について話し合われた、厚労省の労働政策審議会の資料をみるとわかります。

第174回労働政策審議会労働条件分科会(資料)
「多様化する労働契約のルールに関する検討会」 報告書の概要より

そもそもは、働く内容も働く場所もすべて会社にゆだねているのがこれまでの正社員でした。

ですが時代は変わり、転勤命令にも家族への配慮が必要になったり、そもそもが転勤なしという条件での地域限定正社員という制度ができたりして、正社員とはいってもその働き方はさまざまになりました。

実は、「正社員とはこれこれである」という定義は、法律にはありません。

ということは、これまでは働く時間であったり転勤の有無であったりではっきり分けられていた、正社員と正社員ではないひとの区分けがあいまいになるということです。

育児短時間でパート社員よりも働く時間の短い正社員があたりまえの世の中になったということです。

そうすると、同じ仕事をするなら同じ給料であるべきだという、同一労働同一賃金がルールになっているこの時代、そのあたりがあいまいだと困るということになります。

そこで、資料にもあるとおり、契約内容があいまいであることによる労使紛争の未然防止や、労使双方の予見可能性の向上(社員の側からいえば、明示された雇用上限までは働ける、など)のために、今回のルール変更となったわけです。

仕事内容の変更の範囲をはっきりさせなくてはいけないというところには、ジョブ型雇用のイメージもありそうです。

とりあえず忙しいからひとを雇って、やってもらうことはあとから考える、のではなく、なにを、いつまでやってもらうかをきちんと決めて、それからの採用と契約更改が、今後は主流になっていくのかもしれません。

アイキャッチは画像生成AIで作成しました。
プロンプト:会社の人事担当、採用面接、楽しそう

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