『考える』という行為ができないとき。

以前、何かの本で読んだ文章に、ハッとさせられた。
※うろ覚えだが、こんな感じだった。

人は、知らないことから考えることはできない。
なぜなら、人は知っていることをもとに考えようとするからだ。

これを強く実感した時が、あった。
私は、就職先が決まらないまま、大学を卒業したことがある。

当時は、コロナ禍真っ只中。
それなのに、周りの友達は就職先が決まっていた。
進路が決まらなかったのは、私だけだった。。。

その時、私と似たような境遇の人を
ネット検索で必死になって探していたことを今も覚えている。
なぜなら、その期間の過ごし方やその後の展開を知りたかったからだ。
そして、知ったことをもとに『きっと、大丈夫』と思いたかったし
『じゃあ、〇〇しよう』と考える根拠にしたかった。

でも、そんな人がそもそも見つからなかった。
データがなかったのだ。
何度、絶望に叩きのめされたことか。。。


何が言いたいのかというと
人は、自分が経験したことのない出来事が起きたときや
分からないことがあったとき、手がかりとして
まずは『それについて知ろうとする』ことから始まる。

そして、分かったことから、いろいろ考えていって、行動などに移していく。
その繰り返しなのだ。


しかし、十分に考えられるだけの情報が集まらなかったら………?

それは、その後の展開を予想していくための鍵が不足しているということ。
そうすると、人は途端に不安になりやすくなる。


そうなってしまうのは、人間には、不確実性を嫌う性質があるからだ。
それは、大昔、命の危険にさらされやすかった生活の名残らしく
それゆえに『分からない』という状況に、人は1番耐えられないと聞いたことがある。

だから、現代に合うように表現を変えると
『知る』という行為は、何かから身を守るために必要不可欠な行為。
例えば、生活に対する不安など。

『考える』という行為は
その『何か』から身を守りやすくするための行動などをするための行為。
例えば、現状を知った上でいつまでに、いくら貯金しておいたほうがいいか、など。


知らないことを知ろうとする』なんてことは
人によっては、当たり前のことなのかもしれないけれども
それをせずに逃げてしまう人がいることも事実なのかもしれない。

そして、現代では、多くの場合
それから逃げても、何も問題ないことが多い気がする。


だからこそ、『知らないことを知ろうとする』姿勢を持ち続けている人は
知った分だけ成長できるし、その生涯を終えるまで
ずっと伸び代しかないんだろうなと考えた、月曜日の夜でした。

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