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【お題:雪解けアルペジオ】優れているのは高い声か低い声か

「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ」を低い声から順に数えるか、高い声から順に数えるかでテノールさんとソプラノさんが争っていました。
「ひぃ〜〜⤵、ふぅ〜〜⤵、みぃ〜〜⤵、よぉ〜〜⤵」
「ひぃ〜〜↑、ふぅ〜〜↑、みぃ〜〜↑、よぉ〜〜↑」
 ソプラノさんとテノールさんが互いの自慢の声色で歌っていますと、その歌声に聞き寄せられた鳥や動物達が集まってきました。
 二人は何か騒がしいなと思って数えるのを止めると、森の住民達の大喝采が起きました。
 一体全体何が起きているのか分からず、困惑していると、この森の長老の猿が挨拶しにきました。
「あなた方は救世主です。お二人の歌のおかげで、鳥と地上の動物のどちらの鳴き声が美しいかという諍いを終わらせる事ができました」
 以後、この森では争いが終結した日に鳥は高い声で「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ」と歌い、地上の動物達は低い声で「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ」と歌って互いを称えるのでした。


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