「褒められるとどうしていいかわからない病」に効く薬はありますか。
先日めためたに褒められることがあった。
もちろんマイナスな意見もいただいたが
おおよそ"めためた"と言っていいだろう。
「こんな時、どんな顔をすればいいかわからないの」というヒロインよろしく、笑うことしかできない自分がいた。
仕事をしていた時、最後の最後に
褒められたことに匹敵する嬉しさだった。
滅多にこんなことはない。
力のある人からの心からの賛辞は
嬉しさ余って泣きそうだった。
褒められるとどうしていいかわからないというのは嘘で、その賛辞がどこかで信じられない自分の弱さであったり、その人に対して薄いと感じる何かがあったりと、心の中で本当はわかっているのだと思う。
捻くれ者なんだなあと思う。
一方で賛辞は深く強くなければ、真実味を帯びないのではないかということに気づいた。私にとっては、の話だが。
それは言葉の強さであったり、じんわりと広がるような優しい強さかもしれない。数の時もあるだろうし、たった一人の言葉にこそ重みがあるときもある。
でも、それすらも飛び越えてくる賛辞が
人生には何回か訪れる。
それだけは逃さずにきちんと胸に留めたい。
留めたいのだ。
圧倒的賛辞に押し潰されない、強い私でありたい。
それはきっと、嫌悪に耐える強さよりも、ずっと大切な力だと思うから。
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第二話更新しました!
ぜひよろしくお願いします。
ひととせ暮らし ~来世も縁側で~
「僕の最後の女性になってくれませんか」
八尾すみれにそうプロポーズしてくれたのは、絵にかいたような優し気な雰囲気の紳士・森糸翠先生だった。
キャリアを捨てたすみれがたどり着いた場所は、翠先生が営む下宿。
縁側のある日本家屋に流れるゆったりとした時間の中、翠先生の四季を大切にした丁寧な生活に触れるうち、疲れたすみれの心は癒されていく。
28歳と48歳の年の差や先生の癌、女が仕事をするということ。人生に立ち止まったすみれが見つける、小さな幸せと愛の物語。
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