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「食べさせたい」は親も子も苦しくなるね

父の七回忌がありました。

昼食は近くの小料理屋の会席料理。
息子の苦手な食材が多い。

順に運ばれる料理を黙々と食べる息子。
お造りのつまも食べている。

菜っぱのお浸しを指さし
「これだけ食べなくていい?」
小声で聞いてきてね。

「うん、いいよ」と返すと
また黙々と箸をすすめる。

2/3程食べると「お腹いっぱいや」と。

「無理しなくていい」は飲み込んで
様子を観察した。

「白ご飯何もかけんと食べるの久しぶり」
海苔がないと白ご飯食べません。

苦しそうに口を押さえながら菜っぱ以外完食。


母と姉はその様子をじっと見守っていた。

母は目に涙を浮かべ息子に気づかれないように
黙って食べてた。

お店を出てから母も姉も
「頑張ってるね」って声を掛けようか迷ったけどやめたと笑顔で話してくれた。

いつもたくさんの言葉を言ってくる母と姉。

やめた、それだけで十分。
何かをしてくれるより嬉しかった。



この日に向けて母から
「息子はどんなお店がいい?」
「どんな料理にしたら食べられる?」
「別の料理作ってもらおうか?」

今日に限らずいつも聞いてくれる。

息子の好みに合わせても食べるとは限らない。

こういう会話は好きでない。

息子のためと思って言ってくれてる。
ありがとうの気持ちを持つように努めてた。

それがプレッシャーのような
「食べさせないと」と勝手に輪をかけてね。


自分や周りの『食べさせたい』気持ちや言葉が 充満した空気が当たり前にいつもあって
苦しいのかどうかも分かんなかった。


初めて、その圧を感じない時間。

感じないのを知って
ずっと苦しかったんだと知れた。

苦しいと気づけず
言葉には出さない私が感じているものを
息子は感じていたのかもしれない。

何も言わなくても監視の目を息子に
向けてたんだと
向けてない自分がいて教えてくれる。


とっても美味しかった。

多分息子も美味しかったんだろう。




私の目には『頑張った息子』と見えているけど
飄々として当たり前に過ごす姿をみて

本人は今日は頑張って食べないといけないもなく、頑張ったでしょと褒められたいのでもなく。

想像ではありますが
周りがそういう目や気持ちの圧がないのを
感じてたのかも。

普段息子へ食べさせたい圧を知らぬうちに
かけてる時もあるでしょう。

同じようなママがいらっしゃるかもしれません。

それも愛情から生まれたもの。

周りからの圧を感じない経験をすると
自分が抱えてたものを
息子も抱えてたんだと

『食べさせたい』が出てきたら
ひと呼吸置ける瞬間を持てそうです。


今回初めて母に
「息子の好みに合わせても食べるかどうか当日しか分からないから合わせないでほしい。
もし、手をつけなかったら私ができるだけ食べるし、その時間も受け入れてほしい」

この言葉が言えるようになれたのは
『鉄ミネラル』に出会ったお陰です。


偏食の息子を何とかしようと思う気持ちを
減らしてほしい。

そのままを受け入れてほしいと言えたから

母は負担を掛けてくる人から
見守ってくれる人になってくれると
信頼したいと思えた。


こうは書いても今も食べさせたいは
いっぱい出てきます。



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