転職は日本経済を救う41  変わるべきは50代

前回、前々回に続いてもう少しこのコラムのタイトルの意味を考えてみた。podcast披露編は次回こそ!

30年停滞している日本経済の現状を打破すべく、転職をおススメしているこのブログ。
なぜ日本経済が停滞しているかの分析はたいしてせぬまま、とりあえず自分の転職経験を語り続けた。
さらに、転職できるためのポイント、学びなどを語り始めた。
そして前回は脱線して、日本経済が停滞しているから、45歳定年、企業内失業に備えるために、転職の準備を、学びを、ということで終わった。
しかし、、、
どうして転職が日本経済を救うのか、そこを明快にしないまま転職を勧め、その準備の仕方を語ったところで、説得力があるはずがない。
そのためには、なぜ日本が30年停滞しているのか、それ以前はなぜ高度成長ができたのか、そこを分析しないといけない。

【高度成長とロールモデル】

これはよくいわれるところだが、
高度成長期、60-70年代は、同盟国、というよりも、日本を実質属国化しているアメリカの庇護を受け、1ドル360円という恩恵の中、アメリカをロールモデルに、せっせと工業国として励んでいればよかった。
アメリカの真似をしつつ、日本人独特の手先の器用さ、改善の上手さをいかして、アメリカ以上の工業製品を作り、輸出し、先進国にのし上がった。
そのためには地方の農民を都会に移動させ工場で働かせた。地元の店をスーパーマーケットが飲み込んだ。みんなサラリーマンになった。
都会に出てきたサラリーマンになった人々は、家庭を持ち、郊外に住んだ。団地に住んだ。
あこがれは一戸建てであり、年功序列、終身雇用の会社で、会社のために朝から晩まで働いた。
出世しない夫を見て、母親として、子供にはいい学校に入れて、いい会社に入って、出世させたい、そういうロールモデルができた。
子供は受験勉強に追い立てられた。夫は、、、植木等のように気楽に過ごすものもいたろうが、基本はより良い給料のために、上司にごまを擦って身を削って働いた。
そうしていれば日本の経済はどんどん成長し、生活はよくなっていった。
戦前には存在しなかった価値観、ロールモデルがここに完成した。

【高度成長を知るのは50代まで】

・・・バブルを知る世代、ロスジェネが40代とすれば、もう50代ということになろうか、今の50代以上は、まだこのロールモデルが生きているのではないか。
いい学校に入り、いい会社に入り、一所懸命働けば幸せになれる、と。
この呪縛があると、つらい。
なぜなら今の日本は30年停滞しているからだ。停滞している社会にはこのロールモデルは通用しない。
いい会社はいつまでもいい会社ではないからだ。いい学校もいい学校ではない、といえる。
ここでいういい会社、とは、経済戦争に勝てる会社だし、いい学校はそういう戦争で戦える戦士を育てる学校だ。戦争、というとたとえは悪いが、、、

【30年間の停滞】

先ほど触れたが高度成長するまで、日本はアメリカに守られながら経済戦争を戦ってきた。
というか、敗戦焼け野原でなにもないところから、反共の防波堤としてアメリカに保護、指導されながら、立ちあがってきたのだ。
アメリカの言うことをまず官僚が聴き、それを民間に指導し、形にしていった。
それがようやく一人前になり、アメリカのほうがくたびれて、お前もう一人で戦え、と言われたときに、何をしていいかわからなくなってしまった。
新しいことはできず、結局、アメリカの庇護のもとで日本経済を回す仕組みはできているので、それを続けてしまった。
しかしそれでは激変する世界経済には対応できない。
当然失敗するが、失敗から学び、仕組みを変えていくことができない。仕組みを維持することにエネルギーを注いでしまった。
結果若い芽が出てこない。詰まれる。既得権益を維持する規制が外れない。組織、団体が力を持つ。
なおさら成長しない。
かつて反映した企業もすでにその面影はないが、資産だけはある。人はいる。元は優秀だった人が、やることもなく、企業内失業する。ここから前回の話だ。

優秀な人が新しい産業に加わり、能力を発揮すれば、日本経済も成長の芽があるはずなのに、それができない。
そもそも、かつて優秀だっただけで、新しい学びをしていなければ、能力も発揮できないわけだが。。
いずれにしても、いい学校を出て、いい会社に入った人が、日本経済の役になっていない。これは日本の損失だろう。

40代はロスジェネ、就職に苦労し、やっと入った会社もブラックで厳しかったりして辛酸をなめている世代だから、違う価値観を持っているだろう。
もっとも中には同じ価値観で勝ち残っている人もいるかもしれないが。

30代以下になると、親には古い価値観で育てられ、安い給料で働かせられてもそういうものだと思い込んでいる世代になっているのかもしれない。
結果家庭も持てず、子供も当然産めず、、

古い仕組みが回り続け、その仕組みの上にいる、年寄りだけが生き残る。そしてその仕組みはどんどんやせ細り、脱落者が増えていく。
今の正規雇用が減り、非正規になる姿はまさにそれだ。
これでいいのか?
いいわけがない。

衰退していく古い仕組みから抜け出し、新しい仕組みを作り、育てていくのが自然の姿だ。
そうなるためには、一人でも多くその現実に気づかなくてはいけない。

と思って、このブログをはじめたのだ。

まずは変わるべきは50代だ。私もついこないだまでこの世代だった。
50代、、それこそ高度成長時代なら定年間近だが、人生100年時代の今日、まだ半分だ。
まだまだいくらでも役に立てる。
変われる。

変わろう!

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